日本企業のためのバングラデシュにおける投資戦略

    By Asif Hasan • Maliha Zami/Tanjib Alam and Associates
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    バングラデシュは、急速に拡大する経済、戦略的な地理的位置、競争力のある労働コスト、海外直接投資(FDI)を促進する政府の取り組みにより、世界中の多様な産業にとって魅力的な投資先となっています。バングラデシュの急成長する消費市場、インフラ開発への取り組み、外国投資家に幅広いインセンティブを提供する経済特区は、明らかに日本企業が同国に投資する際の推進要因となっています。

    日本企業がバングラデシュに投資する際、留意すべき法的および規制上の主な考慮事項には、どのようなものがあるでしょうか?

    バングラデシュは原則として無差別原則を支持し、ほとんどの分野で100%の外国資本の所有を認めています。ただし、2022年国家産業政策では、原子力エネルギー、鉄道信号、証券印刷および造幣、武器および弾薬、保護林内の森林プランテーションなど、特定の産業を制限および/または管理しています。

    Asif Hasan, Tanjib Alam and Associates
    Asif Hasan
    バリスター、アドボケイト
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    1980年外国人民間投資(促進及び保護)法は、公共目的のための補償的使用を除いて、公平な待遇と収用からの保護を保証することで海外投資を保護することを目的としています。さらに1999年の日本・バングラデシュ投資協定(BIT)も、(海外投資保護の政策を)支える役割を果たしています。

    バングラデシュは、外国投資家に対して、ジョイント・ベンチャーまたは完全所有子会社の設立を許可しています。商業登記所(RJSC)から商号の承認を取得し、1994年会社法を遵守することが設立手続きの前提条件です。

    そのほか、日本企業がバングラデシュに投資する際、考慮すべき主な法規制上の事項は以下の通りです。

      1. バングラデシュでのFDIプロジェクトの許可の取得が必要であること、
      2. バングラデシュ投資開発庁(BIDA)から外国人駐在員の就労許可を取得すること、
      3. バングラデシュ中央銀行が随時定める利益送金に関する規制、
      4. バングラデシュの税法、
      5. 2006年バングラデシュ労働法および2015年バングラデシュ労働規則を考慮すること、
      6. 国家歳入庁(NBR)はじめ複数の当局が、特に海外投資企業向けに提供する各種インセンティブ。

    さらに、特定の産業分野においては、環境関連法、銀行および金融関連法、バングラデシュ証券取引委員会に関連する法律が重要になる可能性があります。

    バングラデシュの現在の投資環境および経済政策は、同国への事業拡大または投資を目指す日本企業に、どのような影響を与えるでしょうか?

    バングラデシュは、貿易上の利点、経済成長、戦略的な二国間関係に支えられ、日本企業にとって好ましい投資環境を提供しています。2022年には、日本はバングラデシュに向けて、主に産業、エネルギー、インフラ分野で3億9000万米ドルのFDIを行いました。バングラデシュのさまざまな地域では、バングラデシュ経済特区(BSEZ)が設けられ、日本の投資を引き付けるために多くのインセンティブを提供しています。

    Maliha Zami, Tanjib Alam and Associates
    Maliha Zami
    リサーチ・アソシエイト
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    バングラデシュへのFDIを促進するため、日本企業による投資にも適用されるものとして、政府はBIDAなどのさまざまな執行機関と共に、FDIに好ましい環境をつくり出すための措置を講じています。例えばBIDAでは、FDIのいくつかの手続きを迅速化するためのワンストップサービス部門を設立しました。

    さらに、バングラデシュでは以下が認められています。100%の外国資本、ロイヤルティの送金、技術ノウハウおよび技術支援料の本国送金、撤退時の配当金および資本の本国送金、7万5000米ドルの投資に対する永住権の許可、幅広い税制上の優遇措置などです。

    したがって、いくつかの課題があるものの、バングラデシュは特に日本の外国投資家にとって機会の宝庫と見なすことができます。さらに、バングラデシュは海外投資を促進するために税の免除という形で、さまざまなインセンティブを提供しています。

    日本企業がバングラデシュ市場に参入する際、最も適した投資形態はどういうものでしょう?

    バングラデシュ市場に参入を希望する日本企業にとって最適な投資形態は、官民パートナーシップ(PPP)、ジョイント・ベンチャー(JV)、完全所有子会社が挙げられますが、それぞれ異なるビジネス要件が必要になります。

    日本企業が運営、戦略、ブランディングを完全にコントロールしたいのであれば、多くの場合、完全所有子会社が最適な選択肢となるでしょう。

    特に保険、通信、医薬品などの規制対象分野において、現地の知識と市場ネットワークを活用したいと考える企業にとっては、ジョイント・ベンチャーが有効な選択肢となり得るでしょう。バングラデシュのパートナーとのジョイント・ベンチャーは、市場参入を円滑にし、規制上の障害を克服し、既存の流通ネットワークへのアクセスを提供することができます。

    PPPは、エネルギー、運輸、産業分野などの大規模インフラ・プロジェクトにおいて、税制優遇措置、土地の供与、関税免除などの魅力的なインセンティブを提供します。産業成長を促進するPPPモデルの利点は、バングラデシュ経済特区(BSEZ)が最もよく示しています。この取り組みは2014年9月、バングラデシュと日本の政府の間で、経済特区の開発が共同声明として発表されたことが重要なマイルストーンとなり、始まったものです。

    バングラデシュに投資する日本企業は、税務上どのような影響を受けるでしょうか? また、これらの企業はどのように税務戦略を最適化できるでしょうか?

    BIDAに登録された日本のプロジェクトは、以下のようないくつかの税制上の財政的インセンティブを利用することができます。

    輸入関税の免除:輸出志向型産業向けの資本機械および予備部品に対して1%の輸入関税免除が適用され、機械の価値の10%を限度として、予備部品を2年ごとに無税で輸入することが許可されています。他の産業向けの資本機械および予備部品には、3%の輸入関税免除が適用されます。さらに、輸入された資本機械および予備部品には、VAT(付加価値税)は適用されません。

    加速減価償却:新設の工業事業は、工場建物および機械/設備に対する税控除の代わりに、加速減価償却の恩恵を受けることができます。減価償却率は、初年度が50%、2年目が30%、3年目が20%です。機械およびプラントに対する初期減価償却の特別控除も利用可能です。

    その他の税控除:特定の条件下での外国ローンに対する利息、ロイヤルティ、フランチャイズ料、外国法人に支払われる技術ライセンス/ノウハウ/支援費用、2023年所得税法で指定された産業に雇用される外国技術者の個人所得税については、最長3年間、控除が利用可能です。

    経済特区(EZ)または輸出加工区(EPZ)に所在する企業は、税控除を含む他の一連のインセンティブを受ける対象となります。

    個人にとっても企業にとっても、バングラデシュで税務上の成果を最適化するための主要な戦略は、税法の規定を十分に把握することです。企業にとって税務上の成果を最適化する方法の一つは企業再編であり、それには、専門知識を持ち、熟練し、経験豊富な法律コンサルタントと協議することが必要になるでしょう。そのため、個人にとっても企業にとっても、熟練した経験豊富な税務専門家を起用することが賢明でしょう。

    日本企業がバングラデシュに投資する際に直面する課題とリスクにはどのようなものがあるでしょうか? また、それらを軽減するために法的にどのような対策をとるべきでしょうか?

    バングラデシュに投資する日本企業は、法制度の非効率性、行政上の障害、政治的不安定性など、いくつかの課題に直面します。日本貿易振興機構(JETRO)の調査では、77.1%の日本企業が法制度の非効率性を、74.7%が行政上の課題を挙げていることが浮き彫りになりました。さらに、71%の日本企業が為替レートの不安定さや原材料の現地調達の困難さなどの問題を指摘しています。

    ビジネスを行う上での主要な課題には、非効率的な司法制度に起因するさまざまな障害が挙げられます。具体的には、バングラデシュの紛争解決メカニズムは明らかに非常に時間がかかり、契約の履行が困難になるため、時に外国投資家がバングラデシュへの投資を躊躇してしまう原因になっています。しかし、バングラデシュの人口の規模や密度を考慮すると、ビジネスの可能性は無限大です。

    課題やリスクを軽減するために、日本企業は、専門性に優れ経験豊富な法律顧問、税務顧問、財務アドバイザーを起用し、また、外国投資家に頻繁にリソースとサポートを提供しているBIDAに相談することが推奨されます。

    さらに、バングラデシュでは利便性の高いビジネス環境を提供することで、さらなる外国投資を促進するいくつかの取り組みを実施してきました。その取り組みには、企業が電力供給、営業許可、納税者識別番号(TIN)、土地登記、税関手続き、付加価値税(VAT)登録などの取得に要する時間を短縮することも含まれます。最新の会社法の改正により、ビジネスをより円滑に進められるようになりました。

    時間のかかる訴訟を回避するため、企業は裁判外紛争解決手続きを採用する方向に迅速にシフトしています。これらの取り組みにより、海外直接投資の主要な投資先としてのバングラデシュの評価は、これからも高まり続けていくことでしょう。

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