実施できる確率の高い広告の知的財産権保護

By Manisha Singh とAnirudh Arora、LexOrbis
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デジタルメディアやデジタルプラットフォームが、特に国境を越えて拡大する中、評価や信用を獲得することにおいて、広告がより一層重要な役割を担っています。こうした事態に対応するために、法体系や知的財産権保護の適用についても、相応の進化を遂げなければなりません。最近のBright Lifecare Pvt Ltd v Vini Cosmetics Pvt Ltd & Anrの訴訟において、デリー高等裁判所は、独自の広告内容を侵害したとする申し立てを解決するための指針を、タイミングよく提示しました。

健康補助食品、栄養補助食品、食品の製造販売業者である原告のBright Lifecareは、医薬品、アーユルベーダ製品、化粧品の製造販売業者である、第1被告のVini Cosmeticsに対して、原告の著作権および商標権の侵害、ならびに詐称通用の行為があったとして申し立てを行いました。第2被告は、第1被告の広告をそのプラットフォームで運営していたYouTubeでした。

Sweet smell of success in protecting advertising IPRs
Manisha Singh
パートナー
LexOrbis

2018年、原告は、YouTubeなどの多くのプラットフォーム上で、Ziddi Hoon Mainをテーマとした動画を公開して、広告キャンペーンを開始しました。それに続いて、タミル語をはじめとする数種類の言語での広告も掲載しました。原告が公開した動画では、ZiddやZiddiなどのさまざまな言葉を用いて、数々の課題に直面しながらも諦めない人々の強靭さを描写し、何百万人もの視聴者の注目を集めました。原告は、Ziddという商標や、Ziddiなどの言葉を含めたスローガン、ならびに変形させた言葉を、さまざまな区分で商標に登録しました。

原告は2022年1月に、第1被告が製造販売するRealmanという商品名のデオドラントの広告に気づきました。原告は、これらの広告は、コンセプトや外観が原告の広告に類似していると主張しました。その広告キャンペーンにおいて、原告が使用している名称と紛らわしいほど類似した、Ziddi Perfumeという名称を第1被告が使用していると、原告は主張しました。また、第1被告は、こうした名称を使用することに加え、原告の動画のシーンに類似したシーンを広告に使用し、原告の商標権、および映像作品の著作権も侵害した、と原告は主張しました。原告は、それぞれの広告においてそっくりのシーンを示した比較表を、証拠として提示しました。

裁判で争われたのは、原告のキャンペーンの要素が単なるアイデアに過ぎないのか、あるいはアイデアの表現に該当するかという点でした。裁判所は、次の3つの重要な事実認定を考慮しました。原告の広告キャンぺ―ンにおけるZiddおよびZiddiという言葉の全般的なコンセプト、外観、イメージが、第1被告の広告で模倣されていました。原告の広告からの画像の模倣および使用が、広告キャンペーンにおける原告の知的財産権を侵害していました。被告らが、似た広告キャンペーンにおいてZiddi Perfumeという表現を使用することは、詐称通用に該当しました。

Anirudh Arora
シニアアソシエイト
LexOrbis

よって、裁判所は、原告のコマーシャルで使用されている独創的な表現が模倣されたため、一般の視聴者に対して、2つのコマーシャルには関連性があるか、もしくは同一の広告主が作成したものであるという印象を与える可能性があるという判決を下しました。また、不屈の精神を示す概念として、ZiddやZiddiという言葉を使用することに関しては、独占権や排他性はないと判示しました。しかし、その概念の表現方法は、その他の概念の表現方法と違っていなければなりません。裁判所は、第1被告のコマーシャルは、原告の広告の単なる模倣に過ぎないと判断しました。また、2つのキャンペーンの全般的な外観とイメージを調査すると、この2つの広告のテーマと表現における類似性は明瞭かつ明白であると判断しました。

よって、裁判所は、被告らに対し、YouTubeおよびその他のサイトから広告を削除するように命じました。第1被告は、原告の広告と類似性がない限りにおいて、その広告を修正することを許可されました。

裁判所は今回の訴訟において、アイデアに関して排他性はないという長らく確立された原則を改めて表明しました。そうしたアイデアの表現のみが保護の対象となります。しかし、今回の判決では、裁判所が広告キャンペーンにおける独自の要素を保護することが可能である一方で、知的財産権所有者の権利と、公平な競争を認めることとのバランスを取る必要性も指摘されました。

Manisha Singh(左)は、LexOrbisのパートナーであり、Anirudh Aroraは同事務所のシニアアソシエイトです。

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