フィリピン財務省は、多段階の包括的税制改革プログラムを推進してきました。これは、2018年の「加速と内包的成長のための税制改革法(TRANS法)」の制定に始まり、2025年の同プログラムの第4弾かつ最終パッケージである「資本市場効率促進法(CMEPA)」の成立をもって完結しました。これらの施策は総じて、より簡潔で公平、効率的な税制を構築し、地域的および世界的な経済変化に対応できるビジネス環境を育成するフィリピンの継続的な取り組みを示すものです。
CREATE法

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共和国法第11534号、いわゆる「企業復興税優遇(CREATE)法」は、2021年4月11日に施行されました。本法は、法人税制の公平性と効率性を改善し、より機敏で国際競争力のある税制優遇制度を整備し、企業再生を支援することを目的としています。
CREATE法は、主に国内法人および外国法人の通常法人税率を25%に引き下げるなど、内国歳入法の複数の条項を改正しました。また、課税所得が500万フィリピン・ペソ(約8万4900米ドル)を超えて、かつ総資産(事務所、工場および設備が所在する土地を除く)が1億フィリピン・ペソ以下の国内法人には、20%の低税率が適用されます。
同法はまた、従来の優遇制度を大幅に見直し、業績連動型・対象限定型・期間限定型・透明性の高い、より機動的かつ国際競争力のある税制優遇制度へと刷新されました。登録事業体(RBE)は、所得税免除(ITH)または追加控除制度(EDR)のいずれかを選択して適用を受けることができます。優遇期間終了後、登録事業体は投資促進機関との登録条件に応じて、5%の特別法人税または通常税率のいずれかの課税対象になる可能性があります。
CREATE MORE
共和国法第12066号、すなわち「経済再活性化のための機会最大化を目指す企業復興税優遇措置(CREATE MORE)」は、2024年11月28日に施行され、CREATE法で導入された優遇制度の枠組みを改良・拡充しました。主要な改革の一つは、国内法人か居住外国法人かを問わず、追加控除制度の下で登録事業体に適用される法人所得税率を25%から20%へ引き下げた点です。
またCREATE MOREでは、所得税率の引き下げに加え、業務効率改善のために認められる控除を拡大しました。たとえば電力費用の控除率が50%から100%に引き上げられ、エネルギー集約型産業に直接的な恩恵をもたらしました。
さらに同法では繰越欠損金(NOLCO)に関する規定が柔軟化され、従来、商業運転開始から3年間のみ損失を繰り越すことが認められていたのを、所得税免除の最終年度の翌年から5年間にわたって損失を繰り越すことが認められました。これにより、所得税免除期間中に課税所得が発生しない企業でも、後年に損失を相殺できるようになりました。
さらにCREATE MOREでは、5%の特別法人税が、地方手数料や課徴金を含むすべての国税および地方税に代わるものであることを明確にしました。併せて内国歳入法には新たな条項が追加され、地方自治体(LGU)が登録事業体に対して、総収入の2%を超えない範囲で地方税を課すことが認められました。この税は、所得税免除または追加控除制度の期間中のすべての地方税、手数料、課徴金に代わるものであり、国家の投資促進と地方の財源確保のバランスを図ることを目的としています。
CREATE MOREはまた、登録輸出企業および国内市場向け登録高付加価値企業による輸入に対する付加価値税(VAT)の免除および国内購入に対するVATゼロ税率の適用に関する規定を明確化しました。
同法では現在、施設清掃、警備、金融、コンサルティング、マーケティング、管理サービス(人事、法務、会計支援を含む)など、登録輸出企業および国内市場向け登録高付加価値企業の登録活動に直接関連する取引が明確に含まれています。このように明確化することで、VAT関連優遇措置の適用をめぐって、長年、紛争や遅延をしばしば引き起こしていた曖昧さが解消されました。
最後に、柔軟な勤務形態への世界的な移行を踏まえ、CREATE MOREは、登録事業体がハイブリッド勤務やリモートワークなどの柔軟な勤務形態を採用しても、コンプライアンスおよび報告要件を満たす限り、税制優遇措置を喪失しないことを明確にしています。この政策は国際的なビジネス動向に沿うものであり、労働力の適応性を促進します。
RPVARA

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共和国法第12001号、いわゆる「不動産評価・課税改革法(RPVARA)」は、2024年7月5日に施行されました。同法は、フィリピン税制で広く見られる混乱の原因の一つ、不動産の適正な評価に対処することを目的としています。
RPVARAの施行以前は、評価の重複が存在しました。国税庁長官による国と、地方査定官による地方自治体の双方が、不動産評価の権限を有していました。問題をさらに複雑にしていたのは、各地方自治体が独自の評価基準や標準を自由に採用でき、それが当該地方自治体の管轄区域内にのみ適用されることでした。
RPVARAの主要な目的の一つは、不動産に基づく単一の評価基準として市場価格を確立することであり、それにより複数の評価を不要とし、固定資産税のみならず、不動産評価を基礎とする他の税目の査定手続を効率化することです。
この標準化を実現するため、地方財務局は、国際基準に整合したフィリピン評価基準(PVS)を策定・維持する責務を負い、地方査定官による市場価値表(SMV)の作成を指導します。これらの市場価値表は、地方税および国税の双方において統一した評価基準として機能します。
ただし、RPVARAの施行から2年間、つまり2026年7月4日までは移行期間とされており、各地方自治体の市場価値表がまだ確定していないことを踏まえると、これらの改革が成功裏に実施されるかどうか、まだ見通しは立っていません。
RPVARAのもう一つの主要な目的は、不動産取引や申告に関する包括的かつ最新の電子データベースを構築することです。このデータベースは、地方財政局が定める指針に従い、地方自治体、国の行政機関、さらには民間部門など主要なステークホルダーに無償で提供されます。
このデータベースによって透明性が向上するだけでなく、査定官による市場価値表の更新・改訂が容易になり、税務行政の改善にも寄与します。これに関連して、RPVARAは地方自治体に対し、税務マッピング技術、ソフトウェアによる評価システム、コンピュータ化された記録管理の活用による不動産税務の自動化を義務付けています。
最後に、RPVARAは滞納納税者の税務遵守を促すため、施行前に未納となっている不動産税の罰金、延滞金、利息について、施行日から2年間、つまり2026年7月4日までに限って、不動産税の特赦を認める措置を講じています。
CMEPA

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共和国法第12214号、いわゆる「資本市場効率促進法(CMEPA)」は、2025年7月1日に施行されました。これは、税務行政の効率化、税率の標準化、投資家の参入障壁の低減を通じて、フィリピンの資本市場を強化し、より多くの投資を呼び込むことを目的にしたものです。
CMEPAは、主要な投資関連税において一律の減税を導入しています。例えば、国内証券取引所を通じて上場・取引される株式の売却に対する株式取引税は、売却総額または売却株式の金銭的総価値の0.6%から0.1%に引き下げられました。標準化の方針に沿って、引き下げられた0.1%の税率は、外国証券取引所を通じて上場・取引される国内株式にも同じく適用されます。
非上場の国内株式については、純キャピタルゲインに対する15%の最終キャピタルゲイン税(CGT)が従来通り維持されていますが、15%のCGTの適用範囲は国内法人および居住者によって売却された非上場の外国株式にまで拡大され、外国証券への投資に対する条件の平等性が確保されています。振り返れば、非上場外国株式のキャピタルゲインは従来、累進税率の対象であり、居住個人投資家の場合は最大35%、法人の場合は20%から25%という、より高い法人所得税率が適用されていました。
株式の新規発行に対する印紙税は、従来の株式額面価額の1%から、債権や社債の印紙税と同じ取引価額の0.75%に統一されました。
CMEPAでは、ほとんどの形態の受動的投資所得に対する課税を一律20%に統一し、コンプライアンスの簡素化と透明性の向上を図っています。これらの改革により、フィリピン投資市場は地域的にいっそう競争力を高め、国内外双方の投資家にとって魅力的な市場となることが期待されています。

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