日本における不動産の可能性に焦点を当てる

    By Hiroshi Niinomi、Koki Hara and Naoto Yamamoto、Nishimura & Asahi
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    (1)インバウンド投資

    外国投資家は長年にわたり、日本の不動産市場で重要な役割を果たしてきました。日本の人口減少が続く中、国家経済の成長を維持するためには、洗練された不動産市場を発展させ、インバウンド投資を呼び込むことがますます重要になっています。

    今後、日本政府は不動産開発において、インバウンド投資が重要な役割を果たすことに期待をしています。外国投資家が出資者となる取引のかなり多くのケースでは、特別目的会社(SPC)が、証券化構造による資金調達を利用して不動産を購入しています。

    本稿では、資産の種類別に、インバウンド投資向けの不動産市場について概要を説明します。

    ホテル

    Hiroshi Niinomi
    新家 寛氏
    パートナー
    西村あさひ法律事務所
    東京
    Tel: +81 3 6250 6523
    Email: h.niinomi@plus.nishimura.com

    ホテルアセットは、国内旅行の増加やインバウンド観光客数の回復により、投資対象として、パンデミックから大幅に回復しているようです。日経不動産マーケット情報によると、2022年には取引額上位10件にランクインしなかったホテル投資プロジェクトが、2023年には2件がランクインしています。

    この傾向に呼応するように、政府は最近、観光産業に対してより一層尽力し、焦点を当てています。政府は、地方の自然の美しさを観光資源として活用し、2031年までに、日本全国にある35カ所の国立公園すべてに高級リゾートホテルや、その他の施設の開発業者を誘致する方針を発表しました。

    オフィス

    否定的になるほど落ち込んでいるわけではありませんが、このアセットクラスへの投資は、2022年と同様に2023年もやや停滞しているようです。原因の一つには、空室率の上昇が挙げられます。

    それでもなお、欧米では金利上昇やパンデミック後のテレワークの普及によりオフィスビルの価格が急落している一方で、日本のオフィスビルの価格は比較的安定しており、これが安定した投資水準の背景の一つになっているようです。

    住宅

    住宅不動産への投資は、特に東京や地方の中核都市で増加しています。国内金利を含む市場環境がより不確実さを増す中で、このタイプの資産は比較的安定した運用が可能であるという特性から、注目を集めているようです。

    さらに、ニューヨーク、ロンドン、シンガポールなど、世界の他の大都市の家賃水準に比べて相対的に低い賃料であることから、一部の機会主義的な投資家は好機と捉えています。これらの要因が相まって、日本の住宅不動産への投資は着実に増加しているようです。

    物流

    Koki Hara
    原 光毅氏
    パートナー
    西村あさひ法律事務所
    東京
    Tel: +81 3 6250 6460
    Email: k.hara@plus.nishimura.com

    パンデミックにより、在宅勤務の普及や隔離措置の導入に伴うeコマースの拡大を背景に、物流資産への投資は大幅に加速しました。

    この傾向に従って、2023年は物流施設への投資は堅調に推移し、新たに多くのファンドが組成されました。上半期には、東京圏に最大の供給がなされ、拠点の集約や物流システムへの投資など、サプライチェーンの強化を目的とした取引が注目を集めました。

    データセンター

    クラウドコンピューティングの需要が高まる中、日本ではデータセンターの開発が進んでおり、このアセットクラスへの投資が増加しています。データセンターに関しては、土地の賃借権の段階で物件からの収益が発生しない場合、ノンリコース・ファイナンスを取得する際にハードルはあるものの、ジョイント・ベンチャーなどの他のスキームを通じて開発を行うことも可能です。

    この傾向を牽引しているのは、IT技術の急速な進歩と、社会がインターネットを介した情報処理にますます依存していることです。同時に、ITセキュリティへの懸念が高まり、安全なデータアクセスの確保は、多くの企業にとって不可欠なものとなっています。

    さらに、処理すべきデータ量が増加し続ける中、多くの消費者が独自のストレージシステムを構築する代わりに、クラウドサービスの選択・検討をしています。その結果、データセンターの普及が進んでいるのです。

    このようなデータセンターは一般に、十分な電力供給、温度管理された環境、厳重なセキュリティを備えたラックに顧客のサーバを収容し、クラウドサービスなどのITネットワークサービスや設備を提供しています。

    日本企業にとって、日本国内のデータセンターを利用することは、距離が短いことからデータ交換速度が速くなるため、多くの場合で有益になります。日本国内で一定数のデータセンターが必要とされる可能性があるため、データセンターの取引は増加すると予想されています。

    (2)再開発事業

    Naoto Yamamoto
    山本直人氏
    パートナー
    西村あさひ法律事務所
    東京
    Tel: +81 3 6250 6632
    Email: na.yamamoto@plus.nishimura.com

    アセットのタイプに加えて、再開発事業も日本の不動産市場における重要なセクターであり、都市再開発法に基づいて、数多くの開発事業が大都市圏で行われています。六本木、麻布、渋谷など、東京の主要な大都市圏での大規模再開発が該当します。

    同法の目的は、都市における土地の利用を促進し、都市機能の更新を図ることです。同法には、開発のプロフェッショナルであるデベロッパーの参加を可能にすることや、再開発による余剰床の権利の売却や、それらの権利をデベロッパーに割り当てることで事業費を賄うことなど、独自の特徴があります。

    このような特徴がなければ、小規模な土地や建物に関わるさまざまな権利者の利益を調整しながら、事業費を賄うことは困難であることから、再開発事業を進めるのは難しいでしょう。

    個人や地方自治体でも市街地再開発事業を行うことはできますが、多くの場合、再開発組合を活用します。手続きは一般的に以下の通りです。(a)都市計画決定、(b)事業計画の決定・認可、(c)重要な手続きである権利変換。これは既存の不動産の権利を、新たに再開発された不動産の権利に変換する手続きです。

    事業費の増加

    再開発事業における重要な課題の一つは、さまざまな要因による事業費の大幅な増加です。主な要因として、パンデミック後の物価上昇や円安による建設資材費の高騰、人材確保の難しさが挙げられます。

    建設業界は慢性的な人材不足に陥っており、同時に、働き方改革の一環として導入された残業の上限制限は、5年間の猶予期間を経て2024年4月1日から適用されています。

    労働力の高齢化と長時間労働も、人材確保を難しくする要因となっています。これらの要因が相まって、再開発事業の長期事業計画の策定を困難なものとしているようです。

    SPCスキーム

    近年、プロフェッショナルな請負業者やデベロッパーの参加だけでなく、TK-GKストラクチャーやTMKストラクチャーなどの不動産証券化ストラクチャーを活用して、事業費の一部を調達する事業が増加傾向にあります。

    特定目的会社(SPC)が再開発事業に関与する方法は、例えば、SPCが再開発組合に参加する、または再開発後の余剰床を取得するなど、いくつかあります。この場合、不動産流動化スキームと再開発事業の両方に関する知識が必要であるため、難易度は高くなります。

    TK-GKストラクチャーとTMKストラクチャーは、それぞれ金融商品取引法と資産流動化法によって規制されていますが、いずれも開発関連の法律や規制に直接関係しているわけではありません。

    例えば、事業計画の認可の際には、関係当局がSPCに対して、そのSPCの信頼性と事業への長期的な関与を保証する旨の、スポンサーからの支援書の提出を求める場合があります。

    注:関連法、所有権の種類、SPCスキームを含む不動産の所有権の構造、法務デューデリジェンスに関する具体的な事項については、ABLJに2023年に掲載された「不動産市場の地域比較:日本」をご参照ください。

    Nishimura & Asahi LogoNISHIMURA & ASAHI
    (GAIKOKUHO KYODO JIGYO)
    Otemon Tower, 1-1-2 Otemachi, Chiyoda-ku,
    Tokyo 100-8124, Japan
    Tel: +81 3 6250 6200
    Email: info@nishimura.com
    www.nishimura.com

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