アジアにおいて、環境・社会・ガバナンスへのコンプライアンスに対する意識が高まる中、先見の明のある企業は進化する規制に遅れを取ることなく対応を進めています。
中国のESG規則、20年を経て成熟期に
中国の環境、社会、ガバナンス(ESG)パフォーマンス報告に関する最初の政策である「企業の環境情報開示に関する公告」は、2003年に国家環境保護総局によって公布されました。この公告により、企業は環境関連情報の開示を奨励・支援されることになりました。

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それから20年後の昨年12月、中国国務院は「美しい中国の建設を全面的に進めるための意見」を発表しました。その第24条第9項で国務院は、環境、社会、ガバナンスの評価を検討することを明確に要求しています。この意見は、中央政府レベルの文書ではESGの概念が登場した初めてのものであり、中国がESGの浸透を支持していることを明確に示しています。
昨年の意見では、生態環境ガバナンスやグリーン経済成長などESGに関するトピックを「美しい中国」イニシアチブに盛り込んでおり、これは中国の規制レベルにおいてESGを明確に位置づけるのに役立つものです。これにより、中国での今後のESGの実践が効果的に促進されるでしょう。
今年5月、中国財政部は「企業向けサステナビリティ開示基準 – 一般ガイドライン」の草案を発表し、パブリックコメントを募集しました。これは、中国における統一されたESG開示基準の規制体制が、徐々に確立されていることを表しています。
このガイドラインは、適用する範囲、開示の目的、開示の要素、開示の品質に関する要件などについて明確に定義しています。また、ESG開示要件の適用範囲を、上場企業から非上場企業へ、大企業から中小企業へと拡大しています。
このガイドラインは、企業がESG関連の開示を行う際に、信頼性、関連性、比較可能性、検証可能性、理解可能性、適時性の原則に従うことを義務付けています。さらに、4つの開示要素(ガバナンス、戦略、リスク、機会管理)の定義、開示目的、具体的な内容要件、さらには指標と目標について詳細に説明しています。
このガイドラインは、報告期間、コンプライアンスに関する声明、重大な不確実性に関する判断、過去の誤りの修正、報告書の様式についても言及しています。
このガイドラインを発表することで、企業のESG開示に対する明確な規制や制度上の指針を提供するだけでなく、国際基準に沿った包括的な中国のESG開示の枠組みをもたらすものとなります。
市場への導入
上海、深圳、北京の各証券取引所はこれに倣い、上場企業によるESG関連の開示に関する明確なガイドラインを発表しました。これら3つの取引所は、中国証券監督管理委員会の監督の下、それぞれ「上場企業の持続可能な開発報告に関するガイドライン」を今年4月12日に正式に発行し、5月1日に施行しました。
以下の特定の上場企業は、取引所のガイドラインに従い、持続可能な開発報告書を発行することが義務付けられています。
- 深圳証券取引所に上場し、深圳100指数またはChiNext指数に含まれる企業
- 上海証券取引所に上場し、SSE180指数またはStar50指数に含まれる企業
- 国内外で重複上場している企業
北京証券取引所はこのような開示要件を義務付けていませんが、上場企業は自主的に開示することができます。
ガイドラインは開示原則に関して、財務的重要性と影響重要性を同等に重視する二重重要性の原則を設定しています。上場企業は、自社の業界と事業運営の特徴に基づき、ガイドラインの各トピックが、短期、中期、長期にわたって自社のビジネスモデル、事業運営、成長戦略、財務状況、業績、利益、財務方法、コストに重大な影響(財務的重要性)をもたらすかどうかを特定する必要があります。
企業はまた各トピックについての自社の業績が、経済、社会、環境そのものに重大な影響(影響重要性)をもたらすかどうかを特定する必要があります。企業は、影響の強度を分析する手順を明らかにする必要があります。
スケジュールに関しては、企業の持続可能な開発報告書は、各会計年度の終了後4カ月以内に用意され、各企業の取締役会によって承認される必要があり、年次報告書よりも早く開示されてはなりません。報告企業と報告期間は年次報告書と同一でなければなりません。
枠組みについては、企業はガバナンス、戦略、リスク、機会管理の4つの主要分野に焦点を当てながら、財務的重要性を持つ持続可能な開発のトピックを分析し、開示する必要があります。影響重要性のみに関連する部分については、企業はガイドラインの特定の規定に従って開示を行い、ステークホルダーがその背景を完全に理解できるようにしなければなりません。
中国の上場企業は、規制の観点ではまだESG開示の初期段階にあるため、上海証券取引所と深圳証券取引所はどちらも移行措置を設けています。開示要件に該当する上場企業は、2025年の持続可能な開発報告書を2026年4月30日までに発表することが義務づけられています。しかし、北京証券取引所は初回の報告期間を指定しておらず、このような移行措置も設けていません。
法的責任に関しては、ガイドラインは「開示企業がこれらのガイドラインに違反した場合、取引所は個々の場合に応じて懲戒処分または制裁を科す」と規定しています。これにより、企業に対する規制の圧力がある程度強化されるとともに、規制当局による規制や懲戒処分の主要な法的根拠が規定されています。
しかしながら、ガイドラインは厳密に法的責任を規定しておらず、中国の上場企業による持続可能な開発報告書の強制開示要件は、事実上、規制によるというよりも主に宣言としての性質があります。
実際には、規制当局が強制開示義務違反を理由に上場企業を監督し、罰するに当たっては、直接適用が可能な法的根拠を欠いています。規制当局は、上場企業の情報開示に関する一般的な規則、すなわち「上場企業の情報開示管理規則」を参照してのみ規制することが可能です。
ガイドラインは公表されたばかりであることもあり、開示規定違反に対して罰則が適用された事例はまだありません。したがって、新しい実施規則の導入によって、規制体制をさらに強化する必要があります。
とはいえ、規制体制の強化は加速しているため、開示が求められる上場企業は、適用される開示規則に基づいた法的遵守に特に注意を払うべきです。
このような情報を包括的に、真実に基づき、正確に開示することは、法的リスクの回避という観点から、企業にとって避けられない選択であるだけでなく、企業の潜在的価値を示す有益な手段でもあります。
結論
まとめると、中央政府はいまだにESG問題について統一した、または包括的な規制体制を確立していないものの、ESG政策の公布はトップダウン型の改革として推進されています。特にESG問題に関しては、企業ガバナンスや、より高いレベルでの持続可能な開発の側面への関心が高まっています。
この段階では、3つの取引所が発行したガイドラインは国際的にも最高水準を満たしており、主要な国や地域の規制、例えばEUの企業持続可能性報告指令と同等のレベルにあると見なすことができます。
このガイドラインは、持続可能な開発情報の開示が求められる企業に、追加のコンプライアンスの負担を課すものではありません。中国大陸の上場企業によるESG報告は徐々に主流の活動となるでしょう。この動向は、企業ガバナンスや持続可能な開発への責任を規制するのに役立つだけでなく、中国のあらゆる分野の産業において、ESG問題への意識を高めることにつながるでしょう。
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フィリピンにおけるESG法
2023~2028年フィリピン開発計画(PDP)の下で、国家経済開発庁は、環境・社会・ガバナンス(ESG)投資や気候変動の緩和における外国投資の主要な目的地として、フィリピンを位置づけることを目指しています。
そのため、民間でのESGの意識と参画の促進に向けて、ESG規制は着実に勢いを増しています。ESG規制は、持続可能性報告書に関する世界的なトレンドに追随し、グローバルなベストプラクティスを用いて企業ガバナンス基準の引き上げを目指しています。
証券取引委員会(SEC)、中央銀行であるフィリピン中央銀行(BSP)、保険委員会(IC)、環境天然資源省(DENR)などの主要な政府規制当局は、民間でのESGコンプライアンスの強化に向けて最前線に立っています。
開示要件

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持続可能性報告書は、公開会社と上場企業(PLCs)のための改正企業統治規則、すなわちSEC覚書回覧(MC)2016年 第19号とMC2019年 第24号によって規定されています。
SECは、対象となる企業がESG問題をどのように管理しているかを開示するよう推奨しています。特にPLCsは、年次報告書に適切な持続可能性報告書を添付することが義務付けられています(SEC MC 2019年 第4号)。
持続可能性と非財務情報の報告においては、国際的に認められた基準やフレームワーク、例えばGlobal Reporting InitiativeのG4フレームワーク、国際統合報告評議会の統合報告フレームワーク、および/またはサステナビリティ会計基準審議会の概念フレームワークを使用することも推奨されています(SEC MC 2016年 第19号 原則10)。
「コンプライ・オア・エクスプレイン(遵守または説明)」のアプローチが採用されており、対象となる企業には、非遵守の領域を特定し、非遵守の理由を説明することが求められています。ICは、保険/再保険会社やブローカー、プレニード会社、健康維持機関など、ICが規制の対象とする企業に対して同様のアプローチを採用し、ESGコンプライアンスの開示を求めています(IC通達 2020年 第71号)。
銀行に関しては、銀行はコーポレート・ガバナンスの枠組み、リスク管理システム、戦略的目標に、環境や社会のリスク範囲などの持続可能性の原則を組み込むことが期待されています。これらは、銀行の規模、リスク・プロファイル、業務の複雑さに応じて一貫している必要があります。
BSPの銀行規制マニュアル(MORB)に基づいて、銀行は、環境・社会(E&S)リスクへのエクスポージャーを特定、評価、監視、軽減するために、環境・社会リスクマネジメント・システムの方針、手続き、ツールの導入が義務付けられています。
中央銀行は、銀行に対して、年次報告書にE&Sリスク管理システムの概要、E&Sリスクのエクスポージャーの内訳と、その銀行への影響、そして持続可能性の原則をガバナンスの枠組み、リスク管理システム、事業戦略、業務に統合するために行った取り組みの進捗状況を開示することを求めています(MORB第153条)。
グリーンウォッシング
SECは、企業のESGへの取り組みが投資家にアピールする効果を認識しており、投資家をグリーンウォッシングから確実に守るための保護措置をとっています。

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社会的責任投資 以外の投資会社は、SECの許可がない限り、その名称および/またはマーケティング資料に「ESG」「持続可能性」または同様の意味を持つ言葉を使用することはできません(SEC MC 2022年 第11号 第2条c.ii項)。
SRIファンドとしての資格を得るには、投資会社は1つまたは複数の持続可能性の原則またはESG要因を主要な投資対象として採用し、それを登録届出書または目論見書に適切に反映させなければなりません(SEC MC 2022年 第11号 第2条a項)。
投資目標を達成するために、投資会社は1つまたは複数の戦略を採用することができます。ただし、ネガティブ・スクリーニングや排他的スクリーニング、またはESG統合が財務的なリターンのためだけに導入されて、その他の持続可能な投資目標を伴わない場合には、その投資会社はSRIファンドとしての資格を得ることはできません(SEC MC 2022年 第11号 第4条)。
SECは、SRIファンドの持続可能な投資目標に合致する期待エクスポージャー、または最低資産配分比率を、その純資産価値の少なくとも3分の2に設定しています(SEC MC 2022年 第11号 第2条 b項)。
このようなESG投資の閾値の違反、またはファンドの基礎投資がその持続可能な投資目標と一致しない場合は、SECに報告することが求められます。ファンド・マネージャーは、発見日から30営業日以内に、この違反または不一致を是正することが期待されています。是正に失敗した場合、投資会社はSRIファンドとしての資格を失う可能性があります(SEC MC 2022年 第11号 第9条)。
一方、SRIファンドとしての資格を得ることを望まないものの、マーケティング資料に持続可能性またはESG要因や考慮事項を含めたいと考える投資の場合は、ESG投資に割り当てられると予想される非SRI投資会社の純資産価値の割合、報告期間中に非SRIファンドがESGまたは持続可能な投資目標をどのように達成したかなどの追加情報を、開示する必要があります(SEC MC 2022年 第11号 第12条)。
これらの規則に違反すると、違反の性質と範囲に応じて、違反が継続する限り、金銭的なペナルティが日ごとに累積して課される可能性があります。その投資ファンドはさらに、業務を停止され、登録届出書が取り消される可能性があり、他の適用法や規制に基づいて、その他の措置が取られたり、制裁が課されたりする可能性も否定できません(SEC MC 2022年 第11号 第13条)。
サステナブル・ファイナンス
BSPは、フィリピンにおけるサステナブル・ファイナンスの拡大に向けた施策を承認しました。2023年には、BSPは単一借入者限度額(SBL)を、規定された25%のSBLに加えて、適格なグリーンプロジェクトまたは持続可能なプロジェクトに対してさらに15%上乗せしました(BSP通達 2023年 第1185号)。2024年には、中央銀行は、銀行が融資や持続可能な金融商品・サービスを提供する際に遵守すべき、フィリピン・サステナブル・ファイナンス・タクソノミー・ガイドラインを制定しました(BSP通達第1187号、2024年)。
拡大生産者責任
2022年の拡大生産者責任(EPR)法は、プラスチック包装廃棄物を生成する企業に対し、プラスチック包装廃棄物の効率的な管理と、効率的な回収および転用スキームによってプラスチック・ニュートラルを達成するためのプラスチック包装のEPRプログラムを、DENR主導の国家固形廃棄物管理委員会に登録・提出することを義務付けています〔改正共和国法(RA)第9003号第44-E条〕。

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プログラムに盛り込むべき情報には、使用される特定の包装材料の種類と製品ブランド、プラスチック包装のフットプリント、プラスチック廃棄物の転用目標、実施状況、地理的な実施・展開計画、遵守状況が含まれます。
戦略的投資優先計画に基づいて適格な活動の特定に関する標準プロセスに従い、EPRシステムの下での取り組みを奨励し、義務を負う企業に遵守を徹底させるために、税制上のインセンティブが与えられる場合があります。
EPRプログラムの費用は事業の必要経費と見なされ、改正された内国歳入法に従って年間総収入から控除されます(RA第9003号 第45条)。
この規制ではまた、プラスチック製品のフットプリントの生成や回収の報告、EPRプログラム遵守の正確性を証明するため、独立した第三者監査人によって作成された年次EPRコンプライアンス監査報告書の提出を義務付けています(DENR行政命令第2023-02号第19.1.1条)。
EPRプログラムに登録しなかったり、プラスチック製品の回収目標が達成しなかったりする場合、500万フィリピンペソ(8万6000米ドル)から、フットプリントの回収・転用の費用、またはその不足分の2倍の金銭的ペナルティが科され、3回目の違反の場合には自動的に、義務を負う企業の事業許可が停止されます(改正された共和国法第9003号第49条)。
審議中の低炭素法案
現在の第19回国会では低炭素経済法案が提出され、審議待ちの状態です。この法案の第19条は、温室効果ガス(GHG)の排出が最も多く、排出を回避または削減するに際して費用効果の最も高いセクターを対象に、GHGの年ごとの上限を設定することを求めています。
法案が可決された場合、GHG排出枠がDENRによって対象のセクターに割り当てられます。この排出枠は、二酸化炭素1トンの排出、または二酸化炭素以外の地球温暖化汚染物質の場合には同等量の排出を認めるものです(法案 第20条)。
低炭素経済法案はまた、さらなる政策ガイドラインに従って、法律に基づいて発行された排出枠が販売、交換、購入、取引されることを認める炭素取引システムの確立も目指しています。
今後の展望
政府の規制当局は近年、さまざまなESG関連の規制を発行していますが、これらの規制の大部分が、報告や開示要件に焦点を当てていることは明らかです。
フィリピンの企業や組織全体におけるESG意識は、ESGに対して、より積極的なアプローチを取ることを求める法規制によって、さらに高められる可能性があります。
2022年のEPR法や低炭素経済法案 は、この目的に向けて正しい方向への一歩となります。
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台湾が2024年にESGへの取り組みを加速
新たに制定・改正された環境、社会、ガバナンス(ESG)規制を見れば、台湾の立法府は、他のすべてのESG問題よりも、炭素排出量削減とサステナビリティ開示を優先し、これら2つの課題に正面から取り組む決意であることは明らかです。
台湾の主要なESG法である「気候変動適応法」は2023年2月15日に施行され、2050年をカーボン・ニュートラル達成の期限とし、その目標達成のためにカーボン・プライシング制度を確立しました。
同法は、企業に炭素排出量の削減を奨励するために、政府が炭素税を徴収し、カーボン・クレジットや炭素費用の優遇料率などの経済的インセンティブを提供する権限を与えています。ESGの取り組みは今年、いくつかのポイントにおいて加速しています。
カーボン・トレーディング

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国内のカーボン・クレジット取引に関する規制は2024年8月15日に施行され、台湾で初めての国内カーボン・クレジット取引プラットフォームの法的枠組みが整いました。10月2日の立ち上げ後、台湾環境部(MOE)によって承認されたすべてのカーボン・クレジットは、このプラットフォームで取引されることになります。
工場の運営者や高層建設プロジェクトの責任者は、新たに発生する排出量や炭素税に対して、プラットフォーム上でカーボン・クレジットを購入したり、低炭素燃料の使用、ネガティブ・エミッション技術の採用、エネルギー効率の向上、再生エネルギーの利用、製造工程の改善などのカーボン・オフセット・プログラムを実施することで、カーボン・クレジットを獲得したりすることができます。
炭素税
一方、炭素税の徴収に関する規制は2024年8月29日に制定され、カーボン・プライシングが現実のものとなりました。この規制の下、炭素税制度はまず、年間2万5000トン以上の二酸化炭素相当量を排出する企業を対象としています。台湾では281の企業が対象となり、計500の工場が相当します。
炭素税率は2024年末に決定され、2026年から適用される予定です。排出削減プログラムを提案する企業は、MOEによって承認された場合に、優遇税率を受けることができます。
サステナビリティ・レポート

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台湾の上場企業と店頭公開(OTC)企業による、サステナビリティ実践についての透明性ある開示を促進するために、「サステナビリティ・レポート・ガイドライン」が2024年1月に更新されました。これにより、すべての上場企業とOTC企業は、2025年から国際的なグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)スタンダードに従って、「サステナビリティ・レポート」を作成する必要があります。
また、サステナビリティ・レポートを作成する際には、サステナビリティ会計基準審議会(SASB)基準を適用することが推奨されています。さらに、2022年11月25日に改正された「公開企業のためのアニュアル・レポート・ガイドライン」では、法定基準を満たす公開企業はアニュアル・レポートにおいて、気候関連情報と温室効果ガス検査結果を、炭素排出量削減目標、戦略、アクション・プランとともに開示することを義務付けています。
環境NGOからは、企業に炭素税を課す排出基準が依然として高すぎるとの批判はあるものの、台湾では、炭素排出量削減、企業のサステナビリティや気候関連情報の開示に関する法律は、より厳しいものになっています。企業は、炭素排出量や炭素税を削減するためにカーボン・オフセット/削減の措置を検討するだけでなく、以下の課題に備えることが推奨されます
(1)漏れのないサステナビリティ情報の開示 サステナビリティ・レポートの提出が上場企業とOTC企業にとって法的義務となった現在、政府がいわゆる「グリーンウォッシング」に対して、より厳しく取り締まることが予想されます。法律の専門家は、サステナビリティ・レポートやアニュアル・レポートの一部にでも虚偽があると判断された場合、問われ得る法的責任についての検討を重ねています。
虚偽の開示や詐欺的な隠蔽は、台湾の刑法と証券取引法の下で犯罪となる可能性があるため、サステナビリティや気候関連情報の開示を義務付けられている企業は、すべての情報が正確かつ漏れのないことを確認する必要があります。
(2)運用データの収集 サステナビリティ・レポートやアニュアル・レポートのほとんどの情報は、企業の日常業務から得られるため、すべての運用データをどのように収集し、誠実に開示するかが台湾の企業にとって喫緊の課題となっています。
というのは、大企業では情報が最高経営責任者のデスクに届くまでに多くの人手を経るために、情報が滞りがちになり、時には全く届かないことさえあるという特徴があるからです。
場合によっては、業務情報が現場担当者のところにとどめられ、その先へ送られないこともあります。したがって、企業は情報の流れを最適化し、法律の下で開示しなければならないすべての情報を効率的に収集できるようにする必要があります。
重要なポイント
台湾では2050年のカーボン・ニュートラル実現に向けた法整備の勢いが高まっていますが、同時に政府は脱原発政策を堅持しており、それがこの野心的な取り組みを妨げる可能性があるとの批判があります。
原子力発電が将来的に、エネルギー・ミックスに再び組み込まれるかどうかの予測は難しいのですが、台湾の企業はESG法の動向を常に注視し、炭素排出量を抑制し、サステナビリティ開示要件を満たすために、可能性のあるあらゆる手段を講じていくことが賢明でしょう。

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