裁判所、空港関連の契約の有効性を承認

By Shailendra Kumar SinghとKartik Agarwal、HSA Advocates
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最近のMIHAN India Ltd v GMR Airports Ltd and Orsの訴訟において、最高裁判所は、いかなる公的な組織または機関も、単に外見上の権利があるという理由だけで、恣意的に行動することはできないことを確認しました。

マハラシュトラ州政府(GoM)は、国際的な旅客・貨物輸送のマルチモーダルな拠点としてインド空港局(AAI)が運営するナーグプル国際空港を、インド政府と共同で開発することを決定しました。民間航空省、マハラシュトラ空港開発会社(Maharashtra Airport Development Company: MADC)、ならびにインド空港局も開発に従事しました。インド空港局およびマハラシュトラ空港開発会社は、MIHANインディアという企業を設立し、インド空港局から本空港の運営を引き継ぎました。MIHANは入札を実施し、民間企業に対して、本空港の改良、近代化、運用、保守を行うよう求めました。マハラシュトラ州政府は、州政府に代わってプロジェクトを監督するために、高官レベルの監督委員会である、プロジェクト監視・実施委員会(Project Monitoring and Implementation Committee: PMIC)を設置しました。プロジェクト監視・実施委員会は、中央政府の代表者、マハラシュトラ州政府、マハラシュトラ空港開発会社、およびインド空港局で構成され、州政府の首席次官が議長を務めました。プロジェクト監視・実施委員会は、資格審査依頼書(Request For Qualification: RFQ)のプロセスを通過した企業に送付された、提案依頼書(Request For Proposal: RFP)を承認しました。収益分配率の最も高い入札業者が契約を請け負うというのが、提案依頼書の条件の一つでした。

Shailendra Kumar Singh
パートナー
HSA Advocates

入札締め切り時点で、GMRエアポーツが最も高い収益分配率を提示していました。しかし、MIHANは、実際に提示された分配率に満足していなかったため、さらにGMRとの議論、交渉を行いました。GMRはさらに高い収益分配率に合意し、書面でこれを確認しました。また、GMRは、MIHANに対して、GMRが選定された入札業者であることを公表し、落札決定書を発行するように要請しました。MIHANは落札決定書を発行し、その後、GMRは修正後の条件を承諾する旨の署名を行いました。

本件について約1年間進捗がなかったため、GMRエアポーツは、作業が進められるように、同社およびその特別目的事業体であるGMRナーグプル国際空港会社(Nagpur International Airport Ltd: GNIAL)にコンセッション契約を発行するよう、MIHANに対して要請しました。MIHANから回答がなかったため、GMRは、MIHANおよびマハラシュトラ州政府に対して、コンセッション契約を締結するよう、ボンベイ高等裁判所に申し立てました。本申し立て書が送達された日に、マハラシュトラ州政府は、本プロジェクトの入札を再度行うようMIHANに指示しました。MIHANは、GMRに対して、現在の入札を無効にし、GMRがその入札保証金の返還を要求するよう求める旨の通知を、書面にて行いました。ボンベイ高等裁判所は、プロジェクトの入札をやり直す試み、現在の入札の取り消し、保証金の返還は、権限の恣意的行使に当たるとする判決を下し、GMRおよびGMRナーグプル国際空港会社の勝訴としました。さらに裁判所は、この行為は憲法第14条に違反していると判示しました。MIHANおよびマハラシュトラ州政府は、最高裁に上告しました。

Kartik Agarwal
アソシエイト
HSA Advocates

最高裁は高等裁判所の判決を支持しました。MIHANおよびマハラシュトラ州政府は、落札決定書は、入札の修正に関するGMRからの承認に過ぎず、また落札は中央政府の承認によって決まったものであり、収益分配率は、インド空港局に基づく現行の取り決めを下回っているため、公共所得を減じるものである、と主張しました。しかし最高裁は、落札決定書は落札したことを適切に承認するものであると断定しました。GMRは、当初から明確に述べられていた通りに、入札を勝ち取っただけでなく、入札業者に有利な修正にも自発的に合意しました。MIHANによる借地権に関する中央政府の承認や入札書類からも、本落札業者が、唯一の事業権の獲得者でありライセンシーであることが明白でした。公的資金の損失という問題は、全般的な入札に関する規制の枠組みや、落札管理者に与えられた権限を考慮すると、関連性がありませんでした。

よって、最高裁は、MIHANおよびマハラシュトラ州政府の行為は、権限の恣意的行使に当たるとする判決を下しました。公的組織にはその権限を行使する裁量がありますが、それは、そうした裁量に制約がないという意味ではありません。入札プロセスは公明正大であることが求められ、また、公的組織が契約上の問題を扱う際には、さらに高い公平性、平等および法規範の基準に従わなければなりません。このような事業体の契約上の権利は、憲法上の制限に従うものとし、平等、妥当性、非恣意性の基準を必ず満たさなければなりません。本件においては、公的組織が、法の下の平等を保証する憲法第14条に違反していました。

本判決は、特に、州組織および公的組織からプロジェクトを確保するために、労力、時間、リソースを費やした、入札業者の期待に応えなければならない役人たちへの戒めとして、歓迎すべきものです。

Shailendra Kumar Singhは、HSA Advocatesのパートナーであり、Kartik Agarwal は同事務所のアソシエイトです。

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