不動産市場の地域比較: インド

    By Hardeep Sachdeva、Ravi BhasinとAbhishek Awasthi,AZB & Partners
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    インドの不動産投資へのナビゲーション

    インドでは、タウンシップ、住宅・商業施設、病院などのプロジェクトを含む建設開発部門で、最大100%までの外国直接投資(FDI)に対する(政府承認を必要としない)自動承認が認められており、2023年第2四半期には、それが最近のFDI総額の9%という大きな割合を占めています。

    本稿では、FDI、不動産投資信託(REIT)、破産、ストラクチャードファイナンスなど、この活気あるセクターに対する現在の規制の枠組みを分析します。

    建設におけるFDI

    100%の FDI が認められているため、投資家はプロジェクトの完了時、あるいは道路、水道、街路灯、排水、下水道といった基幹インフラの開発後にイグジットすることができます。

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    Hardeep Sachdeva
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    Eメール: hardeep.sachdeva@azbpartners.com

    各段階は、個別のプロジェクトとみなされます。FDI の各トランシェに関して計算される3年間の譲渡禁止期間の満了を条件として、投資家はプロジェクト全体が完了する前でも、その外国投資からイグジットして資金を本国に送金することができるのです。しかしホテル、観光リゾート、病院および教育機関への投資には、このイグジット規制は適用されません。

    また、非居住のインド人から同じく非居住のインド人への譲渡で、投資の送還を伴わないものも、譲渡禁止期間や政府の承認なしに認められています。

    ただし、農場建設、譲渡可能な開発権の取引、または土地や不動産の売買で利益を得る不動産事業に従事するインド企業に対しては、FDIが認められていないことに留意する必要があります。

    タウンシップ、住宅・商業施設、道路または橋梁、REIT、教育施設、レクリエーション施設、都市・地域レベルのインフラなどの開発、および賃貸料やリース料など不動産譲渡に該当しない収入は、いわゆる不動産事業とはみなされません。

    インド国内に支店または事業所を有する外国企業が、事業遂行のために不動産を取得しようとする場合は、「2019年 外国為替管理(非債務証券)規則」が適用されます。

    これには、インド準備銀行(RBI)に対して所定の申告を行う必要があります。これをインド国内で受領した資金で支払うには、通常の銀行チャネルを通じて、インド国外からの対内送金、または NRE/FCNR (B)/NRO 口座からの引き落としによって行うことができます。

    投資信託

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    Ravi Bhasin
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    不動産セクターにおけるもう一つの最近の動きは、個人投資家と機関投資家の双方がREITモデルを採用していることです。現在、5件のREITが登録されており、このうち3件が合計でグレードAのオフィス・スペースの11%を保有しており、今後このセクターは最大68%急上昇すると予測されています。

    REITは、一般に指定スポンサー、運用会社、受託者、投資単位保持者で構成され、「1982年インド信託法」に基づく信託であるため、主としてインド証券取引委員会(SEBI)のREIT規則によって管理されています。

    この REIT規則は、REIT資産の価値の80%以上が、完成済みで賃料および/または収益を生む不動産に投資されていなくてはならないと定めています。残りの20%は、建設中、または完成済みであるが賃料を生み出さない物件に投資されている必要があります。

    投資家の利益を保護し、投資家が充分な情報を得てRIET投資の意思決定ができるよう、同規則では、登録評価人により、すべてのREIT資産の完全な評価を毎年行うなど、一定の定期的評価について定めています。このような評価報告書を受領した場合、それを15日以内に指定証券取引所、および投資単位保持者に提出することが義務付けられています。

    破産および倒産

    「2016年 破産倒産法」(IBC)は、破産や倒産の法律の既存の枠組みを整備し、破産と清算のプロセスを合理化したものです。

    IBCは、企業債務者の債務不履行が発生した場合に、金融債権者、営業債権者、または企業債権者が破産処理手続を開始することを可能にしています。これは、破産処理手続開始申請書の提出から180日以内に解決されなくてはなりません。

    IBCは、ステークホルダーである住宅購入者と不動産開発業者、双方の利害関係を伴うインドの不動産破産に対し、決定的な影響を与えてきました。住宅購入者にも、最近の法改正や最高裁判決によって、より大きな権利がもたらされました。

    Abhishek Awasthi, AZB & Partners
    Abhishek Awasthi
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    以前は、彼らの役割が「その他の債権者」としての認識に限定されていました。しかし2018年の法改正以降、住宅購入者は金融債権者として認められ、債務不履行に陥った不動産会社に対して、破産手続を開始する権利を有しています。この権利には、プロセス開始に必要な住宅購入者数の最低基準値が適用されます。

    不動産開発業者にも、不動産会社の破産処理計画を模索・決定する際の、より大きな柔軟性が、インド破産倒産委員会によってもたらされました。2022年に更新された「法人に関する破産処理手続規則」では、債権者委員会は、法人債務全体に関する処理計画が受理されなかった場合でも、法人債務者の1件または複数の資産に関して、新たな処理計画を模索することができるようになりました。

    処理専門会社は、企業債務者の資産の評価を最大化するためのマーケティング戦略に、予算を配分することもできます。この改正は、企業債務者の個々の不動産プロジェクトに特化した処理を可能にするもので、それらはプロジェクトの規模、開発タイプ、完成段階、立地などの要因によって変わります。

    利益保護

    IBCとは別に、貸手が債権を回収するためのもう一つの主な手段が、「2002年 金融資産の証券化および再建ならびに担保権の実行法」(SARFAESI法)によって規定されています。

    債務者が有担保債務の返済を怠った場合、有担保債権者は当該債務者の口座を不良資産に分類し、担保権を行使して被担保資産を占有する手続を開始することができ、それは民事裁判に比べて、より早く債権回収するプロセスです。

    借手に対しては、定められた期間内に債務を全額弁済するよう事前通知を送付する必要があり、弁済されなかった場合、SARFAESI法の規定に基づいて強制執行手続が開始されることがあります。

    SARFAESI法が不動産開発業者、住宅購入者、銀行の間の金融契約を管理し、執行を促進する一方で、「2016年 不動産の開発・販売規制に関する法律」(RERA)は、不動産プロジェクトの建設、開発、マーケティングにおける割当先(購入者)とプロモーターの利益のバランスをとる主要な法律です。

    RERAのもとでは、不動産プロジェクトのプロモーターと割当先とに、一定の責任が課されます。プロモーターには、認可された計画や不動産プロジェクトの完成スケジュールなどの関連情報を、割当先に開示する義務があります。

    一方、割当先は、プロジェクト・プロモーターとの売買契約、および有担保債権者との融資契約に従って支払いを行い、債務不履行の場合は利息を支払う義務を負います。

    「Union Bank of India 対 Rajasthan Real Estate Regulatory Authority 他」の件において、最高裁はラジャスタン高等裁判所の判決を支持し、RERAは特別な法律であり、紛争が発生した場合にはSARFAESI法の規定に優先するという原則を再強調しました。

    ここで重要なのは、最高裁がさらに踏み込んで、有担保債権者である銀行がSARFAESI法の第13条4項の規定に頼る場合、RERA当局者は、銀行に対する住宅購入者からの苦情を受理する管轄権を有するとしたことです。

    借入による資金調達

    外国の法域からの貸手も、RBIが随時更新する「対外商業借入、貿易債権及び仕組債に関するマスター・ディレクション」(ECB枠組み)の対象となります。この枠組みは、融資が自動ルートまたは承認ルートに該当する場合に、借手と貸手が充足しなくてはならない一定の条件を定めています。

    それに替えて、外国の貸手や投資家が利用するもう一つのルートは、「2008年 SEBI(債務証券の発行および上場)規則」に従って、上場か非上場かを問わず、インド企業の有担保非転換社債を引き受けることです。

    担保権は、非居住インド人(NRI)に代わって担保を保有し、借手のコンプライアンスを監督する責任を負う債権受託者に、有利に設定されます。NRIである引受者は、外国ポートフォリオ投資家としてSEBIに登録されていなくてはなりません。

    2021年の法改正に基づき、RBIは「2019年 外国為替管理(債務証券)規則」を改正し、外国人ポートフォリオ投資家(FPI)が、中期枠組みまたは任意留保ルートのもとでREITやインフラ投資信託が発行する負債証券に投資できるようにしました。ただしFPIが1件のREITで保有できる投資口の上限は10%とされています。

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