自らの責任でリスクを負う者が利益を得る

By Sawant Singh とAditya Bhargava、Phoenix Legal
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ノンバンク金融会社(NBFC)向けの規制枠組みを政府の主要な慣行に合わせるために、インド準備銀行(RBI)は、2021年10月、NBFC向けに、規模に応じた規制枠組みを導入しました。この枠組みには政府関連の要件も含まれました。

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この枠組みにより、NBFCは「整合性の取れていない報酬パッケージにより生じる過大なリスク負担に起因する問題に対処するため」に、取締役会で承認された給与・報酬方針を整備するよう要求され、RBIは後日、ガイドラインを発行しました。2022年4月、RBIは、最下層のNBFCおよび官有のNBFCを除く全NBFCの主要な管理職(KMP)および上級管理者向けに報酬ガイドラインを発行しました。このガイドラインは2023年4月1日に発効します。

このガイドラインに基づき、NBFCの取締役会は、2013年会社法(Companies Act, 2013)第178条に従って、指名・報酬委員会(NRC)の設置を義務付けられます。NRCは、3名以上の非常勤取締役から構成されることが義務付けられ、その半数以上が独立取締役でなければなりません。第178条には、NRCの特定の義務および責務も規定されています。NRCの主要な役割は、取締役会が承認した報酬方針の枠組みの作成、検討および実施を監視することです。ガイドラインには、NRCが「報酬とリスクの効果的な調整」を実現するためにリスク管理委員会と連携すべきであることが規定されいています。

NBFCの報酬水準には、収益の保持および適正な自己資本の維持の必要性が反映されていなければなりません。KMPおよび上級管理者の報酬は、相応なものでなければならず、法的要件および業界の慣行を遵守しなければなりません。報酬パッケージは、報酬がリスクの結果に見合ったものとなるように、固定報酬と変動報酬から構成することができます。現金、株式およびその他の形態の報酬の組み合わせに、発生したリスクとの整合性がなければなりません。報酬のうち固定報酬部分には、現金、上限金額まで回収可能な特別給付、老齢年金および退職金への拠出金、ならびに宿泊施設や車両の提供等の金銭以外の利得の金銭相当額が含まれる可能性があります。

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変動報酬の業績・報酬基準は、業績評価期間の開始時に明確に定める必要があります。報酬のうち変動報酬部分は、株式連動型証券、または現金と株式連動型証券のバランスを調整した組み合わせから構成することができます。変動報酬は、KMPまたは上級管理者の役割と、健全なリスク負担の姿勢に見合ったものでなければなりません。責任が重くなればなるほど、変動報酬の割合も高くなります。変動部分は、趣旨・形式ともに変動するものであり、個人、事業部門および会社全体の業績に応じてゼロになり得ます。また変動部分は、現金であれ、それ以外であれ、取締役会が決定したリスク評価に基づき繰り延べられ分割払いされる可能性があります。

NBFCもしくは関連事業部の業績が、不振もしくはマイナスとなった場合、または従業員が不正行為を行った場合、繰延報酬には、その支払いを阻止するマルス制度、および事前に決定された状況において従業員が報酬を返金する旨の契約上合意されたクローバック条項が適用される可能性があります。NBFCは、マルス制度およびクローバック条項が発動される状況を明示しなければなりません。またNBFCは、当該条項が適用される期間を明示することができます。

財務管理、リスク管理、コンプライアンスおよび内部監査に従事するKMPおよび上級管理者の報酬は、監視を担当している事業分野とは関係なく、役割に見合ったものでなければなりません。KMPおよび上級管理者の報酬は固定報酬部分の割合を高く設定することができますが、マルス制度およびクローバック条項を効果的に適用するために、相応な割合の変動報酬も組み込むべきです。このガイドラインに基づき、KMPおよび上級管理者は、保証された賞与を受け取ることはできません。新規に採用された者への入社時賞与を提示することはできますが、これは固定報酬または変動報酬の一部にはなりません。

このガイドラインは、より健全な政府慣行に向けた動きであり、原則に基づいた規則の導入およびNBFCとRBIとのより良い関係の構築を目指した活動を反映した、NBFC向けの幅広い指針を示しています。

Sawant Singh およびAditya Bhargavaは、Phoenix Legalのパートナーです。この記事では、シニアアソシエイトSristi Yadavの協力を得ています。

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