インド、排出量ゼロに照準を合わせる

By Manish Dembla、Srishti Kanwar、Manish Dembla、Srishti Kanwar
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先日閉幕したCOP27において、インドは改めて、2070年までに排出量ネットゼロを達成するという公約を表明しました。この公約を裏付けるような政策的取り組みが、最近進められています。

政府は2021年に「国家水素ミッション」を、2022年2月に「グリーン水素・グリーンアンモニア政策」を発表しました。これらの計画は、化石燃料への依存の低減とクリーンな燃料の確保とともに、インドをグリーン水素・アンモニアの輸出大国にすることに焦点を定めています。

Manish Dembla
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パートナー
Kochhar & Co.

2022年エネルギー保全(修正)法案は、2070年までにネットゼロ経済を実現するというこの目標の達成に向けて、2001年エネルギー保全法を改正するものです。同法案により、政府は、さまざまな産業セクター、運輸セクター、商業ビルに対して非化石エネルギーの使用を義務付け、違反した場合は最高で百万インドルピーの罰金を科すことができるようになります。また、同法案では、接続負荷が100キロワット超の機器、建物、産業のエネルギー効率に関する基準が規定されており、適用範囲は車両や船舶にも拡大される予定です。

中央電力庁(CEA)は2022年9月に国家電力計画(NEP 2022)の草案を公表しました。同草案では、インドは2031年~2032年までに、太陽光発電容量と風力発電容量を大幅に増強し、それぞれを333ギガワット(GW)および134GW増加させる計画です。2022年9月までに、インドの再生可能エネルギー導入済み総容量は、大規模水力発電計画を除き、2016年から倍増して118GW超となり、総容量の29%を占めるに至りました。その内訳は、太陽光発電が58GW、風力発電が41GWで、2020年から2022年にかけての純増量は、太陽光発電が22.5GW、陸上風力発電が3GWです。

再生可能エネルギー証書(REC)は、再生可能エネルギーの普及を促し、電力の一定割合を再生可能エネルギー源から生成することを義務付ける、再生可能エネルギー購入義務(RPO)の遵守を促すための制度です。電力省はRPO目標値を2023年の24.6%から2030年の43.33%に引き上げました。また、インドではエネルギー貯蔵義務(ESO)制度が導入されました。この制度では、再生可能エネルギーの貯蔵量を2023年~2024年には1%とし、2029年~2030年までに、太陽光と風力による供給量を全体の4%まで段階的に引き上げると明記されています。

インドは、2026年までに自動車産業の、特に二輪車と三輪車において、完全電気自動車化を達成することに注力しており、COP26の会議では、電気自動車化の100%実現に向けた宣言に署名しました。ガソリンにエタノールを20%混合するなど、代替燃料利用に向けた取り組みが行われています。

日印クリーン・エネルギー・パートナーシップ

インドにおける再生可能エネルギー分野の取り組みの進展を受け、日本は、ネットゼロという共通目標の達成に向けて、2022年3月にインドと「クリーン・エネルギー・パートナーシップ」を締結しました。この協力関係は、2007年に始まった日印対話において、双方の国がすでに実施してきた取り組みを基盤として構築されました。

インド、排出量ゼロに照準を合わせる
Srishti Kanwar
シニアアソシエイト
Kochhar & Co.

このパートナーシップ発表の直後、国際協力機構はインド政府との間で、アンダマン・ニコバル諸島の電力供給改善を目的とする最大40億円(2950万米ドル)の無償資金協力に関する贈与契約に調印しました。この島々はインドで最も隔絶された地域の一つで、再生不可能なエネルギー資源に大きく依存しています。この取り組みを通じて再生可能エネルギーが利用できるようになり、この地域のエネルギー源をよりクリーンなものに転換していくことができます。これを可能にするのは、再生可能なエネルギーを蓄電池に貯蔵してアンダマン・ニコバル諸島に輸送するという革新的な技術です。

他にも、この分野での日印協力の例として、ReNew Power Indiaと三井物産株式会社の提携による、再生可能エネルギープロジェクトがあります。このプロジェクトでは、ラジャスタン州、カルナータカ州、マハーラーシュトラ州に、風力発電所と太陽光発電所、および蓄電施設を設置する計画です。

結論

日印クリーン・エネルギー・パートナーシップは、再生可能エネルギー開発における二国間の協力関係を深めるすばらしい取り組みであり、今後も、この協力関係の強化に貢献することでしょう。このパートナーシップを通じてクリーンで持続可能なエネルギー開発が加速し、雇用創出とイノベーションが促されるでしょう。インドは、「一つの地球、一つの家族、一つの未来」をテーマに掲げ、G20の議長国に就任しました。こうしたなか、このパートナーシップは、気候変動との戦いは各国が単独で行うのではなく、全世界の人々が一つの家族として取り組まなければならないという現実を、明確にするものとなっています。

Manish Dembla は Kochhar & Coの パートナー、 Srishti Kanwarはシニアアソシエイトです。

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