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Asia Business Law Journalは、広範囲に募集した数々の推薦をもとに、日本の弁護士のAリストを発表します。(Lim MiranとNguyen Yenのレポート)

本経済は昨年の本格的な再開以降、緩やかに成長を続けており、長期的な景気回復と拡大に向けて期待が高まっています。こうしたなか、日本企業が国内で躍進し、海外に進出するにあたって、法務分野のプロフェッショナルのサポートが不可欠です。

世界経済の低迷と欧米の利上げによる逆風の中、日本企業は東南アジアの新興市場や米国など海外に成長を求めています。日本政府は、2027年度までにスタートアップへの年間投資額を10兆円(695億米ドル)に引き上げることを目標にしており、スタートアップのエコシステムは政府から強力な支援を受けることになります。

日本の法務セクターでも、進化するビジネス環境への適応が進んでいます。4月、国会は、仲裁法について20年ぶりの大幅改正となる画期的な改正案を可決しました。この改正と並行して、シンガポール国際商事調停条約の国内実施法が制定されました。これにより、調停による仲裁裁定や和解契約に執行力が認められ、裁判所が関与しない紛争解決の枠組みが強化されました。

財政政策に関しては、税制改正大綱が2022年12月に公表され、2023年2月に国会に提出されました。これには日本のスタートアップ・エコシステム強化に向けての施策も含まれています。政府はまた、生成AI技術の急速な進歩を踏まえ、有識者による戦略会議を通じて人工知能(AI)の活用と規制を検討していく予定です。

日本がこのような難しい、しかし刺激的な局面を迎える中、日本で活躍する弁護士のトップ100人を年次Aリストでご紹介します。リストには外国籍の法律コンサルタント、アドバイザー、弁護士も含まれています。Aリストは、日本や他国に拠点を置く社内弁護士や、国際的な弁護士事務所において日本を中心に業務を行うパートナーからの推薦、ならびに広範な調査に基づき作成されています。

Aリストの弁護士のほぼ全員が、日本の法務と経済活動の中心である東京を戦略的に拠点としています。

Asia Business Law Journalに寄せられたクライアントのコメントからは、各専門分野に精通しているだけでなく、クライアントに寄り添い、個々のクライアントに向けた配慮と先見的な助言を提供する経験豊富な弁護士をクライアントは求めていることが見て取れます。

戦略的助言

Aリストに名を連ねる弁護士は高度な専門知識を備え、難解なビジネス法を深く理解しており、その多くが、企業取引、金融規制、コンプライアンスの複雑な問題に対処する上で、企業の信頼の置けるガイドとして定評があります。

森・濱田松本法律事務所のパートナー、江平享弁護士もその一人です。彼はブラジルのサンパウロの法律事務所、Pinheiro Neto Advogadosのパートナー、小野由佳氏から推薦を受けました。

「江平弁護士は融資分野に極めて精通しています。非常に顧客志向で、資金調達や銀行規制の複雑な問題について、クライアントが適切に対処できるようサポートしてくれます」と小野氏は述べています。

また、東京の法人向けクレジットカード発行会社UPSIDERで財務の責任者を務める石原 久嗣氏も江平弁護士を推薦しています。「江平弁護士は経営方針のレベルまで、当社を深く理解しています。安心して頼れる、なくてはならないパートナーです」と石原氏は述べています。「交渉の際、当社の事業が意図するものをステークホルダーに理解してもらえるような、非常に現実に即したアドバイスをいただきました。その結果、会社として常に自信をもって交渉することができました」

江平弁護士の実績を支える本質的な要因として、他には、サービスの効率性と将来を見据えたソリューションを石原氏は挙げています。

江平弁護士と同じ法律事務所でパートナーを務める鈴木克昌弁護士は、東京の電子決済サービス開発企業、PayPayの法務部シニアマネージャー、鵜木崇史氏から称賛を受けています。

「鈴木弁護士は、特にM&A取引と資本市場に高い専門性をもつトップクラスの法律家です」と鵜木氏は述べています。「鈴木弁護士と彼のチームにはこれまでいくつかの取引についてアドバイスをお願いしましたが、いつも的確で有益なアドバイスを提供し、私たちをサポートしてくれます。私たちの依頼は時に、あるいは常に、急を要するのですが、彼と彼のチームは期限通りに、問題を解決に導く、洞察に富むリーガルサービスを提供してくれます。そのおかげで、とても助かっています」

投資運用ソリューションと不動産アドバイザリー・サービスを提供する東京の企業、クロスパス・アドバイザーズの黒田圭吾CEOは、際立った実績とスキルを備えているとして、ベーカー&マッケンジー法律事務所のパートナーである池田成史弁護士を推薦しています。

黒田氏は、「彼が専門としている不動産分野での比類ないリーガル・スキルは、クライアントのために可能な限り最良の結果を達成しようとする献身的な姿勢と高い労働倫理と同様にすばらしいものです」と述べています。「池田弁護士は、法律に関する専門知識に加えて、難解な法的概念を簡潔明瞭に説明できる優れたコミュニケーション能力も備えています。彼は傑出した弁護士であるだけでなく、ビジネスマッチングのセンスにも秀でています」

10年超の長きにわたり池田弁護士のクライアントである、香港の婦人衣料企業、Tillsonburgの財務担当副社長アシュウィン・ワグ氏も意見を同じくしています。

「当社グループの日本の不動産投資案件すべてについて池田弁護士を顧問弁護士兼アドバイザーとして迎えることができて、私たちは本当に幸運だと感じています」とワグ氏は述べています。「彼は日本の不動産取引と税務に精通しており、自ら細部まで目を配ります。私たちを支え、さまざまな所有構造や運営体制の構築を支援し、種々の複雑なクロスボーダーの税務問題についてもアドバイスしてくれました」

インドのムンバイの法律事務所、Trilegaのパートナー、ガネッシュ・ラオ氏にとって、King & Spaldingでパートナーを務めるMark Davies氏は頼りになる弁護士です。「Markは優秀な弁護士で、商取引に関する知識も豊富です」とラオ氏は述べています。

ニューデリーの法律事務所、JSAのパートナー、ガウラヴ・ワヒ氏もDavies弁護士を高く評価しています。「Markは、経験と知識に基づいて問題を予測し、必ず的確なアドバイスを提供してくれます」とワヒ氏は述べています。「彼のアドバイスと解決策は、商取引の実態に即していて実際的で、強い法的根拠に支えられています。そのため、クライアントは確実に目的を達成し、法的な問題の発生を防ぐことができます」

たいまつを掲げて

日本の法曹界は、法制度を守り、日本の法学の方向性を定め、幾世代にもわたって法曹界を啓発するために献身してきた尊敬すべき法律家を数多く輩出しています。

数十年にわたり法律業務を行ってきた経験豊富なこれらの弁護士は、豊富な知識を蓄え、スキルを磨き、法律をめぐる複雑な問題に巧みに対処します。彼らの専門知識は数多くの法的領域に及んでいます。法のもつ複雑な種々の側面に対する包括的な理解に支えられているからこそ、クライアントや同僚、法曹界一般に対し、価値ある指針や助言を提供することができるのです。

長島・大野・常松法律事務所のマネージング・パートナー、杉本文秀弁護士は、国内外のクライアントに債券や株式などの証券の発行に関して長年にわたり助言してきました。また、アセット・ファイナンスや、金融機関の自己資本規制を含む銀行・証券関連の規制に関するアドバイスも提供しています。

渥美坂井法律事務所のシニアパートナー、渥美博夫弁護士と坂井豊弁護士は、金融の分野で日本有数の弁護士として知られています。バンキング、資本市場、ストラクチャード・ファイナンス、アセット・ファイナンスに精通し、バンキングおよびファイナンスの分野の取引額が巨額の複雑な案件において、数多くの日本の大手金融機関と複数のグローバルな投資銀行の代理人を務めてきた実績があります。

TMI総合法律事務所のシニアパートナー、岩倉正和弁護士は、M&A、一般企業法務、コンプライアンス、スタートアップ、保険、国際紛争、ベンチャー・キャピタル、通信・メディア、フィンテックの分野で30年を越える経験を有しています。

大野総合法律事務所の代表パートナーである大野誠司弁護士は、IP訴訟および特許関連案件への対応について高く評価されています。また、バイオテクノロジーと医薬品における規制遵守、ライセンシング、訴訟も専門としています。

リンクレーターズ東京オフィスのマネージング・パートナー、ピーター・フロスト氏は、日本市場のさまざまな債券、株式、株価連動証券の資本市場取引において長年の経験を有する、日本でもっとも求められる弁護士の一人です。

クリフォードチャンス法律事務所のジョイント・マネージング・パートナーである崎村玲子弁護士とレンフォン・ライ弁護士は、資本市場を専門としています。崎村弁護士は債券や株式の国際オファリング、転換社債などの株価連動証券を、ライ弁護士は売掛債権などの資産担保証券を含むストラクチャード・ファイナンス商品に関する案件を主に扱っています。

アレン・アンド・オーヴェリー法律事務所の東京オフィスとソウル・オフィスのマネージング・パートナーであるマティアス・フォス弁護士は、再生可能エネルギー、天然資源、インフラの各分野を中心に、国際的なスポンサー、プロジェクト企業、金融機関に対し、複雑なプロジェクトの商業的・財務的な計画・準備に関して25年超にわたり助言を提供してきました。

メイヤー・ブラウン法律事務所の東京オフィスのマネージング・パートナー、ルパート・バロウズ弁護士は、プロジェクト関連、特にエネルギー・化学分野における国際インフラ・プロジェクトや、それに関連する企業M&Aの経験において、日本で高い評価を得ています。

ノートン・ローズ・フルブライト法律事務所の東京オフィスを率いるGeorge Gibson弁護士は、インフラおよびエネルギー・プロジェクトの資金調達、買収、売却を専門としています。特に、豊富な専門知識を駆使して新興市場に重点的に取り組んでいます。

サウスゲイト法律事務所の創業者兼パートナー、木下万暁弁護士は、クロスボーダーおよび国内の企業取引を主に扱っています。主な専門分野は、M&A、ジョイント・ベンチャー、戦略的提携、プライベート・エクイティ、ベンチャー・キャピタルです。木下弁護士はまた、社会起業家やファンドの代理人を務めることも多く、社会に貢献するベンチャー企業の支援に力を注いでいます。

クイン・エマニュエル法律事務所の東京オフィスのマネージング・パートナー、ライアン・ゴールドスティン弁護士は、複雑な企業法務紛争の専門家であり、難しい訴訟案件を幅広く扱っています。専門分野は、特許・IP紛争、独占禁止法に関する諸問題、集団訴訟、製造物責任案件、犯罪捜査、名誉毀損による損害賠償請求、契約・不正行為に関連する紛争など多岐にわたります。

障壁を打ち破る

日本の法曹界は従来男性優位でしたが、才能ある女性弁護士がガラスの天井を突き破り、注目すべき変化を起こしつつあります。これらの卓越した人材は、長年のジェンダー・バイアスに立ち向かい、法曹界をより良い姿へと変革しています。

Aリストに名を連ねる多くの女性弁護士は先駆者として頭角を現し、社会一般の予想を裏切り、弁護士としてのキャリアで目覚ましい成功を収めてきました。彼女たちの功績は人々を鼓舞する道標であり、より多くの女性が法曹界に加わるための扉を開き、日本の法曹界に多様性と機会均等の新時代をもたらしています。

TMI総合法律事務所のパートナーである相澤光恵弁護士と宮川美津子弁護士も、このような人々に含まれます。相澤弁護士は、倒産・事業再生を専門とする弁護士として高く評価されています。世界的な金融機関が関与する会社更生・民事再生案件も取り扱っており、その専門知識の深さはよく知られています。宮川弁護士は、商標、著作権、意匠など、多様な案件を手がけるIP訴訟弁護士として高い評価を受けています。

長島・大野・常松法律事務所のパートナーである服部薫弁護士、石黒美幸弁護士、小原淳見弁護士、玉井裕子弁護士は、それぞれ、弁護士として25年を越える経験をもち、夢を追求する後進の女性弁護士たちを鼓舞し続けている、卓越した法律家です。

服部弁護士の主な取扱分野は、独占禁止法、競争法、合併管理、国際貿易です。石黒弁護士は、資本市場に関する専門知識で広く知られています。小原弁護士は、国際仲裁、複雑な国際訴訟、調停を専門としており、これらの分野に力を注いでいます。玉井弁護士は、M&A、ジョイント・ベンチャー、ライセンシングを含む、種々の企業取引についてアドバイスを行っています。

西村あさひ法律事務所のパートナー、伊藤真弥弁護士は、多様な天然資源・電力プロジェクトやその他のインフラ・プロジェクトにおけるクロスボーダーのプロジェクトファイナンスに豊富な経験を有しています。また、パートナーの新川麻弁護士は、国内外のプライベート・エクイティ・ファームや企業に対し、M&A、コーポレート・ガバナンス、証券法等に関して幅広いアドバイスを提供してきた実績があります。

渥美坂井法律事務所のシニアパートナー、丹生谷美穂弁護士は、エネルギーおよびインフラ分野の建設プロジェクトで経験を重ねてきました。同様にシニアパートナーである由布節子弁護士は、クロスボーダー取引について40年超にわたる経験があり、EU競争法にも精通しています。また、日本EU学会の理事としても活動してきました。

森・濱田松本法律事務所のパートナー、小澤絵里子弁護士は、不動産、ストラクチャード・ファイナンス、バンキングの分野に豊富な経験をもっています。同様に同事務所のパートナーである高谷知佐子弁護士は、雇用・労働法、クロスボーダー取引、M&A、紛争解決の分野において20年超の経験を有しています。

ベーカー&マッケンジー法律事務所のパートナー、末冨純子弁護士は、ダンピング防止対策、相殺関税、輸入規制などの貿易救済案件に対する戦略的助言など、貿易に関する問題についてクライアントにアドバイスを提供しています。末冨弁護士はまた、関税に関する問題にも精通しており、輸出管理や制裁規制への対処、関税への対応の決定、独占禁止法遵守の管理なども扱っています。

Vanguard Tokyo法律事務所のパートナー、山川亜紀子弁護士は、雇用法、紛争解決、金融規制に関する問題を専門としています。雇用に関して多国籍企業のクライアントに助言しており、訴訟関係の実績には雇用に関する紛争と一般的な商業案件が含まれます。

リストの作成


Aリストは、Asia Business Law Journalが大規模に実施した調査に基づいて作成されています。日本における上位100名の弁護士選出にあたっては、日本や海外の何千名もの社内弁護士や、国際的な弁護士事務所のパートナーに助言を求め、どの弁護士が基準を満たしているか、またその理由について尋ねました。次に挙げる日本内外の企業、金融機関、法律事務所を含め、さまざまな場所で働くプロフェッショナルの方々に推薦をお願いしました。AirTrunk、Bank J Safra Sarasin、シティバンク、クロスパス・アドバイザーズ、DL & F De Saram、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー、ドイツ証券、ヘルツォグ・フォックス&ニーマン、日本IBM、日本規格協会、Khaitan & Co、Makarim & Taira S、三菱UFJフィナンシャル・グループ、モリソン・フォスター、NTTドコモ、PayPay、Pearl Cohen Zedek Latzer Baratz、 Pinheiro Neto Advogados、リクルートホールディングス、SBI新生銀行、Tillsonburg、ノートン・ローズ・フルブライト、トパーズ・キャピタル、Trilegal、Tsar & Tsai、UPSIDER、ヴィクトリック。候補者選定後に、編集部で綿密な調査を実施しました。

最終的なリストには、寄せられた推薦に加えて、アジアの法律市場を記録・分析してきたAsia Business Law Journalの編集チームの豊富な経験が反映されています。日本人の民間弁護士および日本を拠点とする外国人弁護士全員が、自動的に候補者選定の対象となっており、従来同様、エントリーに料金やその他の要件はありません。

Aリストの上位100名の弁護士すべての氏名と写真は、以下のページで公表されています。また、Aリストに選出された各弁護士は、掲載料金が必要ですが、経歴や連絡先の詳細を追加することができます。

Aリストは、編集部の独自の調査にのみ基づいて作成されましたが、多くの記載事項と並んで掲載されている経歴や連絡先の詳細は、弁護士自身によって作成されたものであり、その内容については、Asia Business Law Journalが別途確認したものではないことにご留意ください。

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