各国の M&A 関連法規の比較: 台湾

By James HsiaoとLori Hung、デントンズ
0
197
LinkedIn
Facebook
Twitter
Whatsapp
Telegram
Copy link

インド

日本

フィリピン

タイ

ベトナム

 

台湾の対外取引は、パンデミック、渡航制限、サプライチェーンの混乱に関連して世界の情勢が不確実になるなか、過去2年間にわたり減少していました。地域開発への注目の高まりを受け、風力発電所や太陽光発電所などのグリーンエネルギー開発に振り向けられる資金が増加しています。

James Hsiao, Dentons
James Hsiao
シニアパートナー
デントンズ
台北
電話: + 886 2 2702 0208 Ext. 206
Eメール: james.hsiao@dentons.com.tw

経済部投資審議委員会(MoEA)が発表した統計からも明らかなように、また執筆者も同じ認識を持っていますが、海運、倉庫業、卸売業、小売業などの業種で企業活動が増加しています。これは、台湾の企業が渡航制限の解除に向けて準備を整えており、対外取引が再び活発化すると予想していることを示しています。

また、企業が新たな機会を模索し始める一方で、メーカー、サプライヤー、ビジネスパートナーがアジア太平洋地域への影響力と存在感を増していることから、現地のM&A市場が新たな盛り上がりを見せることが期待されます。

重要法令

M&Aに関連する主な法令には、以下のようなものがあります。

  • 会社法(所管:MoEA)
  • 企業合併及び買収法(所管:MoEA)
  • 証券取引法(所管:金融監督委員会)
  • 外国人投資条例(所管:MoEA)

各M&Aの対象企業の業種や取引の構造によっては、他の法令や規制が適用される可能性があることに留意するべきです。

たとえば、海外投資家が風力発電所や太陽光発電所などの再生可能エネルギー業界でM&Aを実施しようとする場合、再生可能エネルギー開発法が適用されます。M&A取引が現従業員の雇用関係の大きな変更を伴う場合には、労働基準法(所管:労働省)が適用される可能性があります。

規制についての最新情報

台湾のM&A市場への関心の高まりを受けて、2023年4月21日に証券取引法の改正が公布されました。改正前は、公開会社の発行済み株式総数の10%を超える株式を取得する個人または法人は、その取得を主管官庁に報告するとともに、公告する必要がありました。また、証券取引所や店頭市場を介さずに公開会社の有価証券の購入を行う公開買付は、主管官庁に報告した後でなければ実施できませんでした。

改正後、報告基準は公開会社の発行済み株式総数の5%に引き下げられました。

Lori Hung, Dentons
Lori Hung
アソシエイト
デントンズ
台北
電話: + 886 2 2702 0208 Ext. 216
Eメール: hsiaoching.hung@dentons.com.tw

行政院が公表した企業合併及び買収法の改正案は、2022年5月24日に可決されました。この改正により、現取締役に対して、合併に関する重大な利害関係や合併への賛否の理由の公表が義務付けられました。その結果、会社と株主の間の情報の透明性が向上し、株主は合併に関してより詳細な情報に基づいて判断できるようになりました。

また、株主総会の承認を必要とする事項についての制限も緩和されました。合併の対価が企業の純資産価値の20%を越えない場合、取締役会の決議のみで合併を決定することができるようになり、合併プロセスが簡素化し、要する時間の短縮につながりました。さらに、合併により取得した無形資産の費用を一定期間内に償却できるようになり、また、スタートアップ企業の起業家は、スタートアップ企業を売却する際に受け取る対価に課される所得税を、売却後3年の期間内に納付することができるようになりました。

上記の改正は、企業のM&Aにとって望ましい環境の形成を目的としており、渡航制限が解除され、対外商取引が再び活発化するなかで、M&Aの件数は増加するとみられます。

この改正に先立つ2020年1月、司法院は商事事件審理法を公布しました。従来、商事訴訟事件は通常複雑で、他の事件が生じる傾向があり、多くの場合、短期間で解決することはできませんでした。その結果、関連企業の操業が制限され、市場の投資意欲に水を差し、さらには台湾の経済的競争力に影響したり損害を与えたりする可能性もあります。

商事事件審理法は、訴訟開始前の調停の義務化により、訴訟手続きを簡素化しています。また、経験豊富な金融の専門家や、関連する経歴のある者を調停人へ任命することについて規定しています。

さらに、調停で解決できなかった事件については、商事裁判所は当事者自身による弁護を禁止し、資格のある弁護士の選任を義務付けています。これにより、プロセスがさらに簡素化・迅速化され、潜在的な商事紛争に企業が対処しやすい環境の形成につながっています。

投資に対する障壁

体内投資誘致を目的とする複数の立法措置にもかかわらず、外国人投資家は状況に応じて、いくつかの障壁を乗り越えなければなりません。

まず、外国人投資家が業界を理解し、規制を遵守するよう図るため、投資委員会が対内投資と対外投資の双方について基準を設定し、審査を行います。外国人投資家は事前に投資委員会に申請し、承認を受ける必要があります。外国人投資条例および関連施行規則に従い、申請の認否は委員会の裁量に委ねられています。

申請が承認された場合でも、投資委員会がさらに書類の提出を求めることもあります。審査プロセスは厳格で詳細にわたるため、最終的に承認されるまでに数カ月を要することも珍しくありません。

次に、大陸資本の企業・個人による台湾への投資は、台湾の大陸委員会が所管する両岸法およびその施行規則により規制されています。状況によっては、多額の資本を持つ中国本土の企業が特定の規制産業に投資することは難しいかもしれません。

さらに、最近の米中間の貿易摩擦に関連して世界的に不確実性が高まっているため、国際企業は、この2つの大国の企業と取引する際には全体的な構成と取引態様を再考する必要があるかもしれません。

したがって投資家は、現在の貿易摩擦だけではなく、地域的なビジネスへの影響についても慎重に考え、戦略を練る必要があります。

最後に、米連邦準備制度理事会(FRB)は、2022年だけでも7回の利上げを発表しました。利上げは2023年も継続されています。これを受けて、台湾中央銀行も利上げを発表し、地元銀行もこれに追随しました。金融機関からの融資を必要とする企業にとって、これがさらさなる障壁になるかもしれません。M&Aのオファーを判断する際には、将来の金利上昇の可能性を考慮に入れる必要があります。

M&Aの展望

上述したような課題はあるものの、私たちは台湾のM&A市場の2023年の見通しについて引き続き楽観的な見方を維持しています。パンデミックは数々の産業に影響を及ぼし、損害を与えましたが、これは、影響を受けた産業において企業統合が進む契機になり得るとも考えられます。

M&Aの促進につながる法令の施行と商事紛争を専門に担当する裁判所の設置を背景として、2023年以降もM&A市場の継続的な成長が期待されます。

Dentons Law Firm

DENTONS

3F, No. 77, Section 2

Dunhua South Road

Taipei, Taiwan

お問い合わせ:
電話: +886 2 2702 0208
Eメール: james.hsiao@dentons.com.tw

www.dentons.com.tw

LinkedIn
Facebook
Twitter
Whatsapp
Telegram
Copy link