中国、香港、インド、台湾における贈収賄関連法・執行・企業コンプライアンスの強化に焦点を当て、地域別に概観します。
2025年の中国企業における不正防止・賄賂防止の動向
2025年、中国企業の不正防止と賄賂防止の取り組みは、「能動的ガバナンスの高度化と全段階での予防・管理の深化」を特徴とする重要な段階に入りました。厳格な規制当局の監督と市場圧力という二重の要因により、国有企業(SOE)、民間企業、インターネット・プラットフォームなどのさまざまな市場主体が、不正防止システムの構築を加速させました。
企業は、サプライチェーン、調達、資本運用といった高リスク領域に焦点を当て、的確な措置を実施しました。企業間における共同懲戒メカニズムが徐々に形成され、企業の誠実性とコンプライアンスの水準は顕著に向上しました。
中国のガバナンスと予防:不正防止戦略
2025年、規制の強化、法整備の改善、資本市場におけるESG(環境、社会、ガバナンス)への関心の高まりの中で、企業の汚職防止対策は単なる内部統制の問題から、事業の存続と発展にとって不可欠な、中核となる信頼性の問題へと進化しました。
不正防止の取り組みは、体系的ガバナンスと精度の高い予防という新たな段階に入りました。すなわち、法執行はより多くの民間企業やサプライチェーンの末端へと拡大し、個人責任の追及と司法への付託が標準的な慣行となりました。ガバナンスは、従来の調達や販売にとどまらず、研究開発、トラフィック運用、資本取引、海外事業へ広がりました。さらに制度構築は、事後監査から「制度+テクノロジー」の二重駆動モデルによる事前予防へと移行し、「汚職を抑止し、制限し、排除する」ための長期的なメカニズムの確立を目指しました。
中国の各業界における的を絞ったガバナンス:サプライチェーン、医薬品

パートナー
Jingtian & Gongcheng
深圳
Tel: +86 755 2155 7009 / +86 136 32785318
Email: liu.ping@jingtian.com
2025年、不正防止と賄賂防止の取り組みは、権限が集中し資本集約的な中核業務領域に焦点を置いて、業界ごとの的を絞ったガバナンスが具体的な成果をもたらしました。
サプライチェーンと調達:民間企業における汚職防止の中核。製造業、小売業、その他の業界の企業は、調達におけるレントシーキングやサプライヤーの商業賄賂を取り締まり、サプライヤー・インテグリティ規程やブラックリストを通じて全段階での統制を実施しました。
例えば、あるスポーツアパレル・フットウェアのグループは、インテグリティ条項に違反していることが判明した不正なサプライヤーおよびパートナー45社を調査し、今後一切の取引を行わない10社リストを初めて公表しました。
大手製造業者は、調達や品質管理といった高リスクな職務に対して、義務的なローテーションや利益相反の申告制度を実施し、手続きの改善を通じて、長年にわたる癒着による利益移転の連鎖を断ち切りました。これは、民間部門の汚職防止が、社内調査からサプライチェーン・エコシステムの協働的ガバナンスへと進んでいることを示しています。
インターネット業界:トラフィックおよび資本運用における汚職防止に注力。トラフィック競争、広告出稿、資本運用におけるレントシーキングのリスクに対処するため、主要なインターネット・プラットフォームは、デジタル監査やインテリジェントなリスク統制能力を強化しました。
典型的な事例では、インターネット企業における汚職は利益を損なうだけでなく、資本市場に衝撃を与えることを示しました。ある主要インターネット・プラットフォームは汚職スキャンダルにより一日で時価総額が20億米ドル下落、資本市場の信認を維持する上でコンプライアンスが果たす重要な役割が浮き彫りになりました。
金融業界:マネー・ロンダリング対策における新たな課題。デジタル金融が進展するにつれて、マネー・ロンダリングの手口はますます高度化・秘匿化し、マネー・ロンダリング対策に大きな課題が突きつけられました。こうした状況を受け、規制がさらに強化されました。2025年1月1日に新たなマネー・ロンダリング防止法が施行されたのに続き、支援措置が順次導入され、金融機関の一次的責任がいっそう強化されました。
医薬品業界:商業賄賂に対する厳格な圧力の持続。継続的な汚職防止対策の深化を背景に、2025年も医薬品業界における商業賄賂に対する法執行は、頻繁かつ的を絞った形で実施されました。
この業界の汚職防止の取り組みには2つの主要な特徴がありました。第一に、広範に及ぶ監督で、従来の販売段階にとどまらず、研究開発協力、臨床試験、学術プロモーションなどの全段階にまで及んだことです。第二に、贈賄と収賄の双方を同時に捜査したことです。また、贈賄を行った医薬品企業とその代理人に対しては、入札プラットフォームからの製品掲載の取り消しや、信用不良リストへの掲載など、より厳しい罰則が科され、コンプライアンス違反のコストが大幅に引き上げられました。
SOE:「企業からの不当利益」に対する踏み込んだガバナンス。SOEの幹部や要職者を対象に、関連当事者取引や利益移転を厳格に調査しました。2025年のガバナンスは、徹底した調査、損失回収、長期的な抑止力が重視されました。
例えば、中国の石油会社の元副総経理であるYuan氏は、退職後も旧職による影響力を利用して賄賂を受け取ったとして起訴され、「退職は安全地帯ではない」ことが改めて示されました。各級の規律検査・監督当局は、投資意思決定、財産権取引、資材調達といった主要プロセスに汚職防止要件を組み込むようSOEを促し、汚職の根本的な原因の根絶を目指しました。
AIとテクノロジーの活用:中国の不正防止措置
テクノロジーは2025年の不正防止対策において相反する役割を果たしました。不正な手口の高度化を促す一方で、リスク管理システム開発の中核的な推進力にもなりました。
AIによる不正の進化の加速:詐欺行為者は、生成AIを用いて真偽の見分けがつかない偽の請求書、契約書、監査報告書を作成するようになり、ディープフェイク技術を用いて役員の声や画像を模倣し、不正な資金移転の承認を取り付け、また、異常な取引の形跡を覆い隠すために、AIを活用して大量の「正常な」行動データを生成するようになりました。
AIによるリスク統制の強化:主要企業は、テクノロジーをもってテクノロジーに対抗する形で、インテリジェントなリスク監視モデルを構築して対応しました。機械学習やグラフ計算を適用して動的なナレッジグラフを構築することにより、関連当事者取引や談合入札といった潜在的な不正ネットワークを自動的に特定できるようになり、リスクの早期警戒の精度と適時性が大幅に向上しました。ある主要企業は、生成AIを活用して異常な取引パターンのリアルタイム監視を実現し、汚職リスク検知の効率を効果的に向上させました。
中国のグローバルな不正防止・賄賂防止に関する連携
中国企業のグローバル化が進み、国際的な規制環境が集約されるのに伴い、2025年は、中国企業における不正防止、賄賂防止の課題と対抗策が明確に「国際化」の特性を示し、国際協力の重要性が高まりました。
国際的なコンプライアンス基準との整合:「海外展開」を進める中国企業は国際的な顧客、投資家、資本市場の期待に応えるため、国際的に認知されたコンプライアンス基準を採用し、国際機関による監査を受けるケースが増えています。これにより、企業は汚職防止の方針、プロセス、研修、文化の構築を世界水準に引き上げることが求められます。
グローバルな不正リスクへの対応:オフショア会社、仮想通貨、複雑な貿易構造を通じた国境を越える利益の移転やマネー・ロンダリングに対処するため、主要な中国企業は国際的な不正防止団体に加入し、高リスクの第三者に関する情報を共有し、グローバルな同業他社からベストプラクティスを学んでいます。これらはグローバルなリスク管理能力を高めるための重要なアプローチとなっています。
国境を越える調査と法執行協力の常態化:中国企業の海外支店やサプライヤーが関与する不正調査は、しばしば複数の法域にまたがります。企業は、各地の弁護士、会計士、調査チームを連携させ、現地のデータプライバシー法や労働法に従ってコンプライアンスに沿った調査を実施し、現地の法執行機関との必要なコミュニケーションを維持する必要があります。汚職防止の法執行における中国と一部の国との二国間協力メカニズムも、ますます顕著な役割を果たしています。
結論
2025年は、中国企業における不正防止、賄賂防止の取り組みが成熟する上で極めて重要な年となりました。これらの取り組みは、キャンペーン式の取り締まりから、制度的な制約だけでなくテクノロジーによる高度化も取り込んだ、企業のDNAに組み込まれたガバナンスの理念へと進化しています。企業は差し迫ったリスクに対応しつつ、将来を見据えた「免疫システム」を構築しています。
すべての市場参加者にとって、この変革を能動的に受け入れ、コンプライアンスを中核的な発展の原動力として内在化させることが、不確実性の時代において着実に前進するための最も確実な道です。

Room 1401A, Tower 2, Kerry Centre Qianhai
Qianhai Avenue, Nanshan District
Shenzhen, China
Tel: +86 755 2155 7000
Email: jingtiansz@jingtian.com
www.jingtian.com
香港金融詐欺:共謀、上場規則違反
汚職および贈収賄は長年にわたって香港の法規制環境における中心的な懸念事項であり、市場の健全性と社会的信頼を損なってきました。「詐欺目的の共謀(conspiracy to defraud)」とは、個人が共謀して不正な利益を得るために被害者を欺く行為を指す犯罪であり、より広範な概念を表します。通常は、腐敗した環境において、贈収賄、利益または便宜の受領などの手段を用いて行われます。
今日、詐欺目的の共謀は香港において最も一般的に訴追される犯罪の一つであり、しばしば専門家、仲介者、内部関係者といった人物たちが関与する複雑なネットワークを通じて、これらの者が結託し、制度の悪用や不正の隠蔽が行われます。本稿は、特に保険詐欺および香港証券取引所における証券上場規則(以下、上場規則)違反という金融の観点から詐欺目的の共謀を検証し、共謀がいかに制度的脆弱性を悪用するのかを考察します。
香港における詐欺目的の共謀の理解

コンサルタント
CFN Lawyers
香港
Tel: +852 3468 5526
Email: ricky.chan@cfnlaw.com.hk
香港における詐欺目的の共謀は、犯罪条例(第200章)第159C(6)条に基づくコモン・ロー上の犯罪であり、最高刑は懲役14年です。
その権威ある定義は、香港終審法院(CFA)により2007年「Mo Yuk Ping v HKSAR」事件において示されたものであり、「他の一人もしくは複数の者と不誠実な手段を用いることに合意し、当事者となることにより、(1)他者に経済的損失を生じさせ、または他者の経済的利益を危険にさらすことを目的とすること、もしくは、(2)その手段の使用がそのような損失を生じさせ、またはそのような利益を危険にさらし得ることを認識している場合」とされました。あわせて2016年「HKSAR v Cheng Chee-Tock Theodore」事件も参照のこと。
2019年「HKSAR v Chen Keen」事件では、とりわけ合意が成立したと認められる状況、すなわち共謀者が共通の目標または目的を達成するために協調して行動することに合意したことを示すことが、議論の的になりました。共通の詐欺目的について合意がある限り、以下の3点、(1)互いの直接的な意思疎通、(2)同時に合意に達すること、(3)とられるべき具体的な実行手順、が欠如していても、合意の成立を妨げるものではないとされました。
CFAはさらに、不誠実性(dishonesty)の判断基準が2段階の「Ghoshテスト」であることを確認しました。すなわち、(1)良識ある誠実な人々の通常の基準によれば、行われたことが不誠実であったかどうか、(2)被告人自身が、その基準に照らして、自らが合意して行おうとしていたことが不誠実であると認識していたかどうか、についての判断を求めるものです。
香港における保険金詐欺と詐欺目的の共謀
詐欺目的の共謀が行われる最も一般的な手口の一つは、虚偽の保険金請求を行うために結託し、それによって利益を得るというものです。これは特に、香港がアジアの主要な保険ハブであり、2019年は香港の164社の保険会社が5600億香港ドル(約719億米ドル)を超える総保険料を生み出していることから顕著です。他方でそれは、脆弱性をも露呈させます。というのは、代理人の広範なネットワークおよび歩合制に基づく構造が、濫用や詐欺の機会を生み出しているからです。
最近の複数の事例において、当局はこれらの問題の規模を明らかにしています。

カウンセル
Courtyard Chambers
香港
Tel: +852 2530 1383
Email: chk@courtyardchambers.com
(1)2025年「HKSAR v Wong Fung Yi and Another」事件では、地区マネージャーと配下の代理人3名が共謀して、32件の虚偽の保険契約申込を提出して保険会社を欺き、コミッションおよびボーナスとして140万香港ドルを超える金額の支払いを受けました。
(2)2025年「HKSAR v Lo Yin Wah and Ors」事件では、保険会社の支店長がダミーの代理人を用いて478件の保険契約の取り扱いを虚偽に申請し、その結果、5200万香港ドルの不正な支払いが行われました。
(3)同じように2024年「HKSAR v Li Chung Hing and Another」事件では、3名の代理人が取り扱い代理人と共謀して、契約者の給与を水増しして多額のコミッションを得ました。
(4)2024年「HKSAR v Wong Ka Keung and Ors」事件では、保険代理人が、重大疾病保障付きの保険契約6件を自ら締結し、他者と共謀して、実際の重篤な疾病患者に被告(代理人本人)になりすまさせる手配を行い、保険会社に総額1128万香港ドルの保険金を支払わせたことにより、他の被告らと共に有罪判決を受けました。この点に関して、一般市民は何らかの見返りを提示して勧誘する保険関係者に対して、特段の注意を払うべきでしょう。
これらのリスクを認識し、廉政公署(ICAC)は保険業界と協力して「保険会社向け汚職防止ガイド(Corruption Prevention Guide for Insurance Companies)」を発行しました。同ガイドは、虚偽書類の使用、請求の偽造、贈賄を目的にした業務の横流しなどの一般的な不正行為を特定した上で、倫理文化、コーポレート・ガバナンス、内部統制の重要性を強調し、主要な業務全体にわたる保護策を提示しています。
結局のところ、不正な保険金請求は、保険代理人、医療従事者、公務員への贈賄によって助長されることがあります。組織内の腐敗は、監視機能を弱体化させることで詐欺をさらに助長し、内部関係者のネットワークによる記録の改ざん、支払額の水増し、さらには調査(捜査)のもみ消しさえも可能にします。
香港における上場規則違反と詐欺目的の共謀

アソシエイト
CFN Lawyers
香港
Tel: +852 3468 7722
Email: sherie.fung@cfnlaw.com.hk
詐欺目的の共謀の罪として刑事責任を生じさせ得るもう一つの側面が、上場規則の不遵守です。その範囲は、上場発行体、取締役、最高財務責任者(CFO)、コンプライアンス責任者、証券先物委員会(SFC)認可の募集代理人、専門仲介者にまで及びます。多くの場合、利益相反が生じ、汚職に手を染めた職員が詐欺の実行や隠蔽を容易にする腐敗した環境において、共謀もまた横行します。
最近の事件、2025年「HKSAR v Mak Kwong Yiu & Others」において、香港終審法院(CFA)は、当時上場していたConvoy Financial Holdings Limited(CFHL)の上級幹部を含む4名について、仲介役となる「フロント会社」を悪用して関連当事者取引を意図的に隠蔽したことから生じた詐欺目的の共謀に対する刑事有罪判決を、全会一致で回復させました。なお、ICACによる本件の捜査は、賄賂防止条例および証券先物条例違反を申し立てる2017年の通報により、初めて着手されました。
CFHLは融資事業拡大戦略の一環として、社債のプレースメント(募集・販売)を行っていました。香港の資本投資参入者スキームの下、CFHLは香港での居住権を求める中国内地の投資家をターゲットにしました。これらの投資家は「1019コンサルタントの顧客」と呼ばれ、会社の債券を引き受けるためにCFHLから直接資金を借り入れました。このような仕組みを作り上げることで、CFHLは自ら融資した貸付金と自ら受け入れた社債との金利差で利益を得ていました。
CFAは要旨として、次の通り判示しました。(1)直接の契約上のつながりがなくても、取引は上場規則第14A章25条の下で関連関係者間取引に該当し得る。(2)「形式より実質」の原則が適用され、真の商業目的を欠く「フロント当事者」を用いた場合――それが関連当事者を関与させるためだけに設けられたものであっても――第14A章の義務が適用される。(3)取締役の利益相反を故意に隠蔽し、独立した監督を回避したことは、詐欺目的の共謀の刑事責任を問われる根拠となり得る。
CFAの判決以前にも、上場規則の不遵守に関する同種の事案として、2024年「HKSAR v Yuen Chi-ping & Ors」事件などがありました。本件は、上場会社であるApplied Development Holdings Limited(ADH)が、D2が主要株主であったOn Tai International Credit Limited(OTI)に対して行った融資に関するものでした。ADHのCEOおよび業務執行取締役を務めたD1が、D2との婚姻関係を隠蔽したとされた事件です。さらに、D1がD2およびD3と協力して詐欺的行為を画策したとも申し立てられました。
裁判の結果、彼らは以下の理由により無罪とされました。(1)証拠上、D1がOTIにおけるD3の株式保有に関して、D2とD3との間の名義人の取り決めを認識していたことは立証されなかったこと。(2)事情に照らすと、そのような取り決めには複数の説明が成り立ち得るものであり、それが上場規則の回避を目的とした不正な行為であったと断定することはできなかったこと。(3)詐欺目的の共謀の成立に必要な要件である、すべての被告人間の「合意(agreement)」や「不誠実性(dishonesty)」を示す証拠が存在しなかったこと。
さらに別の事例では、検察は、被告人らが以下の不誠実行為により、SEHK(香港証券取引所)、上場会社Benefun International Holdings Limited(以下、Benefun)、Benefunの既存株主ならびに潜在的投資家を欺いたと主張しました。(1)Ample Rich Enterprise Limited(以下、Ample Rich)の買収(対価5億香港ドル)が、独立当事者間で実施・成立した取引であると虚偽の表明をしたこと。(2)当該5億香港ドルのうち1億香港ドルが、Benefunの会長および/またはその権限を付与された者に支払われることを隠蔽したこと。(3)当該買収によってBenefunの取締役会構成に変更が生じないと虚偽の表明をしたこと。
さらに、被告人らは以下の行為を行ったとされました。(4)SEHKに対し、Benefunによる買収に関する公告および回覧文書の公表を承認させたこと。(5)Benefunに対し、当該買収に関する合意を承認・確認・追認させたこと。被告人らはそれぞれ、詐欺共謀罪および代理人に対する利益供与共謀の罪で起訴されました(2016年「Secretary for Justice v Lo King Fat & Ors」事件)。この事件は、2つの罪状の相互作用、すなわち、贈収賄と汚職が詐欺共謀で用いられる常套手段であることを示すもう一つの適切な事例です。
結論
詐欺目的の共謀は香港の法執行体制における中核を成しており、虚偽の保険金請求、上場規則に違反する欺瞞的行為、贈収賄や汚職を背景にする犯罪計画など、その態様を問わず、金融市場全体に及ぶ複雑な不正行為に対処し得る適用範囲の広さを示しています。これらの相互に複雑に絡み合う犯罪は、公正な競争を歪めるだけでなく、制度や組織の健全性を損なうものであり、一層の警戒意識の必要性を強く示しています。これまで言及してきたような落とし穴に不注意に陥らないよう、十分な注意を払う必要があります。
結論として、警戒の継続、厳格な執行、透明性のあるガバナンスなどの共同の取り組みこそが、投資家の信頼を維持し、国際的な金融ハブとしての香港の信用と評価を守るために引き続き不可欠です。

27/F, Neich Tower, 128 Gloucester Road
Wanchai, Hong Kong
Tel: +852 2114 2208
Email: cfn@cfnlaw.com.hk
www.cfnlaw.com.hk
インド汚職防止法ガイド:犯罪行為と罰則
1988年汚職防止法(POCA)は、汚職と贈収賄を対象とするインドの主要な法律であり、当時存在していた反汚職の枠組みを強化し、公務員間の汚職を効果的に抑止・摘発するために導入されました。POCAは、より強固なものとするために随時改正され、直近では国連腐敗防止条約への整合を図って改正が行われました。
POCAは公務員に対する贈賄を扱い、不当な利益の要求、受領、受領未遂を対象とするとともに、不正・違法な手段、個人的な影響力によって公務員に影響を与えようとする行為を仲介する者についても、処罰の対象とします。
2018年のPOCA改正は、いかなる者による公務員への賄賂の供与、ならびに営利組織による公務員への贈賄に関して、刑事責任を導入しました。これら追加での強化措置は、あらゆる汚職行為に対してより厳しい規制を確保し、そのような行為について責任を負う者の範囲をさらに広げることを目的として導入されました。
インドのPOCAにおける事業上の贈答、接待、娯楽

エクイティ・パートナー
Shardul Amarchand Mangaldas & Co
デリー
Tel: +91 98 1079 8564
Email: nishant.joshi@amshardul.com
POCAの枠組みは、公務に関連する行為において、公務員だけでなく私人にも適用されます。POCAは、公務を遂行する者がいかなる「不当な利益(undue advantage)」を受領すること、ならびにそのような不当な利益の供与または申出を処罰の対象とすることを意図しています。
不当な利益という用語は、「法的報酬を除く、いかなる態様の供与」と定義され、ここでいう「供与(gratification)」は「金銭的な供与、または金銭で評価可能な供与に限定されない」とされています。一方、「法的報酬」には、「適用される規則に基づき、公務員が受領を認められているすべての報酬」が含まれます。
POCAは主として、公務員が、自身または他の公務員を通じて、公務を不正にまたは不誠実に遂行すること、当該公務を遂行させること、もしくは遂行しないことを意図して、あるいははそのような不正または不誠実な行為に対する報酬として、いかなる者からも不当な利益を取得し、受領し、または取得しようとする行為を処罰することを目的としています。
「取得する(obtains)」「受領する(accepts)」「取得しようとする(attempts to obtain)」という用語は、職務上の地位を濫用すること、他の公務員に対して個人的な影響力を行使すること、もしくはその他の不正・違法な手段を用いることにより、公務員または第三者に利益をもたらす行為を含みます。POCAの下では、その利益が要求されたのか、直接受領されたのか、または仲介する者を通じて受領されたのかは問われません。

パートナー
Shardul Amarchand Mangaldas & Co
デリー
Tel: +91 98 7179 2744
Email: aditya.mukherjee@amshardul.com
公務員に不当な利益を申し出る、または供与するいかなる者も、POCAの下で訴追の対象となり得ます。賄賂供与者が営利組織である場合、または営利組織と関係を有する者である場合には、その営利組織と、当該犯罪に関与した営利組織と関係を有する者の双方が、責任を問われることになります。
営利組織の責任は、当該営利組織(または関係を有する者)が、「事業」または「事業の遂行における利益」を取得または維持する目的で、公務員に対して贈賄を行った場合に成立します。営利組織と関係を有する者とは、営利組織のために、または営利組織を代表してサービスを提供する者または団体を指し、従業員、代理人、子会社を含み得ます。
これとは別に、当該犯罪が、その同意または黙認の下で営利組織によって行われたことが立証できる場合、営利組織の責任者も個人的に責任を問われ得ます。営利組織の責任者には、取締役、役員、または賄賂供与の実行に関与した営利組織の責任者が含まれます。
インドの裁判所は、一貫して、違法行為を実現するために与えられる不当な利益、または適法な行為が不正に行われることを実現するために与えられる不当な利益を、賄賂として扱ってきました。POCAの下での訴追における重要な要素は、不当な利益の「要求」と「受領」の双方を立証することです。
この証拠要件は、違法な賄賂金の所持または回収のみに基づく有罪判決を防ぎ、賄賂供与者と賄賂受領者との間の、禁止される見返り(quid pro quo/公的な便宜または行為と引き換えに利益が与えられる関係)が、説得力のある証拠によって立証されることを担保するものです。
インドのPOCAにおける事業上の贈答、接待、娯楽
POCAは、公務員に対して「事業上の贈答、接待または娯楽」を供与することを認めていない一方で、1964年中央公務職(服務)規則、1968年全インド公務職(服務)規則、ならびに各州独自の各種規則など、公務員に適用される服務規則が制定されています。
これらは、贈答について金額の基準を定め、価値が定められた上限を超える場合には報告を義務付けています。これらの規則に違反した場合、公務員は懲戒処分の対象となり得ます。重要な点として、一定の事実関係においては、豪華な贈答や接待を継続的に受け入れることがPOCAの下での「不当な利益」に該当し得ます。
インドの汚職防止法(POCA):懲役、罰金、汚職に対する処罰

パートナー
Shardul Amarchand Mangaldas & Co
デリー
Tel: +91 98 3393 4572
Email: aditya.malhotra@amsshardul.com
POCAは、このような犯罪への関与を抑止するために、極めて厳格な刑罰を定めています。2018年の改正は、同法に基づくさまざまな犯罪行為について、最低刑期と最高刑期の双方を引き上げました。公務を遂行する者がPOCAの下での責任を問われる場合、最長7年の懲役に処される可能性があり、これに加えて罰金が義務付けられています。
同様に、賄賂の供与に関与する者は、公務員への賄賂供与に関与したとして有罪と認定された営利組織の責任者も含めて、最長7年の懲役に処される可能性があります。関連事項として、POCAには罰金額に関する最低または最高の基準は定められておらず、その額の決定は裁判所の裁量に委ねられています。
興味深いことに、適用範囲を拡大し規定を強化することにより、汚職防止法の効力をより高めるという目的に沿って、POCAは、犯罪の収益または成果物を構成する財産(不当な利益によって取得またはそれに由来する資産を含む)の仮差し押さえを行う権限を認めています。このような仮差し押さえは、賄賂または汚職の収益を構成すると考えられる、またはそこに由来すると考えられる財産に対する一時的な制限措置であり、その隠匿、移転、散逸を防ぐことを意図しています。
仮差し押え命令は、裁判所により、次の場合に発することができます。(1)当該財産が、被告である公務員のものである場合、(2)事実関係により正当化される場合において、当該財産が賄賂供与者または教唆者のものである場合、(3)当該財産が親族または関係者を含む第三者に移転されており、その移転が没収を免れる意図で行われたか、または善意で行われたものではない場合。
このような仮差押え命令は、汚職の収益を構成すると疑われる資産を保全するための措置であり、有罪判決となった場合に没収の対象として可能な状態に保つための措置です。没収の最終命令は、有罪判決に基づいて決定されます。それまでは、仮差押えは暫定的なものにとどまり、裁判所により変更または解除され得ます。
インドのPOCAに基づく汚職の企業責任
企業の刑事責任はインドで長らく認められており、企業の事業に関連して、その業務を支配する者または複数の者によって犯罪が行われた場合、営利組織は訴追の対象として責任を問われてきました。POCA第9条は、この原則を法定上明確にし、関係を有する者によって行われた賄賂行為について、営利組織に責任を負うものとしています。
重要な点として、第9条はまた、関係を有する者が汚職行為に関与することを抑止するための適切な措置が講じられていたことを営利組織が立証することに成功した場合に、当該営利組織に抗弁を認めています。その場合、営利組織は、POCAの下での刑事責任を負いません。このような適切な措置を構成するものが何かについては、公表された規則はありませんが、営利組織はこうした抗弁を利用できるように、強固な反汚職方針を採用する必要があります。
要点
POCAは、汚職や賄賂について広範かつ機能的な概念を採用し、幅広い刑事上の帰結や執行措置を伴う制度を定めています。営利組織はPOCAに基づいて処罰され得ますが、同法は、そのような組織が認められ得る抗弁も想定しています。同様に、営利組織による犯罪に関する個人責任は、その犯罪について積極的に同意・黙認し、かつ当該営利組織を実質的に支配していることが立証される者に限定されます。
同法自体および裁判所は、そのような犯罪に積極的に関与していない営利組織および個人を保護する枠組みの下で、個人および企業の刑事責任を位置付けてきました。その結果、営利組織にとっては、POCAの予防的な制度に自社の事業活動が整合するよう、強固な反汚職方針およびコンプライアンス措置を実施することが不可欠とされています。

Amarchand Towers, 216 Okhla Industrial
Estate, Phase III New Delhi – 110 020, India
Tel: +91 11 4159 0700, 4060 6060
Email: connect@amsshardul.com
www.amsshardul.com
台湾の汚職防止法制度:贈収賄、背任、内部通報者保護
台湾の汚職防止の枠組みは、主として刑法および汚職防止法(ACA)に基づいて構築されています。後者は、特に公的部門の汚職行為に対処するために制定された法律です。商業賄賂は明確に犯罪とは示されていないものの、刑法に基づく背任およびその他の特定の立法規定が、主要な執行メカニズムとして機能しています。
刑法およびACAのいずれも、反汚職違反について法人に対する刑事責任を課してはいません。2025年公益通報者保護法(PIWPA)は、汚職防止および内部通報者の保護についての政府のコミットメントをさらに示しています。
台湾における公務員贈収賄法

パートナー
Lee and Li
台北
Tel: +886 2 2763 8000 (ext. 2155)
Email: garychen@leeandli.com
台湾法の下では、贈賄とは、公務の遂行に影響を与える意図をもって、価値のあるものを提供、供与、嘆願、要求、受領することを指します。伝統的な意味での贈賄に加えて、刑法およびACAにおける注目すべき汚職防止規定として、自分または他人に不法な利益をもたらす行為という罪があり、これは、関係する公務員が職務上の義務に違反したことを要件としません。
公務員の範囲:台湾は、公的機能を遂行する個人が責任を免れることにつながり得るいかなる抜け穴も防ぐため、「公務員」という用語の広範な解釈を採用しています。
刑法およびACAに基づき、「公務員」には以下の者が含まれます。(1)政府機関に勤務する公務員、(2)政府機関に代わって公権力を行使する権限を与えられた者、(3)公務の管理を委託された個人。
この包括的な枠組みは、公的権限を付与されたすべての者が、汚職防止に関する規制および監督の対象となることを担保しています。
公務員と共謀する非公務員の刑事責任:非公務員であっても、贈賄または収賄の実行に際し、公務員を幇助し、教唆し、共謀した者は、刑法およびACAの贈収賄に関する規定に基づき、同様に責任を負い、処罰の対象となります。これにより、公的地位の有無を問わず、贈収賄行為に共同して関与したすべての関係者が、法の下で責任を問われることが担保されます。
刑罰:不法な利益を受け取って職務上の義務に「違反」した公務員は、10年以上の懲役から無期懲役まで、ならびに多額の罰金が科される可能性があります。「職務上の権限の範囲」で行った行為に関して不法な利益を受け取った公務員は、7年以上の懲役および多額の罰金が科される可能性があります。
贈賄者に関しても、犯行の重大性に応じて懲役および罰金が科されます。自己または他者に不法な利益をもたらした公務員は、5年以上の懲役に加え、3000万台湾ドル(94万9800米ドル)以下の罰金が科される場合があります。刑法に基づき、贈収賄による不法な利益は没収または徴収されます。
台湾における商業賄賂法

アソシエイト・パートナー
Lee and Li
台北
Tel: +886 2 2763 8000 (ext. 2238)
Email: thomastsai@leeandli.com
台湾の汚職防止の制度における注目すべき構造的特徴は、「商業賄賂」との名目の独立した犯罪が存在しない点にあります。民間当事者間で発生する汚職行為は、刑法およびACAの下で公的部門の贈賄に適用されるような、明確な刑事責任が自動的に発生するわけではありません。
刑事上の背任罪:商業賄賂を取り締まる特定の法規制が存在しないため、民間部門の汚職は、一般に、既存の財産犯罪または信認義務違反の犯罪、特に刑法第342条に基づく背任罪、ならびにその他の特別法に基づいて起訴されます。
背任罪を立件するために、検察側は以下の3つの要件を満たす必要があります。
(1)信認義務違反:行為者(すなわち収賄者、通常は従業員)が、委任者(雇用主または会社など)に対して負う信認義務に違反していること。
(2)不法な利益を目的とした故意の違反:信認義務違反は、行為者または第三者に不法な利益を図るために、故意に行われていること。
(3)認識可能な損害および因果関係:委任者は、期待利益の喪失を含む認識可能な財産上の損害を被っていなければならず、その損害が不正行為と因果関係を有していること。
業種別の禁止および罰則:刑法に加えて、台湾の規制枠組みはリスクが高い業種、特に金融分野において、より厳格な業種別ルールを課しています。

シニア・アトーニー
Lee and Li
台北
Tel: +886 2 2763 8000 (ext. 2808)
Email: annachang@leeandli.com
銀行法(BA)、証券取引法(SEA)、金融持株会社法(FHCA)ではすべて、役職員による特定の汚職行為を処罰する特別な規定を定めており、刑法の下で規定されたものよりも著しく重い処罰を科しています。
(1)加重背任罪:これらの法律に基づく背任は、刑法の場合と同様に解釈されますが、より著しく厳しい刑罰が科されています。たとえば、BA第125条の2、SEA第171条、FHCA第57条は、3年から10年の懲役および多額の罰金を規定しています。不法な利益が1億台湾ドルを超える場合、刑罰はさらに加重されます。
(2)便宜供与の禁止:業種別の法規は、民間人に対する便宜供与を明示的に禁止しています。たとえば、BA第35条は、銀行の職員が融資、与信、その他の取引に関連して、手数料、リベート、その他の不当な利益を受け取ることを禁止しています。さらに、BA第127条に従い、そのような禁止行為は、加重規定に基づき刑事責任を問われます。
背任罪における課題:便宜供与金が関与する事案など特定の状況においては、背任罪に必要な認識可能な財産上の損害の立証が困難となる場合があります。このような事案では、裁判所の姿勢は曖昧かつ一貫性を欠くように見え、被告人を無罪とする裁判所もあれば、一方では背任未遂で被告人を有罪とする裁判所があります。
台湾の汚職防止法における法人の刑事責任
ACAも刑法も、法人に対して刑事責任を課していません。これら2つの法律に基づく刑事制裁は、会社に代わって贈収賄に関与する公務員、従業員、代理人などの自然人にのみ適用されます。
とは言うものの、会社は、従業員または代理人が刑事捜査中の汚職活動に関与している場合、法執行機関による抜き打ち捜査(dawn raids)のリスクに依然としてさらされる可能性があります。
分野別法規の下での法人刑事責任:法人責任は、主として金融分野における業種別規制に定められた、行政処分および刑事罰を組み合わせる形で追及されます。
たとえば、銀行法(BA)第127条の4は、銀行の従業員が便宜供与やその他の汚職行為に関する禁止規定に違反した場合、銀行に対して刑事罰金を科すことを定めています。同様に、FHCA第65条は、金融持株会社の従業員による贈賄関連規定違反に対して、同程度の刑事罰金を科すことを定めています。
政府調達における位置づけ:刑法またはACAの下では、公務員に対する贈賄について法人が刑事訴追の対象となることはありませんが、法人はなお、主として政府調達法(GPA)に基づく公共調達制度を通じて、行政処分の対象となります。
政府契約を獲得するために賄賂が支払われた場合、入札参加資格の停止、契約解除、企業名の公表などの罰則をはじめ、これらに限定されない広範な行政処分が科される可能性があります。
台湾PIWPA法に基づく内部通報者保護
公益通報者保護法(PIWPA)は2025年に制定され、施行されました。同法の適用範囲は、政府が所有または管理する企業を含む、公的部門に限定されています。汚職などの重大犯罪に対する法執行を強化するため、PIWPAは、公益通報者に対して報復防止措置や身元の秘密保持を含む包括的な保護を提供するだけでなく、その通報により執行措置が奏功した場合、通報者に対して科された罰金または没収された資産の最大10%の報奨金を支給します。
結論
台湾の汚職防止の枠組みは、主として刑法とACAに基づいています。商業賄賂は、刑法およびその他のSEAやFHCAなどの業種別法令の下で「背任罪」として処罰されます。
法人の刑事責任については、BAおよびGPAなどの特定の法律は、代理人または従業員により行われた汚職防止違反について、法人に刑事責任を課しています。汚職に対する法執行の取り組みをさらに強化するため、PIWPAは2025年に制定され、施行されました。

8F, No. 555, Sec 4, Zhongxiao E Rd,
Taipei 110055, Taiwan
Tel: +886 2 2763 8000
Email: attorneys@leeandli.com
www.leeandli.com


















