ASEANにおけるソフトウェア定義型輸入の評価

By Mark Anthony P Tamayo/ata-Perez, Tamayo & Francisco Law Offices
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自動車産業および機械産業は従来の機械中心の製造から、ソフトウェア定義型のプラットフォームへと移行しつつあります。現在では、その価値の相当部分が、無線(OTA)アップデート、先進運転支援システム、サブスクリプション型のSaaS(Software as a Service)機能といった無形のソフトウェア要素に由来しています。

Mark Anthony P Tamayo, Mata-Perez, Tamayo & Francisco Law Offices
Mark Anthony P Tamayo
パートナー
Mata-Perez, Tamayo & Francisco Law Offices

ASEANのOEM(完成品メーカー)および輸入者にとって、このデジタル化の進展は複雑な課題を生む。各国の税関当局が監査の対象をデジタル収益の流れにまで拡大するなか、企業は移転価格の調整の重複や二重課税リスクに直面しつつ、輸入評価額を防御することを迫られています。主な争点は、WTOに基づく関税評価規則が、有体の輸入品とデジタルサービスの関係をどのように捉えるかにあります。取引価格(TV)の原則では、課税価格は、有体財の「実際に支払われた、または支払われるべき価格」に基づきます。

しかし、輸入者が、例えば海外の関連会社に対して別途ライセンス料またはSaaS料金を支払う場合、税関当局は、その支払がハードウェアに帰属するのか、それとも輸入後のサービスの対価なのかを問題視します。機械がソフトウェアなしでは稼働できない場合、税関当局は「販売条件」テストを適用し、当該デジタル料金を課税対象のロイヤルティ、または事後収益としてハードウェアの輸入価格に加算しようとします。他方、ソフトウェアが任意の独立したアプリケーションにすぎない場合には、純粋にサービスとして扱われるべきです。

これらのサービス料金を誤って課税価格に組み込むと、関税が不当に増額されてしまいます。また、同一のデジタル支払いは、国内の付加価値税や法人に係る源泉税の対象にもなっているため、二重課税を招きかねません。

米国の判断が示すSaaSの課税可能性

この問題を分析する上で有用な枠組みとして、米国税関・国境警備局(CBP)の重要な判断(2026年4月27日発出のHQ H357218)があります。この事案では、自動車メーカーがコネクテッドカーを輸入し、消費者が輸入後に、海外サーバー上で提供されるクラウド型サービスおよび診断に関するサブスクリプション料金を別途支払っていました。

CBPは、事実関係に基づいてこれらの接続料金、およびSaaS料金は有体の車両の販売条件ではないため、非課税(関税の対象外)であると判断しました。同判断は、ソフトウェアが輸入のための稼働上の前提条件ではなく、ユーザー体験を向上させる継続的サービスとして機能する場合には、当該料金はTVルールの適用範囲外となることを示したのです。

この先例は、ASEANの輸入者が、ハードウェア費用と輸入後のデジタルサービス料金を切り分けるべきであるという強力な根拠となります。

ASEANにおける執行は取引の組み立て方で異なる

WTOの枠組みが国際的な基礎を提供する一方、実際の執行は、各国の税収目標に応じてASEAN域内で異なります。フィリピンでは、ロイヤルティ、およびライセンス料は販売条件として支払われる場合には、輸入価格に加算されなければなりません。税関局は、輸入許可後監査において、ソフトウェアが抱き合わせられていないかを頻繁に確認します。輸入時点でハードウェアに組み込まれており、機械の機能に技術的に不可欠であるソフトウェアは課税対象となります。

これに対し、組立、保守、技術支援といった輸入後の費用は、物品価格から区分されていることを条件に、課税価格から明示的に除外されます。したがって、輸入者は、現代的なSaaS料金やOTAアップデートが、ハードウェアの隠れた販売条件ではなく、独立したサービス契約であることを立証しなければならないというハードルに直面するのです。

その他のASEAN諸国のなかには、課税ベースの保護と国境徴収の最大化を重視する国もあります。特定の税関当局は、企業間契約を精査し、移転価格調整を用いて、海外の親会社に支払われるソフトウェア料金が、国内での部品販売と直接結び付いていると主張することがあります。

また、ソフトウェアが物理媒体で提供されるのか、クラウド経由で提供されるのかに注目し、あらゆるデジタル取引への課税へと移行しつつある法域もあります。最終的にASEAN全体で最も重要なのは、技術そのものではなく、ビジネス取引がどのように構成され、分割され、文書化されているかです。

監査リスクを下げるための請求書の分離

積極的な税関監査への露出を最小化するため、多国籍企業は、取引構造を見直し、有体財とデジタルサービスを結合した契約を分離する必要がある場合があります。この分離は、請求および会計処理にまで及ばなければならなりません。

このアプローチでは、国境で提示するインボイスは、有体貨物の価値のみを厳格に反映しなければならなりません。その後に発生するすべての費用(SaaS料金、クラウド更新料、OTAライセンス料など)は、輸入後の利用に直接紐づく別個のインボイスで請求されるべきです。

重要なのは、技術的独立性(販売条件ではないことの反証)を確立し、文書化することです。つまり、輸入された車両または機械が、プレミアム機能のソフトウェアを有効化しなくても、基本的なレベルでは完全に稼働し続けることを示す明確な記録を備える必要があります。

財とサービスの境界がASEANでますます曖昧になるなか、これらの評価ルールを管理することは実務上の必然です。


本稿は一般的情報提供のみを目的とし、専門的助言に代わるものではありません。本稿に関する質問またはコメントは、著者(info@mtfcounsel.com)まで連絡をお願いします。

Mark Anthony P Tamayoは、公認会計士(CPA)兼弁護士であり、メトロ・マニラに所在するMata-Perez, Tamayo & Francisco Law Offices(MTF Counsel)のパートナーです。

MTF Counsel
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845 A. Arnaiz Ave, Legaspi Village,
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