独占禁止法機関のターゲットは、管轄区域によって異なります。このガイドでは、4つの興味深い地域における競争プラクティスに関して、最新の法務情報を提供します。
中国の独占禁止法制度を紐解く
世界最大の経済大国の一つである中国は、近年、独占的な行為への対応を強化し、企業に対する明確な指針を提供するために独占禁止制度の改善に努めてきました。本稿は著者の実務経験に基づいて、中国の独占禁止法制度についての紹介と洞察を提供します。
法制度
独占禁止法(AML)は、中国の独占禁止制度の根幹を成すものであり、適用範囲、禁止される独占的行為、罰則に関する主要な規則を定めた一般的な枠組みを提供しています。2008年に初めて制定され、2022年6月22日に改正AMLが公布されました。
これらの改正は、当局と企業の両方に対するより明確な指針と、独占的行為に対するより厳格な執行を求める声に応えるものです。AMLの主な改正点は、経済動向の進展に合わせたものであり、以下の点が含まれます。
- データやアルゴリズム、技術、資本の優位性、プラットフォームルールなどを利用した独占的行為への注目度の引き上げ
- ハブ・アンド・スポーク型協定に関する禁止事項と識別規則の確立
- 垂直的独占協定に対する「セーフハーバー」の導入
- 罰則の大幅な引き上げ
AMLの改正に続いて、2023年には5つの実施規定が発表されました。これらの規定はそれぞれ、独占協定の禁止、市場支配の濫用の防止、合併管理システムの改善、行政権力の濫用(行政独占)の防止、知的財産権の独占への対策に焦点を当てています。
さらに中国当局は、自動車、プラットフォーム経済、医薬品原薬(API)などの分野に対して詳細な規則とガイドラインを提供しています。
執行当局

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公的執行 2018年以前は、独占禁止法の執行は、国務院反独占委員会(SCAC)が3つの別々の当局を通じて主導していました。2018年の制度改革後、公的執行権は国家市場監督管理総局(SAMR)に統合されました。
独占禁止法の執行を強化するために、SAMRは地方市場監督管理局(地方AMR)に対し、行政区域内の独占協定、市場支配の濫用、行政独占の調査を行う権限を与えました。合併申請に関しては、北京、上海、広東、重慶、陝西の地方AMRが、選択された簡易な案件の合併管理審査を支援するよう試験的に委任されました。
民事執行 最近では、独占的行為によって被害を受けた企業が、自己防衛のために訴訟を利用するという意識が高まっています。2024年6月24日に発出された司法解釈によると、民事独占事件の第一審は、最高人民法院が指定した知的財産裁判所および中級人民法院に提起されます。
管轄区域に関しては、独占禁止紛争は、不法行為紛争や契約紛争などに適用される一般的な規則に従って、主に不法行為が行われた場所、結果が生じた場所、契約が締結または履行された場所、被告の居住地などの裁判所が管轄します。
独占的行為

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AMLは主に、独占協定、市場支配の濫用、競争を排除または制限する効果を持つ、または持つ可能性のある集中を規制しています。
また、行政独占も対象としており、行政機関または認可された組織による政策の発行前における公正競争審査制度を確立しています。企業は、政府による反競争的行為に対処するためにAMLを利用することもできます。
1)独占協定
原則として、AMLは競争者間の水平的独占協定を禁止しており、以下の行為が含まれます。(1)価格の固定または変更、(2)生産量または販売量の制限、(3)市場の分割、(4)新技術または新製品の制限、(5)他の企業のボイコット。
AMLはまた、2つの典型的な垂直的独占協定を特定しています。すなわち、再販売価格の固定と最低再販売価格の設定〔再販売価格維持(RPM)ともいう〕です。企業は、反競争的効果がないと示すことでRPMの主張に対抗することができます。
AMLはまた、地域や顧客の制限などの非価格垂直的協定も対象としていますが、これまでのところ、これら非価格の問題にのみ焦点を当てた判例はありません。非価格垂直的協定を禁止するためには、当局はその反競争的効果を証明する必要があります。
さらに、AMLにはセーフハーバーが導入されました。垂直的独占協定は、関与する企業の市場シェアが一定の閾値を下回り、当局が設定した他の条件が満たされている場合には禁止されません。セーフハーバー・ルールを適用するための正確な市場シェアの閾値や他の条件はまだ明確にされていません。
独占協定の組織化や実質的な支援もAMLの下で禁止されており、ハブ・アンド・スポーク型協定もその範囲に含まれます。ハブ・アンド・スポーク型協定は、通常、供給者が複数のディーラーと価格を設定し、統一された価格をもたらす場合など、垂直・水平双方の関係を含みます。このような行為も、独占協定の締結や実施と同様の罰則の対象となります。
2)市場支配の濫用
濫用の前提になるのは市場支配の存在です。AMLは市場支配を判断するための要素を概説しており、関連市場におけるシェア、販売市場または投入市場に対する支配力、資金力や技術力、他の企業の依存度、市場参入などが含まれます。市場シェアは最も直感的な要素であり、AMLはシェアに基づいて支配力を推定するための規則を提供しています。
典型的な濫用行為には以下が含まれます。
-
- 不当に高い価格での販売、または不当に低い価格での購入
- コストを下回る価格での販売
- 取引の拒否
- 排他的取引
- 抱き合わせ販売、または不合理な条件を課すこと
- 差別的な取り扱い
3)合併申請

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AMLによれば、集中が売上高の閾値を超える場合、合併の事前申請が提出されなければなりません。
具体的には、株式または資産の取得、新しい合弁事業の設立、契約またはその他の手段による支配の取得はすべて、合併管理規制の対象となります。売上高の閾値は主に、集中に関与する企業の前会計年度における連結売上高、または各グループの売上高を考慮しており、以下の通りです。
- 世界売上高が合計で120億人民元を超え、かつ中国国内の少なくとも2つの企業の売上高が8億人民元を超える場合
- 中国内の合計売上高が40億人民元を超え、かつ中国国内の少なくとも2つの企業の売上高が8億人民元を超える場合
中国当局は、売上高の閾値を下回る取引であっても、反競争的効果があると考えられる場合には、取引当事者に申請書の提出を要求することがあります。
罰則
企業がAMLに違反していると認定された場合、当局はその違反行為を停止するよう命じ、違法な利益を没収することがあります。企業と責任者は、以下をのような重大な罰金を科される可能性があります
- 独占協定、市場支配の濫用、違法な集中に対する罰金は、前会計年度の売上高の最大10%
- 深刻な状況が存在する場合、罰金は上記の金額の最大5倍
- 個人には最大100万人民元の罰金が科され、調査を妨害した場合には刑事責任も問われる可能性がある
確約制度は、水平的独占協定、垂直的独占協定、市場支配の濫用の一部に適用されます。確約制度の下では、企業はその行動の結果を是正するための具体的な措置の実施を確約し、すべての確約が履行された場合、当局は調査を一時停止または終了することがあります。
中国の進化する独占禁止制度は、公正な市場競争の必要性に沿ったものです。企業はAMLを戦略的ツールとして活用して、自らの利益を保護し、事業成長を促進することが重要です。

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インドネシアの独占禁止法違反審査についての批判的考察
インドネシアにおいて独占禁止行為を規制する主な法律は、独占的行為及び不公正な事業競争の禁止に関する法律1999年法律第5号〔雇用創出についての法律代替政令2022年第2号(法律2023年第6号で法律化)で最終改正〕で、一般にインドネシア独占禁止法(IAL)として知られています。

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IALは、1998年にインドネシアを襲った通貨危機の直後、ドイツの独占禁止法の要素や、国連貿易開発会議(UNCTAD)により発行された国際公認基準を採り入れて制定された法律です。
IALの条項の中でもとりわけ主要となるのは、カルテル、排他的協定 (closed agreement)、垂直統合、優越的地位の濫用などの、競争や不公正な商慣行を制限する協定と行為の禁止、さらに合併の規制です。
独占禁止法の監督機関として、IALは事業競争監視委員会(Komisi Pengawas Persaingan Usaha/KPPU)の設立を義務付けています。これはインドネシア共和国大統領に対して直接責任を負う政府機関です。KPPUは、企業競争を監督し、調査や、反競争的行為で有罪とみなされた企業に罰金・その他の形態の罰則を課することを通じて、法律を執行する広範な権限を持っています。
制定を急いだために、IALは、インドネシアの急速に進化する経済状況や、複雑な独占禁止問題に十分に対処していないとの批判に直面しています。規制上のギャップを埋めるために、KPPUは折に触れてKPPU規則やガイドラインを発行してきましたが、これらはインドネシアの法的階層においてどのように位置づけられるのか、現場の実務家からは疑問視されてきました。それでもなお、これらの規則やガイドラインは、一般に日常業務の参考基準として受け入れられ、活用されています。
本稿では、KPPUによって裁決されたいくつかの重要な事例を取り上げ、排他的協定やカルテルに関する見解や解釈を解説し、特にこれらの事例において、規制とのギャップに対してKPPUがいかに対応しているのかに焦点を当てます。また、合併後のアプローチに適用されるIALの下での合併規則ルールについても簡単に説明し、政府によるIALの改正計画の動向についても触れていきます。
重要な事例におけるKPPU

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排他的協定 IALの第15条は、排他的協定、抱き合わせ協定、値引きに関する垂直協定など、他の当事者が同様の取引を行うことを妨げる協定を禁止しています。
2006年、インドネシア最大規模のセメントメーカーに関して、注目すべき事例がありました。KPPUは、このセメントメーカーが販売業者のコンソーシアムを設立したことを違法と判断しました。セメントメーカーはこのコンソーシアムを通じて、販売業者が他のメーカーの製品を取り扱うことを制限し、指定された顧客や地域にのみへの販売に限定しました。
KPPUは、この行為がIAL第15条第1項に違反していると判断しました。この条項は、企業が買い手に対して特定の関係者、および/または特定の地域に商品を供給、または、そうでなければ再供給しないように強制、または制限することを明確に禁止しています。
セメントメーカーは最高裁判所レベルまで控訴しましたが、インドネシア最高裁判所はそれを棄却し、セメントメーカーがIAL第15条第1項の規定に違反したというKPPUの判断を支持しました。
この観点は、特に複数の販売業者が関与する事例と深く関連します。例えば、販売店レベルでの同一ブランド内の競争を避けるために独占販売契約を結ぶことは、ビジネス上、賢明である場合もあるからです。一部の専門家も、独占販売協定が着実な流通を実現し、コストを削減し、結果として効率性を効果的に向上させると指摘し、この見解を支持しています。

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これらの懸念を認識した上で、KPPUは2011年、KPPU規則第5号に基づく排他的協定についてのKPPUガイドラインを発行することで、合理の原則に基づくアプローチを採用する方向への転換を示唆しています。そのガイドラインによれば、IAL第15条に基づいて排他的協定を審議するために、合理の原則に基づくアプローチがより賢明であるとKPPUは示しています。
カルテル IALの第11条とKPPUにより発行された実施規則は、カルテルに関する一般的な規則を定めています。すなわち、(1)価格協定(IAL第5条)、(2)市場分割(IAL第9条)、(3)集団ボイコット(IAL第10条)などです。
実際、カルテルはKPPUによって「最も積極的に調査された事例」の一つであり、2003年~23年の間に、KPPUのデータベースには20件以上のカルテルの事例が記録されました。
カルテルの存在を証明することは、KPPUが直接証拠にのみに依拠することを義務付けているIALの厳格な要件のために、KPPUにとって困難なことです。しかし、2017年の重要な事例では、KPPUは幹部会議を通じた当事者間のコミュニケーションや価格平行性につながる協調行動は、価格操作の確固たる証拠と見なされるべきと主張しました。
批判に直面しながらも、KPPUはその立場を堅持し、状況証拠に基づいて、関与した企業を価格操作で有罪であると判断しました。KPPUの判断は最高裁判所に支持され、状況証拠の使用がインドネシアの裁判所で受け入れられた最初のケースの一つとして位置づけられました。
この事例を受けて、カルテル事件を含む競争事件を取り扱うに当たり、KPPUはその規制を通じて、経済的証拠(すなわち、定量的および/または定性的データ処理方法によって裏付けられる経済的な仮説を用いること)、またはコミュニケーションの証拠(すなわち、会議やコミュニケーションの内容を説明するか否かを問わず、会議やコミュニケーションを行うこと)にかかわらず、状況証拠の許容を引き続き認めています。
このため、間接的な証拠に依存することが重要な問題を引き起こす可能性があると信じる実務家や学者からは、多様な反応が寄せられています。例えば、市場における価格平行性のパターンは、意図的な価格操作協定によるのではなく、むしろ純粋なビジネスの競争によって自然に発生する可能性があります。
法律上・財務上の潜在的な問題を回避するためには、企業は慎重に行動すべきであり、他企業とコミュニケーションをとる場合、それが同業者による集会であっても、たとえカジュアルな交流であっても、事前に現地の弁護士にアドバイスを求めるべきです。
合併規制
他の多くの法域とは異なり、インドネシアでは、オフショア合併や資産(土地や工場などの有形資産、知的財産権や消費者データなどの無形資産の両方)の譲渡に対して適用される、強制的な合併後の届出要件が義務付けられています。
合併後の届出義務は、非関連当事者が関与している場合、支配権の変更が生じる場合、インドネシアにおける資産および/または売上が一定の閾値を超える場合、またはすべての取引当事者がインドネシアに資産および/または売上を有する場合など、特定の条件が累積して満たされた場合にのみ発動します。
届出は合併の発効日から30営業日以内に、KPPUに提出する必要があります。期限を守らない場合、多額の金銭的罰金が科される可能性があります。したがって企業は、この強制的な合併後の届出要件を効果的に処理するために、現地の弁護士を雇うことが不可欠となります。
新しい独占禁止法案
新しい独占禁止法案が、現在、議会で審議されています。この法案は、既存のIALに代わって合併前届出制度を導入するものです。いつ法律が施行されるのかの時期は未確定ですが、関係者は現在の取引に影響を与える可能性のある潜在的な変更について、注意を払う必要があります。
この法案は、合併前の反競争的な慣行の検出の強化をねらったものですが、これにより合併プロセスが潜在的に遅延し、買収対象企業の評価に影響があるのではという根強い懸念が残されています。

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外資系企業に対する日本の反トラスト/競争法の法執行
日本の競争法(反トラスト法)は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」であり、英語では一般に「Antimonopoly Act」〔「AMA」(独占禁止法)〕と略される。しかし、「独占禁止」の側面はほとんど法執行されておらず、法の名称と法執行の実態は一致していない。AMAは1947年に制定され、公正取引委員会(以下「公取委」)は外資系企業に関係する事例も含め、法執行経験を積み重ねてきた。
AMA(独占禁止法)の規制タイプ

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AMA(独占禁止法)は主として以下の種類の規制で構成されている。
(1) 「不当な取引制限」:談合やハードコアカルテルを含む水平的制限を禁止するものである。違反した場合、(a)個人・法人に対する刑事罰(懲役・罰金)、(b)排除措置命令、(c)売上高の10%に相当する行政処分としての課徴金納付命令の対象となる。また、違反は、被害者による民事訴訟の対象となる。
(2) 企業結合規制(又は企業結合届出):一定規模以上の株式取得、合併、会社分割、事業譲渡を行う場合、事前に公取委に届出書を提出し、最長30日間の待機期間が終了するまでクロージングを行うことができない。公取委が30日以内に審査を完了しない場合、公取委は90日間の第2次審査を開始することができる。
(3)垂直的取引制限を規定する「私的独占」と「不公正な取引方法」(優越的地位の濫用を除く):なお、私的独占のみが刑事罰や行政処分としての課徴金納付命令の対象となるが、私的独占と不公正な取引方法の法的構成要件は大部分が重複している。私的独占と不公正な取引方法は、他者排除、流通取引過程の制限、略奪的な価格設定などを規制するものである。また、被害者による民事訴訟の対象にもなる。
(4)「優越的地位の濫用」規制は、垂直的取引相手の搾取を制限し、弱い立場の企業を保護することを目的としている。この条項は、市場シェアの高い企業(例えば、支配的地位を持つ企業)だけに適用されるのではなく、相手方に対して相対的に優位な地位にある場合にも適用される。下請法やフリーランス保護法も、優越的地位の濫用の法執行を支援している。
法執行の特徴

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判例の積み重ねによって発展してきた米国やEUの競争法理論に比べ、日本の判例はAMA(独占禁止法)の解釈を確定させるにはまだ不十分である。そのため、AMA(独占禁止法)の適用基準も十分に議論されておらず、例えば「明白な違法」(per se illegal)という類型は日本には存在しない。
AMAは公取委(独占禁止法)が法執行する行政法として発展したものであり、公取委の各種ガイドラインはAMA(独占禁止法)の法執行を理解する上で極めて重要である。日本では、3倍賠償、集団訴訟、損害賠償の推定規定がないため、民事訴訟は活発ではない。
不当な取引制限に対しては、個人や法人に対する刑事罰があるが、AMA(独占禁止法)の歴史上30件程度の事例しかない。近年、公取委に自発的に違法行為を申告した場合、罰金や刑事罰を免除するリニエンシー制度(米国のアムネスティ、EUのリニエンシーに類似)が導入され、上手く機能しているようである。
日本のリニエンシー制度の特徴の一つは、公取委に自発的に通報した者のうち、第一番の通報者以外の者(第二番の通報者、第三番の通報者等)であっても、公取委への協力の度合いに応じて一定の課徴金減免措置が受けられることである。
日本では、企業結合届出に関する具体的なガンジャンピング規制はないが、不当な取引制限や待機期間違反とみなされる可能性がある。市場占有率の高い企業結合は30日の待機期間では審査できないので、正式な届出前に公取委と事前協議を開始するのが通例である。公取委の担当者は柔軟であり、企業側は企業結合届出に際し積極的に交渉を行うべきである。
優越的地位の濫用は、米国には存在しない制度であり、また日本ではEU機能条約102条とは異なる発展を遂げてきた。重要な点として、公取委は2010年代以降、優越的地位の濫用に関する命令を正式に出すことを止めている。
その代わりに、公取委は「確約手続」と呼ばれる、企業が自主的に問題を解決し、公取委は違法行為を認めないという形の和解を結んでいる。また、公取委は最近、違法行為があった可能性があるとして企業名を公表している。
弁護士と依頼人間の秘匿特権は部分的に認められているが、完全には認められていない。公取委は黙秘権を付与しておらず、取調べへの弁護士の同席も認めていない。立入調査において弁護士ができることは限られているが、重要なポイントは、弁護士を通じて公取委の調査範囲について効果的に交渉することである。
公取委にはAMA(独占禁止法)に関する事項について企業からの相談を受け付ける相談指導室が設置されており、外資系企業を含む企業は、公取委に対し、ビジネススキームにおけるAMA(独占禁止法)の懸念事項について、秘密保持の上で相談することができる。また、毎年発行される「相談事例集」は、解釈指針として有用である。
2023年の独占禁止法の法執行

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公取委は、2023年度の公取委の法執行の状況を以下のとおり報告している。
公取委は、18事業者に対して4件の排除措置命令を出し、5件の確約計画を和解として承認し、3件の警告-価格カルテル、受注調整、不公正な取引方法-を発し、3件の注意・調査打ち切りを公表した(2件は優越的地位の濫用、1件は競争者に対する取引妨害)。
公取委が課徴金納付命令(罰金又は罰則)を出したのは16事業者に対してであり、総額は2億2340万円であった。これは過去と比較して極めて低水準である。
2023年のリニエンシー申請件数は156件で、COVID-19以前の約2倍であった。
最近の立法とガイドラインの動向
フリーランス保護法
フリーランスは交渉力が弱く、不利な条件での事業運営を強いられることが多い。フリーランス保護法は、優越的地位の濫用を防止するための特別法として制定され、2024年11月に施行される予定である。内容は、契約書の作成義務、支払期日を不当に遅らせることの禁止、突発的な契約の制限、育児への配慮などである。
「グリーン」ガイドライン
公取委は、2023年にいわゆる「グリーン」ガイドラインを制定し、2024年4月に改定した。「グリーン」ガイドラインは、温室効果ガス排出削減のための取り組みを促進するもので、そのような取り組みが違法とされる場合と、これまで不当な取引制限と考えられていた水平的競争者間の協業が適法とされる場合について説明している。
スマートフォン・ソフトウェア競争法
スマートフォン・ソフトウェア競争法は2024年6月12日に制定され、2025年12月19日までに施行される予定である。
同法は、特定スマートフォン向けソフトウェア(モバイルOS、アプリストア、ブラウザ、検索エンジン)及び一定規模以上の事業を行う事業者に適用される。同法は、指定事業者に対し、一定の行為の禁止(禁止事項)と一定の措置の義務付け(遵守事項)を定めている。主な禁止事項と遵守事項は以下のとおりである。
- 他の事業者によるアプリストアの提供を妨げないこと
- 他の課金システムの利用を妨げないこと
- 簡単な操作で初期設定を変更でき、ブラウザ等の選択画面が表示されること
- 検索においては、正当な理由なく、競合する他社のサービスよりも自社のサービスを優先してはならない
- 取得したデータを競合するサービスの提供に使用してはならない
- アプリケーション提供者は、OSが制御する機能を自己と同じ性能で使用することを妨げられてはならない
違反があった場合、公取委は指定事業者に対して排除措置命令又は違反に係る商品・役務の売上高の20%相当額の課徴金納付命令を発することができる。
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台湾公平交易法の改正に関する最新情報
台湾における競争制限や不公正競争行為は、主に台湾公平交易法(TFTA)と、それに関連する法律や判例によって規制されています。TFTAは、自由市場経済の原則と商業活動の促進、取引秩序の維持、消費者の権利の保護のバランスをとることを目的としています。TFTAの台湾の所管官庁である台湾公平交易委員会(TFTC)が規制する行為の種類には、協調行為(談合)、合併、その他の一般的な不公正競争の形態などが含まれます。
2022年以降、台湾立法院とTFTCは、TFTAと関連する法律を継続的に改正しており、そこには合併申請の閾値や手続き、協調行為に関する規制の範囲、その他、以下のような変更が含まれます。
(1)合併規制

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TFTAの第10条は、「合併」を買収と合併の両方を含むものとして定義しています。TFTAは合併行為を禁止していませんが、規定された閾値に該当する行為は事前にTFTCに報告する必要があります。
合併は一般的に許可されますが、TFTCが、反競争的な不利益がその合併の全体的な経済的利益を上回ると評価した場合、異議を申し立てることがあります。TFTCが法定の審査期間内に異議を申し立てない場合、関係する企業は合併を進めることができます。
2023年6月30日以前は、以下のような特定の種類の合併は、台湾公平交易委員会の結合届出案件に対する処理原則(結合届出原則)に従って、簡略化された申請手続きの対象となる場合があります。
(a)関係する企業の市場シェアが合計20%未満である水平合併
(b)関係する企業の市場シェアが合計25%未満で、参加企業の一つの市場シェアが5%未満である水平合併
(c)各関連市場における参加企業の市場シェアの合計が、市場全体の25%未満である垂直合併
(d)TFTCが関係する企業間に競争上の重大な潜在的懸念がないと判断したコングロマリット合併
(e)参加企業の一つが他の企業の議決権株式または資本出資の3分の1以上、2分の1未満を保有し、その企業と合併する場合の合併
規制の更新

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簡略化された申請手続きの範囲の拡大 2023年6月30日、TFTCは上記の結合届出原則の改正を発表し、簡略化された申請手続きの範囲を以下に拡大しました。
(a)台湾の管轄外で行われる合併で、取引額が25億台湾ドル(7690万米ドル)を超えない場合
(b)法定の市場シェア閾値に達したために合併申請が必要な場合において、合併が以下の基準のいずれかを満たす場合
(i)水平合併の場合、前会計年度の関連製品またはサービスの国内売上高が2億台湾ドルを超えない場合
(ii)垂直合併の場合、各参加企業の前会計年度の関連製品またはサービスの国内売上高が2億台湾ドルを超えない場合
(iii)前会計年度に合併企業の国内売上高がない場合
合併申請要件から除外される合併の種類の拡大 2023年6月28日、TFTCは「TFTA第11条第1項が適用されない合併の種類」の改正を発表し、台湾の管轄外で共同事業を設立または運営する外国企業が台湾内で経済活動を行わない場合、TFTAの下で合併申請要件から除外されることを規定しました。
合併申請が必要かどうかを判断するための基準として売上高を使用 2023年6月6日、TFTCはTFTAの改正案を発表し、合併行為の報告の閾値として市場シェアを設定する規定を削除することを提案しました。TFTA改正案が可決され施行される場合、合併の報告の閾値としては売上高のみが使用されることになります。
(2)協調行為
TFTAは、競争関係にある企業が、価格、取引、または商品に関連するその他のビジネス条件を設定する契約などの協定を通じて、共同で業務を拘束する行為を協調行為と定義しています。
TFTAは一般的にこのような協調行為を禁止していますが、特定の状況下では例外を認めています。協調行為がTFTA第14条に定められた基準を満たし、経済全体や公共の福祉に積極的に貢献する場合、TFTCは例外許可を与えることがあります。
規制の更新
協調行為の規制範囲の拡大 TFTA改正案は、協調行為の規制範囲を拡大し、競争関係にある企業との上流または下流の取引関係に関係なく、同じ生産・流通段階で活動を促進、または参加する第三者企業を含む規定を追加することを提案しています。
つまり、市場の供給と需要の機能に影響を与える可能性のあるビジネス活動を共同で制約する企業間の協定は、TFTAによって規制される協調行為の範囲に含まれる可能性があります。
(3)不適切な贈答品および賞品
現在、TFTA第23条は、企業がビジネスチャンスを得るために、不適切に贈答品や賞品を提供することを禁止しています。
TFTCが公布した「企業が提供する贈答品および賞品の金額に関する規則」によれば、企業が100台湾ドルを超える価値のある商品やサービスを提供する場合、贈答品の価値は「商品やサービスの価値の半分を超えてはならない」とされています。さらに、企業が開催する賞品提供活動の最大金額は500万台湾ドルを超えてはなりません。
規制の更新
不適切な贈答品や賞品の規定の削除 贈答品や賞品を含むプロモーション活動が新規参入者や新製品の市場導入に利益をもたらし、国際競争法は一般的にこのような活動に対して制限を少なくしていることを考慮し、TFTA改正案は市場の自由な運営を強化するために、この規定を削除することを提案しています。

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