インドネシアへの投資:投資機会の拡大へ向けて

By Denny RahmansyahとVelicia Khoswan、SSEK Law Firm
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日本とインドネシアは、長年にわたって経済関係を維持してきました。2023年だけでも、日本からインドネシアへの投資総額は46億3000万米ドルに達し、日本は同国第4位の外国投資国となっています。過去10年間において、日本の投資家が特に関心を寄せてきたのは、自動車・運輸部門、公益事業(電気、水道、ガス)、不動産です。

インドネシアは、事業拡大を目指す日本の投資家にとって魅力的な投資先です。人口が多く、経済が拡大し続けているこの国の消費者市場は、さまざまな産業にとって多大な成長の可能性を秘めています。

鉱物、石炭、天然ガスなどの豊富な天然資源は、投資家に安定したサプライチェーンを提供します。地理的にも、インドネシアは戦略的に優れた位置にあり、日本にも比較的近いことから、東南アジアをはじめ世界的な市場拡大を目指す日本の投資家にとって理想的な国です。

政策イニシアティブ

Denny Rahmansyah
Denny Rahmansyah
パートナー
SSEK Law Firm
ジャカルタ
Eメール: dennyrahmansyah@ssek.com

近年、インドネシア政府は、さまざまな政策イニシアティブや規制改革を通して、外国投資の参入促進を重視してきました。

現在の投資政策は、革新的でテクノロジーをベースにした経済、特に持続可能なグリーンエコノミーやブルーエコノミーの発展の強化を主な目的にしています。グリーンエコノミーを促進するための潜在的な投資分野には、インフラストラクチャー、バッテリー式電気自動車産業、新エネルギー・再生可能エネルギー分野などがあります。ブルーエコノミーは、漁業、海洋・沿岸資源、サンゴ礁保全プロジェクトへの潜在的投資によって推進されます。

持続可能な経済の推進に加え、政府は経済構造を第一次産業ベースから、付加価値ベース(川下)へと転換することに注力しています。これは特定の投資部門を優先することで達成されつつあり、それには、輸出志向で労働集約的な産業、再生可能エネルギー、インフラストラクチャー、デジタル経済、鉱業における付加価値活動などがあります。

上記の政策イニシアティブを促進し、外国投資の参入を容易にするため、政府は「雇用創出に関する2020年法律 第11号」を発布しましたが、この法律は取り消されて、「雇用創出に関する2022年法律 第2号に代わる政府規則」によって置き換えられました。さらに「雇用創出に関する2022年法律 第2号に代わる政府規則」は、「雇用創出に関する2023年法律 第6号」で法律(雇用創出法)として規定されています。

雇用創出法は、経済転換を通して国の競争力と投資の魅力を高めるとともに、主にビジネスのしやすさの改善によって、国の開発プロセスを加速させることを目的としています。総じて、同法は投資関連規制の合理化や、事業許可手続の簡素化によって、投資規制を改革しています。

規制改革は事業許可システムのデジタル化に支えられており、これによって効率が大幅に改善されました。オンライン・シングル・サブミッション(OSS)システムの導入によって、事業許可に関する行政手続が簡素化され、投資家や事業関係者に大きな恩恵がもたらされたのです。

外国投資のしやすさを向上させるための政府の努力には、外国人投資家に対するさまざまな優遇措置の提供も含まれています。これにはタックスホリデー(免税措置)や税額控除、特定分野に対する輸入関税免除制度などがあります。

リスク軽減

Velicia Khoswan
Velicia Khoswan
アソシエイト
SSEK Law Firm
ジャカルタ
Eメール: veliciakhoswan@ssek.com

投資先としてインドネシアは魅力的ではありますが、日本の投資家が市場に参入する際の潜在的リスクを軽減するためには、インドネシアの法律と規制の枠組を充分に理解しておく必要があります。

主な法的検討事項には、インドネシアでの拠点設立手続、最低資本金要件、外国投資の制限、必要な事業許可などがあります。

日本の投資家を含む外国人投資家は、通常、インドネシアで事業展開を行う法人として、外国資本株式会社(Perseroan Terbatas Penanaman Modal Asing、 略称PT PMA)を設立します。

インドネシアの事業活動は、直近では2020年に発行された「インドネシア標準産業分類」(Klasifikasi Baku Lapangan Usaha Indonesia、略称KBLI)というカタログにある、一連の5桁の番号で分類されます。

PT PMAを設立する前に、まずそのPT PMAが意図する事業活動に適用されるKBLIを調べることが大切です。適用される外国投資制限、最低資本金、事業許可要件は、KBLIの分類を参照して規定されるので、想定する事業活動に適切なKBLI分類を見極めることは非常に重要です。

PT PMAに適用される外国人持株制限を含む外国投資の制限は、「2021年大統領規則第49号」(ポジティブリスト)による改正を経た、「投資事業分野に関する2021年大統領規則第10号」に規定されています。

ポジティブリストは、外国投資に開放されている事業活動と、制限されている事業活動のリストです。そのような制限には、該当する事業活動に対する外国人個人および外国法人による投資の完全禁止、持株比率の上限、または現地の協同組合(koperasi)や零細・中小企業との協力の義務などがあります。

外国人による所有権の制限に加えて、PT PMAのKBLI番号を確定しておくことも、PT PMAの必要かつ適切な資本金を決定する上で極めて重要です。

一般的なルールとしては、一部セクターの例外を除き、PT PMAの最低投資額は、土地と建物を除き、KBLI番号あたり100億インドネシア・ルピア(64万米ドル)です。実務上、この最低投資額は、会社の授権資本に相当するものとして反映され、広く認識されていますが、それは実態として会社に投入された資金ではなく、払込済み資本(実際に投資された資本)の上限額です。上記にかかわらず、PT PMAは最低100億インドネシア・ルピアの払込済み資本を持つ必要があります。

PT PMAを設立した後は、インドネシアで事業活動を行うためのライセンスを取得しなくてはなりません。すべてのライセンス取得はリスク・ベースで行われ、各事業活動はその活動のリスク度合いに基づいて分類されます。

低リスクの事業活動であれば、事業者識別番号(Nomor Induk Berusaha、略称NIB)を取得するだけで済みます。リスクの高い事業活動には、その活動の種類や関連するリスクに応じて、NIIBとは別に、追加の事業免許および/または認証が必要となります。

上記の一般的な要件や制限に加えて、一部の業種では、その業種特有の要件や制限があり、投資家はそれらを考慮しなくてはなりません。

例えば、インドネシアは外国人株主が株式を保有している鉱業・石炭採掘会社に対して株式売却義務を課しており、同社の外国人株主は、一定期間のうちに徐々に国内株主に株式を売却しなくてはなりません。

また別の例としては、建設サービス会社の株主に課される要件があります。それらの会社の株主は、(外国人株主の場合は)本国において建設サービス事業体でなくてはならず、または(国内株主の場合は)国内の建設鉱山サービス会社でなくてはなりません。

インドネシアに投資する際に、日本の投資家は法制面でさまざまなリスクに直面する可能性があり、その軽減策が必要となっています。重大なリスクは、投資や事業運営に影響を及ぼす可能性のある規制変更です。

そうした変更は予測不可能な場合があり、政治的・地政学的な不安定さといった別の要因と重なれば、なおさらのことです。規制変更は投資家の事業計画を混乱させる可能性があり、また、新たな規制を遵守するプロセスには時間もコストもかかることがあります。

暗黙のルール

もう一つのリスクは、インドネシア当局によって実際に行使されることの多い不文律(暗黙のルール)に起因する、法的な不確実性です。法律が明確でなく、施行規則の発布によって解釈を深める必要が生じることは、しばしば起こります。

しかし、施行規則がまだ発布されていない場合、法律の解釈は関係当局の不文律により行われます。不文律はまた、既存の法律や規制に対する解釈の違いにつながり、結果として、地域や部門によってその適用に一貫性がなくなることがあります。

さらに、新しく制定された法律や規制の実際の施行状況が、その法律や規制に書かれた条文とは乖離していることがあり、それは多くの場合、制定にあたって適切な社会化が行われなかったことが原因です。

こうしたすべてのことが、インドネシアで事業を行おうとする投資家にとって、混乱と不確実性を招きかねません。法律や規制の実施に関する透明で標準化された手続の欠如も、外国投資の妨げになる可能性があります。潜在的な投資家が、将来遭遇するかもしれないリスクを正確に評価することができないからです。

要点

回避可能な損失をもたらす可能性のある将来的リスクに対抗するため、日本の投資家の皆様には、徹底的なデューデリジェンスと包括的なリスク評価を行うことをお勧めします。そのためには、投資プロセス全体を通して投資家を導き、進化する規制要件の遵守を確保し、潜在的な規制変更を予測することができる、現地の法律顧問の法的助言を求めることです。

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