説明的な言葉は商標として保護できない

By Manisha Singh、Malyashree Sridharan,LexOrbis
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M/S Pornsricharoenpun Co Ltd & AnrM/S L’Oreal India Private Limitedの裁判所命令に対し、先般行われた控訴において、デリー高等裁判所は、Hair Spaという標章の控訴人による使用を差し止める仮処分を無効にしました。裁判所は、被控訴人がHair Spaという用語を商標登録していたとはいえ、この用語は取引上一般的に使用されており、控訴人が商標としてではなく、記述的に使用していたものであると判示しました。

記述的な用語は、保護される商標の形式を満たし得ない
Manisha Singh
パートナー
LexOrbis

控訴人は、タイにおいて、Berinaという商標で化粧品およびヘアケア製品の製造、販売、輸出、取引を行う事業を確立していました。この商標は、インドで化粧品およびヘアケア製品の第3類に登録されました。控訴人がBerina Hair Spaの標章を付した製品の発売を、初めてインドで宣伝したのは2011年のことでした。その広告が掲載された雑誌には、被控訴人の製品の広告も掲載されていました。被控訴人は、控訴人の製品および外観を事前に知っていたにもかかわらず、3年間何の措置も講じませんでした。2014年、被控訴人はHair Spaという商標に関する侵害とパッシングオフを主張し、控訴人に対する終局的差止を申し立てました。原審は控訴人に対し、Berina Hair Spaという標章の使用差止を命じました。控訴人は、この差止命令を不服として高等裁判所に控訴しました。

控訴人は、自身が製造する商品には、Berinaという商標と、それに続いて、脱色剤、ヘアカラー、縮毛矯正クリーム、ヘアスパ、コンディショナーなどの商品の説明や、性質についての記載が付されていることを提示しました。hair spaという表現は、記述として使用されたに過ぎず、商標として使用されたわけではありません。その表現は一般的であり、消費者はこれを毛髪の状態を改善する処置と一般的に理解して、使用していました。 hairとspaの双方に、辞書に載っているような平易な意味があり、双方を合わせたhair spaという言葉は、単に傷んだ髪の処置、手入れ、栄養補給を指していました。

hair spaという表現は取引上一般的なものであり、複数の事業者がhair spaという言葉を用いて製品を販売していたため、誰もその独占権を主張することはできませんでした。この2つの競合商品の形状、色の組み合わせ、またはトレードドレスに類似性はありませんでした。hair spaという言葉の記載スタイルも、類似していませんでした。

記述的な用語は、保護される商標の形式を満たし得ない
Malyashree Sridharan
アソシエイトパートナー
LexOrbis

被控訴人は、2002年にヘア製品およびサービスのためにHair Spaという商標を誠実に善意で採用し、それ以降、公然と、継続的に、広範囲にわたり、営業目的で使用してきたと主張しました。被控訴人は、図案化されたマークとロゴを使用して、さまざまなL’Orealのマークを作成してきたことを提示しました。被控訴人はHair Spaという商標を登録していたため、登録商標Hair Spaを控訴人が使用してことは、侵害およびパッシングオフに該当すると主張しました。

高等裁判所は、判断の根拠となる判決を多数引用して、hair spaという用語は記述のために使用されており、髪の処置と栄養補給に用いられる製品を記述するために、取引上一般的に使用されていると判示しました。また、hair spaという用語は創作された表現ではなく、単にhairとspaという2つの英単語を組み合わせたものであり、商品の特徴を表現しているに過ぎないと判示しました。この2つの英単語の組み合わせに、固有の特色はありませんでした。さらに、裁判所は、被控訴人の商標Hair Spaは、排他的な独占権を主張し、他者による一般的な表現の使用を排除するために必要な識別力を備えていないと判示しました。

最も重要な点として、控訴人の製品の配色が被控訴人の製品の配色と明らかに異なっており、hair spaという言葉のフォント、文字のスタイル、色彩も異なっていたことが挙げられます。高等裁判所は控訴人の主張を認め、原審の下した命令を破棄しました。

この判決により、商品の特徴を説明する記述的な用語を、商標として登録してはならないという商標法上の見解が改めて確認されました。記述的商標の保護と執行を行うための閾値は、高く設定されています。商標が識別力を有しているという主張は、その独自性ゆえに疑いの余地なく原告に結び付いていることが明確であり、継続的かつ中断なく使用されていることを示す、信頼性と信用性のある証拠によって裏付けられる必要があります。

このような商標はほとんど保護されない可能性があるため、権利行使の観点からは、ブランド所有者は、このような商標の採用には極めて慎重であるべきです。

Manisha SinghはLexOrbisの パートナー、Malyashree Sridharanはアソシエイトパートナーです。

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