固定概念と偏見を禁止する新たなASCI規定

By Ashima ObhanとAnubhav Chakravorty、Obhan & Associates
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営利企業であるインド広告基準評議会(Advertising Standards Council of India:ASCI)は、広告業界において自主規制運動を推し進める任意協議会としての役割を果たしています。同評議会は、広告主、メディア、広告代理店、および広告業務に関連するその他の専門的・付帯的サービスから支援を受けています。ASCIは広告業界を規制する役割を担っていますが、そうした役割については、インド食品安全基準局や情報放送省など複数の政府機関から承認を得ています。

しかし、Procter and Gamble Home ProductsHindustan Unilever Ltd.におけるデリー高等裁判所の判決や、Century PlyboardsASCIにおけるボンベイ高等裁判所の判決など、複数の高等裁判所の判決によって、ASCIの役割の範囲が定義され、ASCIは民事裁判所の権限を保持することも、差止命令を出すことも、紛争を解決することも、損害賠償を認めることもできないと判示されました。Century Plyboardsの裁判では、ASCIの規定が法律と競合しないことはASCIの基本定款や通常定款で定められている、と認めました。ASCIの規則やその実施方法は、法的管理を補完するために策定されたものであり、法的管理を侵害することやそれに取って代わることを目的としていません。その一方で、Metro Tyres LimitedASCIの訴訟において、デリー高等裁判所は、ASCIは、著作権侵害に関する訴えを受け入れる権限を有しているという判決を下しました。

New ASCI code prohibits stereotypes and prejudice, Obhan & Associates
Ashima Obhan
シニアパートナー
Obhan & Associates

しかしながら、ASCIは、依然として、広告業界の利害関係者や消費者に多大な影響力を持つ機関です。長年にわたって、ASCIは、商業的利益によって一般市民の認識がどの程度形成されるかを監視するという重要な役割を担ってきており、消費者が、新型コロナウイルス対策のマットレスや免疫力を高めるビリヤニといった商品の購入に誘導されないよう努めています。

インドの広告コンテンツを自主規制するためのASCI規定(ASCI Code for Self-Regulation of Advertising Content in India:以下、本規定)は、広告が一般に認められた社会の良識に反しないものとなるよう、また事実に基づき、明瞭かつ公正で、信頼できる内容となるよう、広告コンテンツを規制するという目標を掲げて策定されました。本規定は、2010年のインド報道評議会のジャーナリズム行動規範(Press Council of India’s Norms of Journalistic Conduct)の第10版に追加され、その他多くの関係政府団体によって認められています。

2022年5月25日、ASCIは本規定を更新し、その内容が広告にさらに反映されるように徹底しました。本規定では、すでに広告から人種、カースト、信条、性別、または国籍に基づくあらゆる中傷を排除するように要求していますが、ジェンダーアイデンティティ、性的指向、体形、年齢、体調および精神状態など差別の新たな根拠となる要素についても、第3.1条(b)に追加されました。こうしたいかなる差別についても、現在では本規定の違反とみなされます。ASCIのCEOは、こうした修正を盛り込むことで、発展する社会にふさわしくない描写が排除され、広告がより感度を高め、あらゆる国民に受け入れられることを望む、と強調しました。

New ASCI code prohibits stereotypes and prejudice, Obhan & Associates
Anubhav Chakravorty
アソシエイト
Obhan & Associates

ASCIによるこうした善意に基づいた措置は、消費者マインドを測定するためにASCIが収集したデータによって裏付けられています。2022年1月のASCI報告書「インド国民は何に怒っているのか―インド広告基準評議会に届いた苦情についての調査(What India Takes Offence To – A Study of Complaints Received at the Advertising Standards Council of India)」では、市民の感情を害する広告を調査し、その根底にあるメッセージを分析しました。望ましくないカテゴリーとして、売上のために社会的に望ましくない描写を強調しているとみなされるもの、宗教心を傷つけるもの、プライムタイムまたはゴールデンタイムに放送されているが子どもには不適切だと考えられるものなどが挙げられました。

しかし、過去10年間にわたってインターネットによって生み出された考えの多様化により、一般に認められた社会の良識が、以前と比べて現在ではかなりばらついたものになっていると考えられます。このような社会の良識に対する認識は常に変化し、発展していくものですが、本規定の更新によって、こうした状況に寄与できる可能性があります。世界各国の消費者によるダイバーシティとインクルージョンに注視すると、本規定への修正も、商業的利益と消費者感情との溝を埋めるための措置とみなすことができます。

広告業界の巨匠であるDavid Ogilvyは次のように述べています。「文法規則については詳しくありません。(中略)人々になんらかの行動を起こすように促したい場合や、何かを買うように仕向けたい場合は、その当事者の言葉を使うべきであると思います」

Ashima Obhanは、Obhan & Associatesのシニアパートナーであり、Anubhav Chakravortyはアソシエイトです。

Obhan & Associates

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