2019年証拠規則改正案(以下「2019年改正」)は、2つの例外を条件として、複製物が原本と同程度に証拠として許容されるという新ルール(以下「複製物ルール」)を導入しました。例外は次のとおりです。
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- 原本の真正性について真に疑問が提起される場合
- 複製物を許容することが不当または衡平を欠くこととなる場合(規則130第4条(c))
2019年改正は、「複製物」を「原本と同一の印影により、または同一の原版から作成され、または拡大および縮小を含む写真により、または機械的もしくは電子的な再記録により、または化学的複製により、または原本を正確に再現するその他の同等の技術によって作成された対応物」(規則130第4条(b))と定義しています。
2019年改正を起草した裁判所規則改正委員会によれば、「複製物」の定義および複製物ルールは、電子証拠規則の規則4第2条に従ったものであり、同規定はさらに、米国連邦証拠規則(FRE)の規則第1001条および第1003条から採用されたものです。
同委員会は、新ルールは「原本を優先するという選好を維持しつつ、同時に、現代的手段によって作成された写しの正確性を適切に認める均衡を図る」ものだと説明しました。
複製物ルールの適用

パートナー
Ocampo & Suralvo
マニラ
2019年改正が2020年5月1日に施行された後も、最高裁判所は2024年の事件において旧ルールを適用し、その結果、実損害の請求を裏付ける書面の写し(フォトコピー)のみを提出したにすぎないことを理由に、訴訟当事者の上訴を退けました。
最高裁判所が最終的に複製物ルールを適用したのは、People of the Philippines v Lastimosa(2025年2月3日)事件においてです。
Lastimosa事件では、検察が、被害者の死亡の事実および死因(頭部および頸部の銃創)を立証するために、死亡証明書の写し(フォトコピー)を提出しました。
被告人は有罪判決を不服として上訴し、解剖報告書が提出されていない以上、死亡証明書は証拠として許容されず、したがって被害者の死亡の近因が銃創であったことの証明がなく、無罪とされるべきであると主張しました。
裁判所は上訴を退け、死亡証明書の写し(フォトコピー)は2019年改正のもとで複製物に該当し、原本と同程度に証拠として許容されると判示しました。
裁判所は、フォトコピーの辞書上の定義である「帯電した表面への光の作用を通して、原本と同じ印影により作成された対応物」を適用し、これは明らかに複製物の定義に含まれると判断しました。また裁判所は、複製物を証拠として許容することが不当または衡平を欠くという主張はなく、ましてその立証もないとして、複製物ルールを適用しました。
裁判所はさらに、手続規則の遡及適用に関するルールを引用し、フォトコピーが法廷に提出されたのが2014年で、2019年改正の施行前であったにもかかわらず、2019年改正を遡及適用しました。裁判所は、「複製物に関する新たなルールの遡及適用によって、実体的権利が害されることも、不正義が生じることもない」と結論づけました。
適用の重要性
複製物ルールの適用は、文書証拠を許容する際の裁判所のアプローチにおける重要な転換を示します。これは、従来の「最良証拠の法則(best evidence rule)」の重要性が低下しつつあるという他の法域における新たな傾向を反映するとともに、実体的な本案に基づいて事件を判断することを重視し、過度に技術的な裁判からの脱却を裏付けています。
新ルールは、「文書証拠(documentary evidence)」の定義が広がり、書面だけでなく、記録、写真(動画を含む)、言葉、音、数字、またはそれらの同等物を含むとされた点と併せて考えると、特別な意義があります。
では、複製物ルールの適用にはどのような限界があるのでしょうか。私文書に限定されるのでしょうか、それとも公文書にも及ぶのでしょうか。企業での記録が電子的に保管されている場合、これらの記録があるクラウドデータ保管サービスから別のサービスへ移転されたとしても、なお証拠として許容されるのでしょうか。原本の電子的な再記録、または複製物の複製であっても、証拠としての許容性の点で原本と同様の扱いを受けるのでしょうか。
複製物ルールについて最高裁判所が判断すべき新たな問題がいかなるものであれ、そもそもこのルールが緩和された背景を指針として判断するのが合理的です。すなわち、「言葉やその他の内容を正確かつ精密に裁判所に提示することが唯一の関心事であるなら、対応物は原本と同等に扱われる」ということです。
Anthony Jacob氏はマニラのOcampo & Suralvoのパートナーです。
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