世界中で、商標とIPに関する規制の改革とアップグレードが急ピッチで進んでいます。ここでは、特に活発な動きを見せているいくつかの法域について探ってみましょう
経済改革がインドの知的財産環境を変革
一国の経済改革は、ブランド創造、協業、技術移転、M&Aなどの分野において、必ず知的財産(IP)の変革を呼び寄せます。このような経済改革は、多くの場合、資本調達の引き金となるイノベーション主導の成長の結果であり、それによって経済全体のブランド指数が強化されます。
一方では偽造者や違反者の存在があり得ますが、もう一方では、正しい方法でブランドを創造することを目指し、イノベーション主導の成長を求め、そこから生まれる信用や評判を活用することを選ぶというのも、社会の一面です。
イノベーションと創造性を促進するためには、知的財産法の厳格な実施と施行も不可欠です。それは、侵害、詐称通用、海賊行為、偽造を減少させ、海外ブランドが自信を高め、不正流用を恐れることなく、保護された新しい技術に投資できるようにして、ビジネスをより円滑に、効果的に機能させることにつながります。
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過去10年間に、インドではIPを包含する環境に向けて、多くの重要な進展がありました。以下にその一部を説明します。
- 高額紙幣廃止は、デジタル取引の促進につながりました。2016年、インド決済公社は、特許で保護された即時決済システムである統合決済インターフェース(UPI)を立ち上げ、それが金融包摂を強化し、国全体のデジタル化に大きく貢献しました。UPI決済は、スリランカ、モーリシャス、フランス、アラブ首長国連邦、シンガポール、ブータン、ネパールでも利用可能です。UPIの導入により、PAYTMのようなブランドが急速に台頭し、かつてない成長を遂げました。
- 政府は、より多くの外資を誘致し、最新技術を活用して経済を発展させるため、防衛、保険、小売、電子商取引、そして最近では宇宙など、さまざまなセクターでFDI政策の自由化を定期的に進めてきました。以前は外国企業との協業が盛んでしたが、この分野が国内企業に開放されたことにより、Hindustan Aeronauticsのような生え抜きのインド・ブランドや、その分野のスタートアップ・ブランドがスーパー・ブランドになる可能性が出てきました。その一例は、Central Railway社のVande Bharat列車で、2019年に運行を開始して以来、旅行者に好まれる選択肢として浮上してきました。
- インド・インターネット・モバイル協会の2023年版レポートによると、インドの農村部では都市部よりもインターネット利用者が多いとされています。技術移転は、依然としてこの産業の主要な部分となっています。インドのインターネット利用が拡大するにつれ、サービス・プロバイダーや仲介業者の責任に関する法的問題が顕在化してきました。また、ディープフェイクやネット上での大規模な偽造、虚偽表示など、新時代のIP関連の問題も発生しています。しかし、技術が成熟するにつれ、進化する技術を規制するための法改正も見られています。
- 農家向けのアグリテック・ソリューションは、クラウド・コンピューティング、特殊センサー、ドローン、インテリジェント予測、その他に用いる予測AIなどを駆使するもので、これらの迅速な開発も、重点分野の一つです。多くの場合、これらの技術はIPで保護されており、最適な活用のために収益化が必要とされています。
- 「REN21自然エネルギー世界白書 2023」によると、インドは再生可能エネルギーの設置容量で世界第4位、風力発電容量で第4位、太陽光発電容量で第5位です。この業界におけるIPの収益化は、技術の進歩と公共の利益のために不可欠です。
- インフラストラクチャー開発:高速道路、空港、都市開発など、いくつかのプロジェクトが開始されました。インフラストラクチャー企業は、次なる成長に向けてIPポートフォリオの構築と強化に取り組んでいることが多いです。
- スタートアップ・エコシステム:インドのスタートアップ・エコシステムは、政府がStartup IndiaやMake in Indiaのような取り組みを支援していることにより、大きく成長してきました。スタートアップ企業にとってIPは競争力の高いツールであり続けており、IPを保護することは競争力維持のために極めて重要です。一例として、AIスタートアップのKrutrimは、資金調達ラウンドで5000万米ドル(41億7000万インドルピー)を調達し、2024年においてインド初のユニコーン企業となりました。
- 半導体業界へのフォーカス:インド政府は、同国をチップ製造の世界的な拠点とするため、インドに半導体製造施設を設立することを承認しました。これにより、技術移転、イノベーション、協業、研究開発、そしてもちろん新しいIPの創造にも弾みがつきました。
- 手工芸主導の輸出へのフォーカス:インドの手工芸セクター、特にカーペット部門は驚異的な成長を遂げています。このことは、同セクターが経済的に存続可能であり、インドの世界貿易に大きく貢献していることを裏付けています。導入された主な制度の一つは、「一地区一製品」(ODOP)の取り組みで、これはさまざまな手工芸品、衣料品、皮革製品、その他の国内生産を奨励し、地区単位で独自のIPを活用し、収益化するものです。
インドのIP環境では、知的財産権と執行メカニズムを強化し、国際基準に合致させ、経済成長をより効果的に後押しすることを目的とした、さまざまな法律や規制の変更も行われています。法律・規制改革のうち顕著なものは、以下のとおりです。
- 2015年商事裁判所法(2018年改正):IP紛争を審理する独立した商事法廷による裁定を通じて、IP関連の司法手続きを迅速化するために導入
- 2018年知的財産権(輸入品)施行規則の改正:商標、意匠、著作権の模倣品対策を強化
- 2023年シネマトグラフ(改正)法:罰則を強化し、映画海賊版の抑制を目指す
- 2023年生物多様性(改正)法:インド以外の事業体や生物資源の法律上の取り扱いを変更し、生物資源に関する知的財産権出願に影響を与えるもの
- 2023年Jan Vishwas法(条項改正):知的財産法のもとでの特定の犯罪の非犯罪化を提案し、罰則の軽減と禁固刑規定の撤廃に重点を置いたもの
- 23年前の「2000年情報技術法(IT Act)」を置き換えることを目的とした「2023年デジタル個人情報保護法」および「デジタル・インディア法(Digital India Act)草案」
- 2021年に知的財産審判部(IPAB)が廃止され、IPの審判が高等法院に移管された。これは裁定の合理化を目的としているが、IP事件の処理に不確実性が生じている
- 消費者庁とインド広告基準審議会は、不正行為を抑制し、オンライン市場の透明性を促進することを主な目的として、「ダークパターンの防止と規制のためのガイドライン」を導入
- インド食品安全基準局(FSSAI)は、進化する食品環境を注視しており、栄養補助食品や加工食品に関するガイドラインを導入し、航空会社や未組織セクターの食品・飲料にまで視野を広げて、企業に責任を負わせ、消費者の健康を保護
- 持続可能性に対する消費者の関心が高まる中、インド広告基準審議会は、広告における虚偽の環境関連主張を取り締まるガイドラインを発表
IPライセンシングとIP評価も、ブランド・エクイティ(ブランドの評判の価値)に影響 IPバリュエーションは、IPの価値を正確に評価し、ライセンシング、売却、分離独立、さらには安全な資金調達に向けた知識ある行動を導く手段として、認識度が高まっています。IP債券は、企業がIPを担保に資本を調達するもう一つの方法です。国家知的財産権政策とインド証券取引委員会の規制措置により、その環境はさらに強化されています。
経済改革とIPの直接的関係 上述のような全般および産業別の経済改革は、国内におけるIP主導によるイノベーションや創造性、成長の進展と、直接的に関連しています。この傾向を裏付けるように、最近発表された2022-23年の特許意匠商標総局(CGPDTM)の年次報告書によると、各種知的財産権全体の出願・処理件数は前年を上回りました。
この報告書の驚くべきデータの一つは、2022~23年の特許出願の52%、商標出願の97%がインドの出願人によるものであったということです。これは政府のさまざまな取り組みを通じてIPを重視する文化や考え方が促進され、一般市民にも浸透していることを明確に示しています。
とはいえ、インド商標庁(TMO)は第1段階の異議申立よりも、受理件数を多くすることのほうに適応すべきです。いずれにせよ、受理された出願は第三者による異議申立を募る形で公表されるため、公衆に対して異議/反対を申し立てる公正な機会を提供することができるからです。
また、異議申立があった場合、TMOは1年以内に結論を出すことを目指すべきであり、それによって、企業は保留状態で待つばかりではなく、ブランドを築き、保護を拡大することに動き出せるようになります。訴訟を起こさないブランドに対する報奨制度も、その優れたブランド選択とデューデリジェンスの一環として考慮されるべきです。
当事者らが友好的な解決を選んだ場合に、それを肯定的に評価することも、迅速な紛争解決に資する可能性があります。このようなアプローチは、より多くの人々がIPの価値を尊重し、保護を求める方向に前進することに役立つでしょう。
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商標法の比較:インドネシア
インドネシアでは、商標に関する主要な法律は「商標および地理的表示に関する法律 2016年第20号」であり、商標法と通称されています。この商標法は、「『雇用創出に関する法律代替政令 2022年第2号』の法律としての制定に関する法律 2023年第6号」によって更新されています。さらに、以下のような、より具体的な事項を規定する付則がいくつかあります。
- 「法務・人権省に適用される非課税国家歳入の種類および関税に関する政府規則 2019年第28号」は、法務・人権省傘下の知的財産総局(DGIP)に提出できる各種訴訟の正式な手数料を定めている
- 「『標章の国際登録に関するマドリッド協定』に関連する議定書に基づく標章の国際登録に関する政府規則 2018年第22号」は、インドネシア国内またはインドネシアから出願される国際登録のあらゆる側面を対象としている
- 1995年に設立された商標審判委員会に関する「政府規則 2019年第90号」は、同委員会における不服申立、審査および和解の手続に関する規則である
- 「『商標分野における知的財産総局長の商標登録政令に関する規則 2016年第67号』の改正に関する法務人権省規則 2021年第12号」。この省規則は、登録、商品とサービスのクラス、発行された証明書ならびに記録の訂正を対象とする
- 「『地理的表示に関する法務人権省規則 2019年第12号』の改正に関する法務人権省規則第10号2022年」
商標の範囲
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商標法では、商標とは、商品および/またはサービスを取引する際に、個人または法人が生産する商品および/またはサービスを識別することを目的として、 図面、ロゴ、名称、言葉、文字、数字、色の配置、二次元および/または三次元の形状、音、ホログラム、またはこれらの要素の2つ以上の組み合わせの形で、図形的に表現することができるあらゆる標識であるとされています。
同法は、伝統的および非伝統的商標の2種類の商標を認めています。固有の識別性がないために、登録できない商標もあります。そうした条件に該当するのは、商標が以下のような場合です。
- 国家のイデオロギー、法令、宗教道徳、倫理、公序良俗に反する
- 登録を求めている商品および/またはサービスと同一であるか、関連しているか、または単にそれらを記述しているにすぎない
- 登録を求めいる商品および/またはサービスの原産地、品質、種類、サイズ、品種、または目的について、公衆を誤解させる可能性のある要素を含む場合、または類似の商品および/またはサービスについて保護された植物品種の名称である
- 生産された商品および/またはサービスの品質、利点、または効能と一致しない情報を含む
- 際立った特徴がない
- 公衆に行き渡った一般的名称および/またはシンボルである
- 機能的な形態を含む
適用
商標法は 先願主義を採用しています。一般的に、商標登録は、個人、組織、企業のいずれもが申請できます。しかしながら、同法には悪意をもって出願された商標登録を規制する役割もあります。商標法第21条は、出願人が不誠実に提出した出願は拒絶されると規定しています。
実際には、不誠実な出願であるかどうかを判断することは、かなり困難です。
悪意の出願は、後に登録に至った場合でも、商標法第77条に規定されているとおり、いつでも商務裁判所で無効化することができます。この条項は次のように定めています。「悪意がある場合、および/または当該商標が国家のイデオロギー、法令、道徳、宗教、良識、公序良俗に反する場合は、無期限で無効訴訟を提起することができる」
出願
インドネシアでの商標出願を希望される方には、商標調査を強くお勧めします。調査報告は、登録プロセスを成功させるための潜在的な危険や障害を特定します。
調査報告の結果、出願手続を進めることに問題がないと判断された場合、出願者は以下の書類を提出する必要があります:
- 出願者の氏名
- 住所
- 商品とサービスの一覧表
- 出願対象の商標の表現(ウッドマーク、ロゴ、または非伝統的商標の形態でも可能)
この情報が提供されると、特許弁理士は依頼人が署名する2つの書類、委任状と標章所有権証明書を作成します。
2019年以降、インドネシアでは電子申告のみが認められています。
時間軸
異議申立や暫定的拒絶査定を受けなかったと仮定すると、出願から登録番号の取得まで10~13カ月かかる可能性があります。この見積は、簡単な登録でさえ2~3年かかっていた以前と比べると、相当に早いのです。
異議
出願が公示されるのは、2カ月間のみです。この公示期間中に、利害関係者は異議を申し立てることができます。それらの異議は、実質的な審査段階で検討されます。
公示期間が過ぎると、延長請求を含め、他の正式な異議申立の手段はありません。
異議申立を成功させるには、申立人が有効な法的地位を有する、すなわち、インドネシアにおいて先に商標出願または登録をしておくことが、強く推奨されます。さもなければ、審査官は先願主義を理由に異議申立を却下する可能性が高いです。
第三者による無効化や取消の申立は、商務裁判所への提訴が必要ですが、それは対象となる商標が登録されてから初めて可能になります。
外国での知名度
商標は、その知名度にかかわらず、インドネシアで登録された場合にのみ保護されます。しかし商標法には、外国の著名商標を他社による不誠実な登録から、ある程度は保護する仕組みがあります。
外国の著名商標と同一または類似の商標を悪意で出願しようとした場合、 商標法第21条の以下の規定により、出願は却下されます。「商標が、類似の商品および/またはサービスに関する他者の著名商標、または一定の要件を満たす異なる商品および/またはサービスに関する他者の著名商標と、実質的に類似または同一である場合、出願は却下される」
そうなると問題は、何が著名な商標を構成するかに移ります。「『商標分野における知的財産総局長の商標登録政令に関する規則 2016年第67号』の改正に関する法務・人権省規則第 2021年12号」の第18条は、何が商標を著名とするかを定めています。
- 著名商標の関連事業分野における、知名度または社会的認知度
- 商品および/またはサービスの販売量と、その所有者が商標を使用することによって得られる利益
- 地域社会における商品および/またはサービスの流通において、その商標が支配する市場シェア
- その商標の使用分野
- その商標の使用期間
- プロモーションに使用した投資額を含む、その商標のプロモーションの強度(熱心度)
- 世界中におけるその商標の出願および登録件数
- 法執行の成功率、特に公認機関による著名商標としての認定に関するもの
- 商標によって保護されている商品および/またはサービスについての、評判ならびに品質保証による商標の評価
しかし、海外で著名な商標が、インドネシアでも同じレベルの知名度を持つとは限りません。このことは、商標権者が他者に対して訴訟を起こす前に、インドネシアにおいてもその名声を確立できると限るかという問題を提起しています。
使用要件
インドネシアは先願主義を採用しているため、登録前に先使用を主張する必要はありません。使用の証拠を提出する必要もありません。
出願人が先に他国で出願していた場合、優先日から6カ月以内であれば、インドネシアでの優先権を主張することができます。
不使用に関しては、登録商標が登録日から3年間連続して使用されなかった場合、 または最後に使用された日から3年間連続して使用されなかった場合、法律により、その商標を商務裁判所において取り消すことができます。しかし、法律は使用の最低基準値を定めていないため、一般的に不使用を理由とした取り消しは非常に困難です。
ライセンス付与
登録商標は、インドネシア国内において他者にライセンス付与することができます。契約が法的拘束力を持つためには、DGIPにおいて記録されなくてはなりません。
一般に、ライセンス契約は、ライセンサーとライセンシーの詳細、ライセンス付与の性質(独占的か非独占的か)、サブライセンスの可否、ライセンス契約の条件、当事者の権利と責任、ならびにライセンス付与される対象物や商標を網羅する必要があります。
ライセンス 契約には、インドネシア経済に直接的または間接的に損害を与える条項や、インドネシアの技術取得・開発能力を阻害する制限があってはなりません。
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ナイジェリア商標法クイックステップガイド
ナイジェリアにおける商標規制の主な法律は、1965年商標法、1967年商標規則、2004年商品商標法(cap M10)、2004年ナイジェリア連邦法(LFN 2004)、および2004年商標過誤(雑犯罪)法(cap T12, LFN 2004)です。
商標権はナイジェリアの裁判所で行使可能ですか? はい、商標権はナイジェリアの裁判所で行使可能です。登録商標の所有者は、ナイジェリア連邦高等裁判所に対し、商標の独占的使用権を行使するために訴訟を提起し、将来の商標侵害を阻止する差止命令による救済を得ることができます。Ayman Enterprises Ltd v Akuma Ind Ltd & Ors (2003) LPELR-683 (SC) 参照。
詐称通用はコモンローの不法行為として、法のもとで取り扱われますか? はい、1965年商標法第3条は、商品を他人の商品として詐称通用することをコモンロー上の不法行為として認めており、誰でもが詐称通用を提訴することができます。
商標権の行使を求める商標権者に、暫定的な救済措置はありますか? はい、ナイジェリアにおける商標権行使訴訟の審理および判決が行われるまでの間、所有者は登録商標の継続的侵害を緊急に停止するために、暫定的差止命令による救済を申請することができます。Gallaher Ltd & Anor v BAT (Nig) Ltd & Ors (2014) LPELR-24333 (CA)を参照。
商標として登録できるのは何でしょうか? 同法第67条では、標章には、デバイス、ブランド、見出し、ラベル、チケット、名称、署名、単語、文字、数字、またはこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではないと定義しています。
ナイジェリア国上級弁護士(SAN)
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サービスマークは貴国の法域で認められていますか? 2023年ビジネス円滑化(雑則)法(BFA)による商標法の改正により、ナイジェリアではサービスマークも国内で登録する商標として認められるようになりました。
この法律は、商品の形状、包装、色の組み合わせを対象としていますか? BFAによって商標の定義が拡大され、商品の形状、包装、色の組み合わせも含まれるようになりました。この改正により、ナイジェリアで商標登録できる対象が拡大されました。
登録不可能なものはありますか? 違法なもの、公序良俗に反するもの、スキャンダラスな意匠、化学物質の名称、紛らわしいもの、他と類似または同一のものは、ナイジェリアでは商標として登録できません。同法はまた、通常の意味での地理的名称を登録することも禁じています。拒絶理由には、真の所有者でない者が出願した場合や、不誠実な出願、不正に取得した商標などが含まれます。同法第11条、第12条、第13条、第18条参照。
拒絶された場合に不服を申し立てる権利はありますか? 理由の如何を問わず、商標登録出願が拒絶された場合、出願人は60日以内に拒絶査定不服審判を請求することができます。上訴権は連邦高等裁判所にあります。同法第18条参照。
使用上の要件は? 登録を目的とする場合、その商標がナイジェリアにおいて特定の商品または役務に関連して使用されている必要はありません。同法は、商標権者が商品または役務に関して商標の使用を提案する際に、実際の使用の証拠を提出することがなくても、商標出願することを認めています。しかし、登録された商標は使用されることが期待されています。不使用は、第三者からの申請により取消事由となるからです。言い方を変えれば、申し込みの時点で利用が義務付けられているのではなく、登録の時点で利用が期待されているということです。同法第9条と第10条を参照。
他と区別する特徴(識別力)のない商標は、登録可能でしょうか? 商標登録簿はA部門とB部門に分かれており、A部門はすでに識別力のある商標のためのものであるのに対し、B部門は、識別力はないが使用中に識別力を持つようになる可能性のある商標を対象としています。同法第10条参照。
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免責は認められますか? 出願人は、その商標のうち識別力のない要素を構成する部分や、提供する商品・役務についての説明的な部分を放棄することができます。同法第16条参照。
登録の手続きはどのようになっていますか? 出願人は、商標がその該当する分類において使用可能かどうかを確認するために、使用可能性調査を行わなければなりません。その後、出願と審査が行われ、その結果によって受理されます。受理された後、申請は公開に進みます。その後2カ月の異議申立期間が設けられ、第三者が異議申立書を提出して、その登録に異議を申し立てることができます。この期間内に異議申立がない場合、出願人は登録(封印)手数料の支払いに進み、登録証が発行されます。
異議申立の手続とはどのようなものでしょうか? 異議申立は、利害関係人が異議申立書を提出することによって開始されます。登記所はこの通知を商標出願人に送達し、商標出願人には1カ月の延長不可能な反論提出期限が与えられます。反論を受領した利害関係人は、証拠を法定申告書に記載して出願人に送達します。出願人は、それから1カ月以内に自らの法定申告書を提出し、異議申立人に送達します。異議申立人にはこれに応答する権利があります。すべてのプロセスが済むと、審判所は採択/弁論期日を告げ、その後、判決が下されます。上訴権は連邦高等裁判所にあります。
商標の異議申立の理由は、どのようなものですか? 誰でも、ナイジェリアにおける商標登録に対し、その商標が自己の商標と混同を生じさせるほど類似している、または同一であることを理由に異議を申し立てることができます。異議申立人の商標がナイジェリアで登録されていることは必須ではありません。地理的名称を含む商標、真の所有者でない者が出願した商標、違法または公序良俗に反する事項を含む商標なども、異議申立の対象となることがあります。同法第11条、第13条、第18条、第67条参照。
貴国の法域で登録を取得するためのタイムラインは、どのようなものでしょうか? 出願から登録証明書の発行までは、登記所側のさらなる遅延がない限り、通常12カ月~18カ月かかると推定されます。商標登録は出願日から効力を生じます。
商品やサービスの説明の仕方は? 商標局は、商品とサービスの「ニース分類」を採用しています。出願人は、一般的な分類の項目を届け出ることも、目的に合わせて範囲をしぼった記述を使うこともできます。
貴国の法域では、複数分類申請は可能ですか? ナイジェリアは、単一分類申請システムを採用しています。商標が複数の分類をカバーすることを意図している場合、関心のある各分類で別々に出願する必要があります。
貴国の法域で商標の保護を受けるには、どのようなルートがありますか? ナイジェリアは、アフリカ地域知的所有権機関やアフリカ知的財産機関のような、ナイジェリアを指定した届出により保護を求めることができる地域知的所有権ブロックのいずれにも加盟していないため、ナイジェリア商標庁への登録が同国での商標保護を得る唯一のルートです。
貴国の法域における商標出願の要件は、どのようなものでしょうか? 出願には、商標の見本(ワードマークではない場合)と、簡単な署名入りの委任状が必要です。公証も法的認証も必要ありません。
貴国の法域で優先権を主張することは可能ですか? 同法はナイジェリア大統領に、関連する条約加盟国を指定する権限を与えていますが、大統領がそのような宣言を行ったことはありません。実務上では、登記所は、商標が国際出願日から6カ月以内に出願されることを条件に、優先権主張を認めています。
貴国の法律はシリーズマークを認めていますか? はい、同法はシリーズマークの登録を認めています。
登録によって付与される期間はどれほどでしょうか? ナイジェリアにおける商標の最初の登録は7年間有効です。その後は、常に14年ごとに更新されます。
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商標法がロシアの商取引に与える影響
商標は企業経営において、重要な検討事項です。ロシア法はビジネスの利便性を高め、必要に応じてビジネスの権利を行使するために、商標のあらゆる側面を網羅しています。登録要件が簡潔であるため、ひとたび商品の流入と販売の道が開かれれば、ビジネスの保護はおのずと前面に表れてきます。
商標はビジネスを競争から守るものですが、ある製品に多大な需要があり、消費者を確保しやすい状態であれば、権利侵害が浮上してくる可能性があります。商標登録された商品は、テレビに登場することもあれば、インターネットにはさらに頻繁に登場します。これは、ビジネスを発展させる上では良いことですが、商標権者の陰に潜む侵害者にとっても、同様に魅力的なことなのです。
さまざまな性質の商標事件が、知的財産権(IP)紛争を審理するロシアの85カ所の商事裁判所で審理されており、その数は毎年約1万5000件にのぼります。最近は、私人による商標登録を認める法律が成立したことから、通常裁判所も商標事件の検討に関与することになりました。
パートナー
Gorodissky & Partners
モスクワ
Eメール: BiriulinV@gorodissky.com
ロシアはコモン・ロー国ではなく、商標紛争は多くの影響や含みを持つことが多いため、特定のケースについて、特定の法律の規定から逸脱することがなくても、裁判所によって異なる見方がなされることがあり得ます。
時として、最高裁判所は、さまざまな商事裁判所が審理した事件を再検討します。その際には、多くの事件を分析した上で結論を出す、いわゆる決議を発表し、それを指針として下位の裁判所が事件を審理し、異なる状況でも統一的な判断が確保できるようにしています。
そのような重要な政令のひとつが、2019年に発出されました。それは、ビジネス活動中に起こり得るさまざまな状況を説明し、関連するガイドラインを示したものです。例えば、民法のいくつかの規定を吟味した上で、特許庁に登録申請された呼称はまだ商標になってはいないので、登録前に誰かがその呼称を使用しても、商標の侵害とはみなされないと説明されています。
出願日は、商標の有効期間を算定する際に使われるものにすぎません。しかしこれは、他者が使用している呼称を横取りしようとする商標権侵害者に青信号を出すことになります。このようなケースは司法実務においても知られており、判決で議論されたことがあります。
不使用を理由に、企業が商標の取り消しを求める場合もあります。最高裁は、そのような不使用には正当な理由があり得るので、弁解可能な期間は、不使用期間に算入すべきではないと明言しました。
商標の譲渡の場合にも、同様の状況が起こり得ます。その場合は、商標の現所有者に対して不使用訴訟が提起されることがあります。譲渡登録前の期間は、考慮されません。
2023年11月に、最高裁による最新のレビューが発表されました。最高裁は、議論を呼んでいる新しい事件を吟味するとともに、以前の判決で取り上げた過去の事件の一部について、引き続き説明しました。不使用に関連する事件の審理に統一的なアプローチを確保するため、裁判所は、商標の不使用それ自体は権利の濫用を意味しないと裁定しました。
その際、裁判所は、商標権者が自身の商標を使用していないにもかかわらず、その商標の侵害者を訴えた特定の事例(事件番号 А65-11453/2021)から説明を進めました。侵害者は、所有者はその商標を使用しておらず、したがって自身の権利を濫用していることになるとの主張を試みたのです。裁判所は当然、訴えを棄却しました。
また、営業権使用者のビジネスを妨害することのみを目的として商標権を取得し、不当な補償金を請求したという事件もありました(事件番号 40-59474/2020)。裁判所は、提訴前のすべてを慎重に検討し、商標権者には商標を使用する意思がなかったと結論づけました。さらに、その商標権者は多くの商標を保有していましたが、それらを使用した証拠がないことが判明したのです。請求は棄却されました。
権利の濫用は、法律の世界では珍しいことではありません。同一の商標権者による行為が、ある場合には権利の濫用とみなされ、別の場合には適法とみなされることがあります。ある事例では、商標登録に対して個人起業家が提起した不服申立を、特許庁が認めました。商標権者は、起業家が権利を濫用したと主張して、特許庁の決定を取り消すよう裁判所に求めました。
公聴会で明らかになったのは、別のケースではその起業家が権利を濫用した事実があったが、今回のケースではそうではなかったということでした。裁判所は、ある事件での不当な行動が、他のすべての事件でその者の評判を傷つけるべきではないと結論づけたのです。
ライセンス付与は、知的財産を処分する一般的な方法です。2022年のデータによると、商標ライセンス契約は約1万3000件あり、このような契約の履行中に、議論を呼ぶ状況が多数生じるのは当然です。最高裁は、具体的な状況における商標権者の行動をどのように評価すべきかについて、指針を示しています。
ある起業家が商標を登録し、その商標と紛らわしい呼称を使用した企業を訴えた事件があります。この事件は単純なものに見え、起業家の訴えは認められました。
控訴裁判所がその背景を調査した結果、商標権者は他者への賠償請求のみを目的として、この商標登録を行ったことが判明しました。商標権者は、その商標を商品に使用することも、そのような使用の準備をすることもしていなかったのです。こうして彼の行為は不当であるとみなされ、補償金は支払われませんでした。
IP裁判所は、論争の的となった事態を解決する場所であるのみならず、常に司法実務を分析しているサイエンス・カウンシルをも備えています。サイエンス・カウンシルは、知的財産権の行使がどのように扱われるべきかについて、他の裁判所に助言的な指針を提供しています。
第一審では、権利侵害は各地域の商事裁判所で取り扱われます。判決が上訴された場合、その上訴はIP裁判所によって審理され、必要であればIP裁判所が控訴裁判所としての役割で、その再審理を行います。実際に、IP裁判所は、下位の商事裁判所では正しく解決できなかった最も複雑な事件を審理しています。
例えば、商標権者は裁判所に対し、その商標の今後の使用の全面的禁止を求めたい、という衝動に駆られることがあるでしょう。サイエンス・カウンシルは、侵害が確認された特定の商標と、その商標が表示された特定の商品を提示しての請求であれば、そのような請求は裁判所で解決できる可能性があると説明しています。その請求が類似品の使用禁止を求めるものである場合は、それは抽象的な性質のものであるため、禁止を課すことはできません。
オンライン取引でも、同様の状況が起こり得ます。商標権者は、自分の商標が表示された偽造品の販売を禁止するよう裁判所に求めることはできないのです。これは抽象的な主張だからです。ただし、被申立人は、侵害が確認された商品を販売対象から除外するよう、裁判所に命じられる可能性があります。
具体的な商品やサービスの表示を伴わない呼称の使用禁止を求める請求は、実際に存在します。裁判所がそのような請求を抽象的なものとみなした場合、裁判所は原告に請求の範囲の訂正を求め、当事者らには特定のケースにおいて重要となり得る他の事情の立証を求めることがあります。
司法実務は生命体のようなものであり、すべての裁判所の日々の審判によって育まれていきます。審判に対する控訴は、法律の理解と適用をさらに発展させる役割を果たします。最高裁判所、IP裁判所、時には憲法裁判所といった機関は、裁判所で起きていることを注意深く観察し、裁判所による法律の適用に関する情報を収集し、そして法律が均一に適用されることを確保するために、規則を策定します。
地方裁判所が商標権侵害事件を審理する場合には、通常の方法で法律に依拠しつつ、特定の状況における自らの結論を裏付けるために、最高裁判所またはIP裁判所の判決や裁定を参照することができます。
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台湾の特許と商標の数字が成長
2023年、台湾知的財産局(TIPO)は7万2607件の特許出願を受理しました。この数字は前年比1%増です。これらの出願件数のうち、発明(5万854件)は1%増で、11年ぶりの高水準となりました。しかし、実用新案特許出願(1万4466件)は1%減少し、その一方で意匠特許(7287件)が2%増加しました。商標出願は9万1535件で、3%の減少を示しました。
審査効率に関しては、ファーストアクションまでの平均係属期間は発明特許出願で8.9カ月、商標出願で6.2カ月でした。
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居住者による発明と意匠出願が増加した一方で、実用新案出願は減少 2023年の台湾を拠点とする出願人のうち、発明特許出願(1万9634件)が1%増加しました。これは主に企業からの出願が4%増加したためです。しかし、実用新案出願(1万3309件)は3%減少し、2022年から23年にかけて、この分野が縮小したことを印象づけました。意匠出願(3437件)は、主に教育機関と個人からの出願の急増によって、6年ぶりにプラス傾向(1%増)を示しました。
非居住者による発明特許出願が過去最高を記録し、実用新案と意匠の出願も増加 非居住者からの発明特許出願は3万1220件(1%増)と過去最高を記録し、実用新案(1157件)と意匠(3850件)の出願は、それぞれ17%増、3%増でした。
出願人の国籍別では、日本が2023年の特許出願件数全体を1万3504件とし、首位の座を維持しています。以下、米国(7647件)、中国本土(5002件)、韓国(3299件)、ドイツ(1198件)と続き、中国本土と韓国がそれぞれの過去最高を記録しました。
韓国は上位5カ国・地域の中で最も速い成長率19%を記録し、中国本土も13%という急成長を遂げました。米国は10%減少、ドイツは4%減少しています。日本は発明特許と意匠特許の出願件数でもトップであり、中国本土は実用新案の出願件数で他国を上回りました。
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商標出願はコロナ禍以前のレベルまで減少 商標出願件数は3%減の9万1535件(11万4680類にわたり、6%減)となり、2019年のパンデミック発生前のレベルに戻りました。特筆すべきは、居住者(7万1960件)と非居住者(1万9575件)の申請件数がそれぞれ3%と4%減少したことです。
商標出願件数の上位5カ国・地域では、中国本土(4822件)がトップで、米国(3007件)と日本(2899件)が続いています。中国本土による出願は12%増加し、米国と日本からの出願はそれぞれ16%と18%減少しました。
Uni-Presidentが台湾居住の商標出願人として4年連続1位、非居住者ではTencent Holdingsが1位 4年連続で、Uni-Presidentが台湾居住の商標出願人のトップでした。同社の2023年の出願件数は583件であり、Taishin International Bank(454件)とChe Tai International(163件)がそれに続きました。非居住者からの出願では、ケイマン諸島のTencent Holdingsが118件でトップに躍り出ており、アラブ首長国連邦のInternational Foodstuffs(93件)、フランスのL’Oreal(90件)が続いています。
居住者による商標出願では、第35類(広告、経営管理、小売サービス)が1万4477件でトップ、続いて第43類(食事と一時的宿泊提供サービス:7187件)、第30類(コーヒー、紅茶、ペストリー:6390件)となっています。第43類と第25類(被服、履物、頭飾品:2896件)の出願件数が安定している以外は、上位10類の出願件数がいずれも2.4%から12.6%の減少となりました。
非居住者商標出願のうち、第9類(コンピュータおよびテクノロジー)が、3910件で首位でした。第30類(コーヒー、紅茶、ペストリー:1116件、6.7%増)を除き、上位10類の申請件数はすべて2.1%から23.5%減少しました。
発明特許出願の係属期間は安定し、産業ポートフォリオの構築に貢献 TIPOは、検査の質と効率を最適化するために全力で取り組みました。その結果、2023年の発明特許出願のファーストアクションまでの平均待ち期間は8.9カ月でした。商標出願については、8年来の商標出願急増に加え、担当人員が限られていることから、ファーストアクションまでの平均待ち時間は1カ月増加して6.2カ月となりました。しかし、2023年には商標出願全体の98.37%にあたる9万43件が処理されました。
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特許出願トップ100
TIPOの2023年の統計によると、TSMCは1956件の出願を行い、8年連続で国内特許出願人のトップの座を維持しました。外国人出願人では、韓国のSamsung Electronicsが978件で初めて首位に躍り出ています。TSMCとSamsungの両社は、自社の出願件数でそれぞれ過去最高を記録しました。特許付与全体を見ると、国内出願ではTSMCが1040件で先頭に立ち、外国人出願では米国を拠点とするApplied Materialsが591件で最多でした。
TSMC、国内からの特許出願全体の件数と発明特許出願件数で8年連続トップ 2023年の国内特許出願件数は、TSMCが1956件(28%増)で首位に立ちました。国内出願人トップ10のうち、Mediatek(2位、544件)と Nanya Tech(5位、373件)が各社の過去最多を記録しています。さらに、Inventec(6位、330件、14%増)とDelta Electronics(10位、270件、32%増)は、それぞれ過去10年、過去15年で最多の出願件数を記録しました。
2023年の国内特許出願件数トップ100社による出願件数は1万2922件(1%増)となり、7年連続で増加しています。発明特許出願件数(9982件)は4%増加し、これは主として企業や研究機関に牽引されたものです。業種別実用新案出願件数は1%増加したものの、実用新案(2273件)と意匠特許(667件)の出願件数はそれぞれ6%と16%減少しました。これは主に、教育機関や研究機関からの応募が減少したためです。
Taiwan Cooperative Bank、特許出願件数全体と発明特許出願件数の両方で首位に 2023年の国内特許出願件数トップ100には、6行の銀行が入っています。国内銀行として過去最高の223件の出願を行ったTaiwan Cooperative Bankは、2年連続で特許出願件数のトップに立ち、銀行発明特許出願件数(35件)でも首位を確保しました。僅差で続いたのは、MEGA International Commercial Bank(195件)とCTBC Bank(144件)でした。
教育機関からの出願では、台北城市科技大学が特許出願数全体で首位に立ち、国立成功大学は発明特許の出願において最も活発でした。2023年の国内出願人による特許出願全体のトップ100には、24校がランクインしました。台北城市科技大学は、140件の出願を行い、4年連続で1位になっています。一方、発明特許出願件数の教育機関ランキングでは、国立成功大学(114件)が1位を獲得し、国立清華大学(98件)、国立陽明交通大学(91件)がそれに続きました。注目すべきは、88件で4位にランクインした国立勤益科技大学が、技術系大学のリーダーとして頭角を現したことです。
工業技術研究院は、特許出願件数全体の首位を23年連続で維持しました。2023年の国内出願人による特許出願全体のトップ100には、3カ所の研究センターも入っています。工業技術研究院は、出願数315件で、総合ランキング8位となり、23年連続で研究機関のトップの座を維持しています。金属工業研究発展中心(101件)と台湾紡織産業総合研究所(42件)が僅差で続き、それぞれ(総合ランキングでは)34位と90位でした。
Samsung Electronicsが外国人特許出願人の中で初めて首位を獲得 Samsung Electronicsは2023年に978件の特許出願を行い、初めて外国人出願人の出願件数首位の座につきました。これに続いたのは、米国のApplied Materials(779件)とQualcomm (639件)でした。外国人出願件数トップ10の中では、Samsung、日本の東京エレクトロン(4位、555件)、韓国のCoupang(6位、454件)、オランダのASML(7位、309件)、米国のLam Research(10位、264件)が、いずれも自社過去最高の出願件数を記録しています。
2023年の外国人出願人による特許出願件数は、トップ100社合計で1万4910件(2%増)であり、これは主として発明(1万3350件、2%増)、実用新案(185件、2%増)、意匠(1375件、5%増)の増加によって牽引されたものでした。
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