包括的な命令による商標侵害訴訟の抑制

By Manisha Singh とAnirudh Arora、LexOrbis
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インターネットは新たな市場です。インターネットや電子商取引プラットフォームに関連するオンラインドメインの紛争が増加しており、有名な商標や有名ブランド系列の商標が関連するドメイン名の乗っ取り事例が、数多く報告されています。

Snapdeal Private Limited対Godaddycom Llc And Ors事件では、デリー高等裁判所(Delhi High Court)は、ドメイン名の一部となっている原告の登録商標「Snapdeal」が悪用される可能性を防止するための、原告からの申し立てを審理しました。この申し立ては、将来、違法行為が行われるおそれがある場合、または違法行為が差し迫っている場合に、それを防止するための差止命令を求めるものでした。Snapdealは、同社の商標Snapdealを含むドメイン名をドメイン名登録業者(DNR)が登録しないよう、ドメイン名登録業者に対する差し止め命令を申し立てました。

Snapdealは、電気通信局(Department of Telecommunications)およびインド国立インターネット取引所(National Internet Exchange of India)のほか、32のドメイン名登録業者を被告に指名しました。この申し立てでは、権利侵害が疑われていたドメイン名を既に登録している事業体は指名されませんでした。

包括的な命令による商標侵害訴訟の抑制, Manisha Singh
Manisha Singh
パートナー
LexOrbis

申立人は、被告の事業体が、Snapdealの商標を組み込んだドメイン名を登録し、くじを提示したり、申立人の製品の顧客サービスセンターを装ったりするなどの違法行為に、そのドメイン名を使用したと申し立てました。また申立人は、ドメイン名登録業者が商標Snapdealを含むドメイン名を登録することにより、申立人の登録商標の侵害を助長しており、1999年商標法(Trade Marks Act, 1999)第28条第1項および第29条第2項の意味の範囲内で、権利侵害者に該当すると主張しました。

デリー高等裁判所は、商標Snapdealを含むドメイン名の登録が、原告の権利を侵害したか否か、また、被告による権利侵害ドメイン名の登録や、必要当事者の不併合を防止する技術的な実行可能性を侵害したか否かを問わず、この問題を被告がセーフハーバー防衛策を利用できる仲介者責任の問題と判断しました。このような問題のほとんどが、原告に有利となるように判断されるということに注目すべきです。同裁判所は、権利侵害ドメイン名を見込み登録業者が利用できるようにするアルゴリズムを使用することにより、ドメイン名登録業者自身が商標法第29条の意味の範囲内での権利侵害者に該当すると考えられると判断しました。ドメイン名登録業者は責任を回避するために、申立人の商標を侵害しているドメイン名を提示しない方法で、アルゴリズムを再コードしなければなりません。

同裁判所の判断の決定的要因は、権利侵害商標を含むドメイン名を、原告が今後提供しないよう、ドメイン名登録業者に対する差止命令による救済を得る権利を有しているか否かでした。同裁判所は、申立人が予防的訴訟を提起したものと考え、申立人による申し立ての性質を、「予想される損害に対する救済を事前に求めるものであり、権利侵害が発生した場合、予防的訴訟により、当該権利侵害が発生する前であっても権利侵害の差し止めを求めることができる」と説明しました。

包括的な命令による商標侵害訴訟の抑制, Anirudh Arora
Anirudh Arora
シニアアソシエイト
LexOrbis

ただし、同裁判所は、推定的な権利侵害ではなく、権利侵害が行われる可能性があるとわかっている商標に関してのみ、申立人に差止命令による救済が認められると判断し、商標Snapdealを含むドメイン名がすべて、性質上、当然に権利侵害を行うものと事前に判断することは認められないと述べました。ドメイン名登録業者が、問題となる商標を含むドメイン名を提供することを、同裁判所が包括的かつ全面的に差し止めることはないと考えられます。同裁判所は、商標法第28条第1項および第29条の規定を強調し、申し立てられた権利侵害商標が明確で特定可能でなければならず、申立人が申し立てる商標が、申立人の登録商標を侵害していることを明示しなければならないと判断しました。

また同裁判所は、申立人が自己の登録商標を侵害していると申し立てたすべてのドメイン名に対して、必ず裁判所に差止命令を申し立てなければならないこと認め、その商標が実際に権利侵害を行っているか否か、差止命令を下すことが正しいか否かは、裁判所自らが決定する義務があると考えました。正義への近道はなく、申立人は権利を侵害していると申し立てた各ドメイン名に対して、時間と労力のかかる手続きを実施しなければならないと判断したのです。したがって同裁判所は、この申し立てを却下しました。

オンライン市場の登場により、新たな一連の課題が生じています。新たな法的問題に対処するために、法原則および法理学を発展させる必要があります。

Manisha Singhは、LexOrbisのパートナーであり、Anirudh Aroraは、シニアアソシエイトです。

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