インドにおけるグリーンデータセンターの未来

インドのデータセンター市場は、デジタル化の推進と、州・中央政府による伝導的な政策に支えられ、急速に拡大しています。データセンターはエネルギーを大量に消費するため、データの損失を防ぎ、シームレスで効率的な運用を実現するためには、途切れることなく電力を供給しなければなりません。デジタル化は、インドにおけるグリーンエネルギープロジェクトの方向性を示す上で、極めて重要な役割を果たすことになります。

インドのデータセンターは、コロケーションやセルフビルドモデルで開発されており、キャプティブデータセンターとしても知られています。エネルギーコスト、資本要件、立案期間、拡張性オプション、不動産の可用性とコストなど、いくつかの要素を慎重に検討した上で、2つの選択肢のいずれかを選択しなければなりません。

データセンター運営におけるグリーンエネルギーの導入は、現在は任意となっています。しかし、データセンターと電力セクターのつながりが強まる中で、この動向が変わる可能性があります。その代表例が、国営送電大手Power Grid Corporation of India Limitedが最近発表した、データセンター事業への参入であり、中央電力規制委員会（CERC）の承認も得ています。また、いくつかの民間の主要エネルギー事業者も、データセンター事業の立ち上げを検討しています。データセンターの開発事業者は将来を見据えながら、増大するエネルギー需要に対応するために風力発電や太陽光発電のプロジェクトに投資しています。

安定したエネルギーの確保は、あらゆるデータセンターの運用の中核となります。データセンターでは、電力変動や停電の影響を軽減するために、さまざまな対策をとっています。風力や太陽光のエネルギーは変動しやすく、また敷地内には大規模な蓄電システムを導入できないことが、従来の電源への依存を減らそうと試みるデジタル・インディアの取り組みを依然として妨げています。そのため、エネルギー業界はグリーンエネルギー供給を強化し、デジタル消費者の出力曲線や負荷パターンに関連する技術的要件を満たす、24時間体制の電力提供への道を切り開こうとしています。

インドでは、ここ数年、再生可能エネルギーの容量や設備が急速に拡大しています。政府は、2070年までに炭素排出量ゼロを達成するというビジョンに連動して、2030年までに500GWまで容量を増やすことを約束しています。新しい設備や追加された容量の多くは、民間企業の参加によって実現します。新時代のグリーンエネルギー・プロジェクトの発展は、グリーンデータセンターの拡大を推進させます。

データセンターは、専用のエネルギープロジェクト（キャプティブパワー・プロジェクト）または配電事業者を通じて、エネルギー要件を満たすことを選択できます。キャプティブパワー・プロジェクトで電力を供給するデータセンターは、そのプロジェクトの株式所有権の少なくとも26％を保有することが義務付けられます。一部の送電関連料金は、キャプティブパワー・プロジェクトには適用されません。データセンター付近の送電網の位置と可用性によって、エネルギーの引き込みを促進するために必要な送電および負荷関連インフラの特性が決まります。

データセンターは、エネルギー需要を確保し、その利益を守るために、電力購入契約や接続契約を締結しなければならない場合があります。このような契約を結ぶ前に、データセンターは関連する送配電事業者から承認を得る必要があります。データセンターは、開発関連の活動を行う前に、送電許可の譲渡に関する制限、エネルギーセキュリティ、印紙税、登録料などの要素を検討する傾向があります。

情報技術インフラ、特にインドのグリーンエネルギー産業と連携したデータセンターは、デジタル・インディアという政府のビジョンをグリーン・インディアに結びつける上で、重要な役割を果たすでしょう。データセンターの設計に変革的なアプローチを採用し、特に省エネへの取り組みや、グリーンエネルギーの利用を促進することが急務となっています。データセンターの発展は、グリーンエネルギー・プロジェクトの成長を支援し、データセンターのエコシステムの拡大を促進するはずです。中央政府のデータセンター政策が実施されれば、再生可能エネルギーへの依存度が高められ、持続可能で信頼できるデータセンター容量の開発への道が開かれることになります。データセンター運営において、グリーンテクノロジーの推進による持続可能性が必要であると強調する国策は、国全体の持続可能なエネルギー目標を達成するために、再生可能エネルギーの利用をさらに促進させることになるでしょう。

Purusharth SinghはKochhar & Coのパートナー、Akshay Arvind Nairはアソシエイトです。

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