中国・インドの巨大ライフサイエンス産業を形作りつつ進化する法制度の比較。
中国におけるライフ サイエンス 特許の新たな保護措置について
中国の「2021年特許法」は、米国モデルと同様のパテントリンケージ制度、特許期間延長(PTE)、特許期間調整(PTA)など、ライフサイエンス特許保護に大きな変化をもたらしました。さらに、同法は中国の知的財産権当局に特許侵害紛争を処理する権限を与える、独自の執行メカニズムである「重大な専利侵害紛争裁定」(以下「重大紛争」)を導入しました。これらの改革は、中国におけるライフサイエンス特許保護の強化を目的としており、医薬品の技術革新に一層の重点を置く同国の方針に沿ったものです。
制定から3年という節目を迎えるにあたり、本稿ではこれらの立法要素に関する最新情報と実践的な見識を提供します。
パテントリンケージ
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米国のハッチ・ワックスマン法の枠組みを概ね反映しているものの、中国のパテントリンケージ制度はいくつかの重要な点で異なっています。これには、デュアルフォーラム、承認停止期間の短縮、最初のジェネリック医薬品への(米国より)長い独占期間の付与、生物製剤の限定的保護などが含まれます。初期のケースで、これらの問題が実際にどのように展開したかが明らかになっています。
デュアルフォーラム 通常の特許侵害紛争と同様に、中国はリンケージ紛争についても、北京知識産権法院(北京IP裁判所)での司法手続きと、中国国家知識産権局(CNIPA)での行政手続きという2つの紛争解決手段を提供しています。裁判に比べて行政訴訟の期間が短い(3カ月~6カ月)ことから、多くの人は CNIPA がリンケージ紛争の優先的な裁定場所になると予想しています。
承認停止期間の短縮 中国の制度では、リンケージ紛争による規制当局の承認停止期間は9カ月であり、米国の制度における30カ月の停止より大幅に短いものです。CNIPAでの決定は通常9カ月以内に終結し、裁判はそれ以上かかることが多いため、北京IP裁判所よりもCNIPAを選択する状況に、さらに拍車がかかります。
課題 中国の制度では、リンケージ紛争は、略式新薬申請(ANDA)が特許請求の範囲に含まれるか否かを取り扱います。CNIPAはこれを狭義に解釈し、第一三共対揚子江薬業の事件(2022年)で決定されたように、非侵害の抗弁に対処することを拒否しています。しかし、最高人民法院の司法解釈によれば、被告は裁判においてこれらの問題を提起することが認められています。このことからも、特許権者が裁判所よりも CNIPA を好むようになりそうです。
選択に関する統計
CNIPAが北京IP裁判所よりも好まれていることは、統計によって確認されています。2024年3月15日までに、CNIPA は76件のリンケージ紛争の決定を開示しており、その平均審理期間は 6.1カ月でした。これに対し、北京IP裁判所は43件のリンケージ訴訟の判決を公表し、平均審理期間は7.7カ月でした。
すべての決定が公表されるわけではありませんが、これらの数字は、予想された裁定場所の選択と状況が一致しています。注目すべきは、裁判の平均審理期間7.7カ月は、すでに通常の特許侵害訴訟よりも速いのですが、有効な判決がなされた場合にのみ停止が発動されるということです。
中国は二審制を採用しており、一審判決は確定ではないことに留意するのが重要です。そのため、ほとんどの裁判では9カ月以内に有効な判決が出る可能性は低く、その結果、特許権者は、たとえ裁判手続きによるリンケージ訴訟で有利な結果が得られたとしても、ジェネリック医薬品の販売を阻止することができないのです。
最初のジェネリックの独占権
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最初のジェネリック医薬品の独占権は、ジェネリック医薬品にとって重要なインセンティブとなり、制度内の利害のバランスをとっています。中国では、12カ月間の市場独占期間が設けられており、これは米国での独占期間180日間の2倍にあたります。
しかし、中国はこの利益を得るための基準を引き上げています。規制当局の承認を受けて、特許への異議申立に成功した最初のジェネリック医薬品のみが12カ月間の市場独占権を享受できるのです。この規則は、特許への異議申立を成功させるには、ジェネリック側が特許を無効化できることが必要であると規定しています。パテント医薬品のコンセプトを利用して再設計に成功したようなジェネリック医薬品は、独占権を受ける資格がありません。
つまり、この恩恵を受けるためには、最初のジェネリック医薬品が他のすべてのジェネリック医薬品のために道を切り拓く必要があるのです。2024年1月2日、Chia Tai Tian Qing 社のエベロリムスは、12カ月の市場独占権を持つ承認を取得し、この恩恵を受けた最初の、そして現在までのところ唯一のジェネリック医薬品となりました。
このような大きな負担が、ジェネリック医薬品の特許薬への挑戦を抑制し、制度が十分に機能しなくなるとの見方もあります。2024年3月15日までに合計7991件の特許認証が申請されており、その内訳は化学医薬品が7923件、生物製剤が67件、漢方薬が1件でした。タイプIVの認証は408件のみで、全認証の5.1%を構成しています。
生物製剤
米国の制度とは異なり、中国のリンケージは化学医薬品と生物製剤の両方を対象としていますが、生物製剤に対する保護は限定的です。生物製剤の場合、先発品は特許を登録でき、バイオ後続品の出願者は特許認証を申請しなければなりません。ただし、リンケージ紛争ではバイオ後続品の薬事審査を停止せず、バイオ後続品が市場独占権を得ることはありません。
さらに生物製剤の特許登録は、より限定的です。化学医薬品の場合、対象となる特許には原薬特許、医療用途特許、製剤特許が含まれますが、生物製剤の場合は配列特許と医療用途特許のみが認められています。
このような制限を考えると、現在の制度で生物製剤がどれだけ効果的に保護されているかは不明です。
特許の通知
ジェネリック医薬品に明確な通知義務がある米国の制度とは異なり、中国の制度では状況があまり明確ではありません。規制では、ジェネリック医薬品側には略式新薬申請が受理されてから10日以内に、先発医薬品側にタイプIVの認証取得を通知することが義務付けられていますが、違反した場合の結果や、違反した場合の先発医薬品側の救済措置に関しては、明確なガイダンスがありません。初期の判決はこの問題を取り上げていましたが、救済策を示すことはできませんでした。
中外製薬対温州海和(2022年)の事件では、ジェネリック医薬品側がリンケージ訴訟の開始後まで、先発医薬品側への通知や適切な技術文書の提供を怠っていました。最高人民法院は温州海和を批判しましたが、制裁は課しませんでした。したがって、先発医薬品側はジェネリック医薬品側からの通知だけに頼るのではなく、リンケージ制度を積極的に監視しなくてはなりません。これを怠ると、リンケージ訴訟を予定通りに開始する機会を逃すことになりかねません。
公表事例
パテントリンケージ紛争で公表された判決を見ると、製剤特許と医療用途特許が訴訟対象として最も多くなっています。しかし、先発医薬品側の成功率は低く、CNIPAの事例で勝訴したのは3分の1以下、裁判ではさらに少なくなっています。先発医薬品側が直面する課題には、無効化請求、再設計、ならびにスイス型使用特許の解釈などの法的障壁があります。中国での裁判に勝つためには、中国特有の問題に合わせた周到な戦略を練ることが重要です。
PTAおよびPTE
中国の2021年特許法では、PTAおよびPTEが導入されました。しかし、2024年1月20日に「2023年特許法実施規則」と「2023年特許審査基準」が公表されるまで、詳細な実施策は制定されませんでした。
これらの対策は、PTAとPTEの具体的な要件と計算方法を概説しています。多くの国際的な製薬会社にとって残念なことに、この規則では、PTEが適用されるのは、中国での販売承認を申請する時点で、世界のどこにも上市されていない新薬に限られています。これでは、他国ですでに発売されている多くの革新的医薬品は除外されることになります。
重大紛争
2021年特許法は、CNIPAが全国的に大きな影響力を持つ特許侵害紛争を扱うことを可能にしました。裁判所の判決と比較して、重大紛争の主な利点はその期間が短いことです。
CNIPA は、訴訟提起から3カ月以内に最終決定を下すことになっています。この決定は、上訴された場合でも、発行と同時に強制力を持ちます。対照的に、裁判手続きは遥かに時間がかかり、第一審の手続きは6カ月から12カ月続き、さらに6カ月から9カ月かかる第二審の判決まで強制力を持つことがありません。
重大紛争における救済措置は全国的な差止命令であり、損害賠償はありません。この重大紛争の方式は、特許侵害紛争において迅速な差止命令の確保を第一の目標とする製薬各社から、大きな注目を集めています。
同規則では、重大紛争として認定されるための閾値条件を以下のように定めています:
- 多額の経済的利益を伴う
- 産業全体の発展に影響を与える
- 複数の省レベルの管轄権が関与している
- 他にも重要な影響がある可能性を有する
これらの条件は一般的に定義されており、より具体的なガイダンスを提供しているのは、このリストに記載された内容のみです。
これまでのところ、CNIPAが下した決定は1件のみで、それはわれわれ執筆者のチームが担当した紛争です。当チームは、製薬会社であるクライアントに代わり、中国全土の20以上の省でコピーされ販売されていた重要な医薬品について、CNIPAに第1群の訴訟を提起しました。申請から数カ月以内にCNIPAは侵害決定を下し、事実上そのジェネリック医薬品の全国販売が停止されました。
この成功は、中国における特許訴訟において重要なマイルストーンとなり、CNIPAがジェネリック医薬品の市場シェア低下を防ぐ有効なメカニズムであることを実証しました。CNIPAで迅速な差止命令を求めて大規模な訴訟を起こし、その後、民事裁判で損害賠償を求めることは、製薬会社にとって中国市場での利益を守るための効果的な戦術となり得ます。
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インドのライフサイエンス法が目指す微妙なバランス
インドのライフサイエンス関連法には、医薬品、医療機器、バイオテクノロジー、ヘルスケアに関する規定が設けられており、患者や消費者の保護と製品の品質、有効性、安全性の確保が図られています。これらの規制は法的問題の防止と社会的信頼の維持を目的としており、規制の対象には、マーケティングと広告、知的財産権、価格と支払い、臨床試験のコンプライアンスが含まれます。
対象の分野では、医薬品製造施設の建設や購入、健康・美容製品用の特殊原料の輸入、健康食品・サプリメント・栄養補助食品の販売、生体利用・生物学的同等性・栄養補助食品の臨床試験の実施に関して、法律およびビジネスの面で独特な課題があります。
インドのヘルスケアセクターの規模は、2022年には約3700億米ドルでした。コンサルティング会社のNexdigmは、2026年までにヘルスケアセクターの収益は6100億米ドルに達すると予測しています。
保健家族福祉省(MoHFW)は、2023年~24年度連邦予算において、107億6000万米ドルを割り当てられました。政府はまた、医療機関のインフラ強化のため、60億米ドルの融資奨励プログラムを導入しています。
インドはまた、医薬品の価格設定、マーケティング、臨床試験、バイオ後続品の承認、医薬品・原料の輸出入、安全性と有効性、価格について、広範な規制を設けています。これらの規則は世界中の医薬品の経済的な価格での流通とへルスケアの進歩を支え、約14億5000万人のインド国民に貢献しています。
政策と規則
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インドのライフサイエンス業界は、1940年医薬品・化粧品法(D&C)による規制を受けており、輸入・製造・流通・販売される医薬品の品質の保証が図られています。
医薬品の価格設定は、2013年医薬品(価格統制)令〔Drugs (Prices Control) Order〕によって規制されています。また、1954年医薬・呪術的療法(奇異広告)法〔Drugs and Magic Remedies (Objectionable Advertisements) Act〕は治療に関する請求について規定しています。
2002年競争法では、サプライヤー、メーカー、利害関係者の反競争的行為が規制されています。消費者保護法(CPA)は、差別的商慣行の禁止や製造上の欠陥に対する製造物責任について規定しています。また、1970年特許法には常緑化(既存の特許に改良を加えて特許による独占を長引かせること)を禁止する規定が、1999年商標法には商号保護に関する規定が設けられています。
環境関連の法令には、環境影響評価の義務付け、産業の拡大の制限、固形廃棄物や有害廃棄物の管理に関する規制が定められています。
ビジネスチャンス
医療機器、デジタルヘルスケア、医療機関インフラは、ライフサイエンスと密接に関連しています。医療ツーリズム関連の輸入が増加しており、それによってヘルスケア業界には90億米ドル規模の市場が生まれています。政府は最近、投資と国内生産を促進し、このセクターの輸入を最小限に抑制するため、医療機器製造業界に生産連動型インセンティブ制度(PLI)を導入しました。
インドの一次・二次・三次医療は、公的医療機関と民間医療機関が担っています。民間医療機関による医療サービスは、毎年15%のペースで増加すると予想されています。専門家の予測によると、ヘルスケアセクターは2032年までに少なくとも5.75%成長し、その市場規模は1550億米ドルに達する見込みです。
バイオテクノロジーやバイオ医薬品業界が急速に成長する中、外資系企業に複数のビジネスチャンスが訪れています。インドのバイオテクノロジー業界には800社超の企業がひしめいており、その時価総額は世界全体で800億米ドルに上ります。
インドは委託研究、臨床試験、製造の中心地です。医療機器業界では多額の資金が必要であり、ラボ用器具・医療機器の再生品のベンダーには大きなビジネスチャンスがあります。高度医療施設では、これらの機器を補助的に使用しています。しかし、地元の病院や専門性の高くない医療施設では、再生品の方がコストが低いため優れていると考えられています。
2019年消費者保護法(CPA)では製造物責任に関する規定が設けられ、消費者にとって危険な欠陥製品・サービスについて、メーカー、小売業者、サービスプロバイダーが責任を課されることになり、消費者保護が厳格化・強化されました。これは、1872年インド契約法、1945年医薬品・化粧品法、1986年旧消費者保護法などに含まれる製造物責任に関する法規に置き換わるものです。
注目すべき変更点には、電子商取引に関する規定の拡充、虚偽広告に対する罰金の厳格化、著名人による推奨の制限などがあります。医療過誤の申し立てを防ぐためにも、企業はこれらの規定に準拠する必要があります。企業が加入を義務付けられている保険の補償内容の変更が予定されています。
規制を受けない医療機器が流通していることを受け、2018年に施行された医療機器規則(MDR)では一部の医療機器が「医薬品」に分類され、「警告」を発する権限が政府に与えられました。保健家族福祉省(MoHFW)はMDRにセクションIIIAを追加し、すべての医療機器をインド医薬品総局に2021年10月1日までにオンライン登録することを義務付けました。
パンデミック以降、デジタル医療と遠隔医療は急速に発展してきました。最新の医療技術に加え、患者と病院を隔てる障害をスマートに低減する手法が普及しています。学者や関係者の間には、遠隔医療とAIへの期待が広まっています。
MoHFWとインド政府の公共政策シンクタンクであるNITI Aayogは先般、遠隔医療ガイドラインを公表しました。国家医療委員会(旧インド医療審議会)は、資格を持つ医師による遠隔診療に対する規制を統括しています。
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2022年7月、MoHFWは、1940年医薬品・化粧品法に代わるものとして、ソフトウェア、体内埋め込み型機器、器具を含む医療機器管理の監督について規定する新医薬品・医療機器・化粧品法案(New Medication, Medical Devices and Cosmetics Bill)を公表しました。同法案では、これらの機器は「医薬品」に分類されます。その主な目的は、医療機器、医薬品、化粧品の安全性・有効性の向上と国際基準への適合です。
同法案が国会の承認を経た後、それに基づき医薬品、医療器具、化粧品に関する規制が実施されることになります。
2023年5月、インドは国家医療機器政策の実行を開始しました。その目的とは次のようなものです。
- 優れた医療機器への普遍的なアクセスを保証する
- 手の届く価格を実現するため、国内の製造能力を強化する
- 製品の品質と国際競争力を向上させる
- デバイスの活用拡大により、より健康的な生活様式を広める
- セクターのイノベーションを促進する
- 適時の検知と的確な治療により、臨床転帰を向上させる
簡明化された規制によってインフラ、研究開発、イノベーションへの投資が促され、セクターの成長につながると考えられます。
医療機器規則(MDR)は、国内における医療機器の臨床調査、製造、輸入、販売、流通について規定しています。2017年MDRでは、広範な種類の体内埋め込み型機器が規制の対象になっています。2022年1月、政府はすべての医療機器メーカーに対し、ISO13485認証の取得と中央医薬品標準管理機構への正式な製品登録を義務付ける命令を発出しました。
医療機器と体外診断用医薬品の製造と監督には、これらの基準の厳守が求められます。医療機器の登録は、以前は任意制でした。医療機器登録は、クラスAおよびクラスBの機器については2021年10月から、クラスCおよびクラスDの機器については2022年9月から義務付けられています。
2021年6月、インド医療機器産業協会とインド品質評議会は2016年インド医療機器認証制度を拡張し、インド認証プラス(2021年)による手法を追加しました。
この斬新な技術は、医療機器の品質、安全性、利点の検査に用いられ、政府機関による偽造品・偽造証明書の摘発に役立ちます。規則改正により、輸入および製造に関するライセンスの再承認制度は廃止されました。
心臓ステントと膝関節インプラントの価格は、2017年に最大70%制限されました。2020年には、医療、歯科、外科、動物用機器に5%の健康従価税が導入されました。
医薬品局は2022年2月、国内で製造されていない重要な医療技術製品を患者がより広く利用できるようにするため、2017年インド調達令(India’s Procurement Order)を改正しました。
国家医薬品価格局(NPPA)は2021年6月、6つの医療製品の価格に上限を設定しました。これには酸素濃縮器、血糖値モニター、血圧計、パルスオキシメーター、ネブライザー、デジタル体温計が含まれます。NPPAは価格制限を正当化するため、生産者のコストと患者への販売価格の差に着目した販売利益の合理化(trade margin rationalisation:TMR)というアプローチを取っています。
医療サービスの価格を引き下げ、患者が利用しやすくするため、NPPAは2018年に医療機器と医薬品に対してTMR政策を実施しました。
政府は、コスト削減と患者の利用可能性向上のため、特許製品を含む重要な医薬品の販売利益の削減に動いています。このTMRに基づく措置は、抗生物質、がん治療薬、慢性腎臓病治療薬を含む139品目を対象に開始されました。
2020年6月、産業・国内取引振興局は2017年公共調達令を改正し、現地調達率50%を達成しているインド企業の優遇を決定しました。政府の入札では、現地調達率が20%未満の「非現地サプライヤー」は除外されます。
2023年~24年度連邦予算では、知的財産権に15%の追加予算が割り当てられ、予算額は3840万米ドルから4010万米ドルに引き上げられました。
要点
規制政策や法令は、インドのライフサイエンスセクターに深く、複雑な影響を及ぼしています。
柔軟な規制や企業に有利な事業環境を作る戦略の実施は、イノベーションの促進や外国投資の誘致には有益であるものの、医薬品の入手しやすさ・購入しやすさという点では障壁になり得ます。
技術革新の促進、重要な医薬品の供給確保、国際貿易上の公約の遵守のバランスを取るよう常に努めることは、政策立案者にとって、挑み続けなければならない永遠の課題です。
インドが医薬品、バイオ後続品、バイオ医薬品の世界市場で競争力を維持するには、絶えず変化するライフサイエンスをめぐる状況やイノベーションに対応できるように、政策を修正していかなければなりません。
国民が必要とするものが進化し続ける中、これは特に重要になります。インドのライフサイエンス産業が進むべき道を決定するには、公衆衛生政策、イノベーション規制、知的財産権を通じた監視と保護、政府と産業界の協力の適切なバランスをとる必要があります。
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