台湾が2024年にESGへの取り組みを加速

    By Wei-Sung Hsiao氏 そして Chun-Wei Chen, Lee and Li、Attorneys-at-Law
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    新たに制定・改正された環境、社会、ガバナンス(ESG)規制を見れば、台湾の立法府は、他のすべてのESG問題よりも、炭素排出量削減とサステナビリティ開示を優先し、これら2つの課題に正面から取り組む決意であることは明らかです。

    台湾の主要なESG法である「気候変動適応法」は2023年2月15日に施行され、2050年をカーボン・ニュートラル達成の期限とし、その目標達成のためにカーボン・プライシング制度を確立しました。

    同法は、企業に炭素排出量の削減を奨励するために、政府が炭素税を徴収し、カーボン・クレジットや炭素費用の優遇料率などの経済的インセンティブを提供する権限を与えています。ESGの取り組みは今年、いくつかのポイントにおいて加速しています。

    カーボン・トレーディング

    Wei-Sung-Hsiao
    Wei-Sung Hsiao氏
    パートナー
    Lee and Li, Attorneys-at-Law
    台北
    Tel: +886-2-27638000 ext. 2192
    Email: wshsiao@leeandli.com

    国内のカーボン・クレジット取引に関する規制は2024年8月15日に施行され、台湾で初めての国内カーボン・クレジット取引プラットフォームの法的枠組みが整いました。10月2日の立ち上げ後、台湾環境部(MOE)によって承認されたすべてのカーボン・クレジットは、このプラットフォームで取引されることになります。

    工場の運営者や高層建設プロジェクトの責任者は、新たに発生する排出量や炭素税に対して、プラットフォーム上でカーボン・クレジットを購入したり、低炭素燃料の使用、ネガティブ・エミッション技術の採用、エネルギー効率の向上、再生エネルギーの利用、製造工程の改善などのカーボン・オフセット・プログラムを実施することで、カーボン・クレジットを獲得したりすることができます。

    炭素

    一方、炭素税の徴収に関する規制は2024年8月29日に制定され、カーボン・プライシングが現実のものとなりました。この規制の下、炭素税制度はまず、年間2万5000トン以上の二酸化炭素相当量を排出する企業を対象としています。台湾では281の企業が対象となり、計500の工場が相当します。

    炭素税率は2024年末に決定され、2026年から適用される予定です。排出削減プログラムを提案する企業は、MOEによって承認された場合に、優遇税率を受けることができます。

    サステナビリティ・レポート

    Chun-Wei Chen
    Chun-Wei Chen氏
    ジュニア・パートナー
    Lee and Li, Attorneys-at-Law
    台北
    Tel: +886-2-27638000 ext. 2145
    Email: chunweichen@leeandli.com

    台湾の上場企業と店頭公開(OTC)企業による、サステナビリティ実践についての透明性ある開示を促進するために、「サステナビリティ・レポート・ガイドライン」が2024年1月に更新されました。これにより、すべての上場企業とOTC企業は、2025年から国際的なグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)スタンダードに従って、「サステナビリティ・レポート」を作成する必要があります。

    また、サステナビリティ・レポートを作成する際には、サステナビリティ会計基準審議会(SASB)基準を適用することが推奨されています。さらに、2022年11月25日に改正された「公開企業のためのアニュアル・レポート・ガイドライン」では、法定基準を満たす公開企業はアニュアル・レポートにおいて、気候関連情報と温室効果ガス検査結果を、炭素排出量削減目標、戦略、アクション・プランとともに開示することを義務付けています。

    環境NGOからは、企業に炭素税を課す排出基準が依然として高すぎるとの批判はあるものの、台湾では、炭素排出量削減、企業のサステナビリティや気候関連情報の開示に関する法律は、より厳しいものになっています。企業は、炭素排出量や炭素税を削減するためにカーボン・オフセット/削減の措置を検討するだけでなく、以下の課題に備えることが推奨されます

    (1)漏れのないサステナビリティ情報の開示 サステナビリティ・レポートの提出が上場企業とOTC企業にとって法的義務となった現在、政府がいわゆる「グリーンウォッシング」に対して、より厳しく取り締まることが予想されます。法律の専門家は、サステナビリティ・レポートやアニュアル・レポートの一部にでも虚偽があると判断された場合、問われ得る法的責任についての検討を重ねています。

    虚偽の開示や詐欺的な隠蔽は、台湾の刑法と証券取引法の下で犯罪となる可能性があるため、サステナビリティや気候関連情報の開示を義務付けられている企業は、すべての情報が正確かつ漏れのないことを確認する必要があります。

    (2)運用データの収集 サステナビリティ・レポートやアニュアル・レポートのほとんどの情報は、企業の日常業務から得られるため、すべての運用データをどのように収集し、誠実に開示するかが台湾の企業にとって喫緊の課題となっています。

    というのは、大企業では情報が最高経営責任者のデスクに届くまでに多くの人手を経るために、情報が滞りがちになり、時には全く届かないことさえあるという特徴があるからです。

    場合によっては、業務情報が現場担当者のところにとどめられ、その先へ送られないこともあります。したがって、企業は情報の流れを最適化し、法律の下で開示しなければならないすべての情報を効率的に収集できるようにする必要があります。

    重要なポイント

    台湾では2050年のカーボン・ニュートラル実現に向けた法整備の勢いが高まっていますが、同時に政府は脱原発政策を堅持しており、それがこの野心的な取り組みを妨げる可能性があるとの批判があります。

    原子力発電が将来的に、エネルギー・ミックスに再び組み込まれるかどうかの予測は難しいのですが、台湾の企業はESG法の動向を常に注視し、炭素排出量を抑制し、サステナビリティ開示要件を満たすために、可能性のあるあらゆる手段を講じていくことが賢明でしょう。

    Lee and Li, Attorneys-at-Law
    Lee and Li, Attorneys-at-Law
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