前回の東京開催の成功から33年、国際知的財産保護協会(AIPPI)が今年、再び日本に戻ってきます。9月13日~16日、2700人以上の参加者が港町・横浜に集います。
AIPPI会長のLorenza Ferrari Hofer氏は、今年、イベントで特に注目すべき点として、4つの主要な研究課題を挙げています。すなわち、人工知能と著作権、強制ライセンス、商標権の消尽、損害賠償の一環としての仮差止めです。
Ferrari Hofer氏は、AIがアジアのみならず世界中で重要な話題であり、その法的・商業的影響について依然として不確実性が残っていると指摘しています。
AIPPI会長のFerrari Hofer氏はAsia Business Law Journalに対し、「ほとんどの国がAIを規制しようと試みているものの、その取り組みは調和がとられていません」と語りました。
「AIは国境を越える存在であり、世界的に調和のとれた法整備が必要です」と同氏。「成長は、AIの使用と開発を規制する法律にかかっています。AIは今やあらゆる産業で研究やデータ分析を活発化させています」
昨年、2年間の任期でAIPPI国際会長に選出されたFerrari Hofer氏は、チューリッヒのSchellenberg Wittmerで知的財産グループのパートナー兼ライフサイエンス・グループの共同責任者も務めており、紛争解決、知的財産、不正競争、データ法、契約法を専門としています。
昨年12月、韓国国会は「人工知能の開発と信頼の構築に関する基本法」を可決し、昨年5月の「EU AI法」に続いて、世界で2番目の包括的なAI規制法となりました。EU AI法と同様に、韓国のAI基本法はAIシステムを高影響型と生成型に分類しています。韓国は、例えば特定のAIタイプを明示的に禁止する規定を設けないなど、EUとは異なる法的規制枠組みの導入を選択しました。
韓国の隣国で、AI分野が活発なアジアの国である日本は、今年5月に「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」を制定しました。この法律は、政府がAIの研究・開発・活用を推進しつつリスクを軽減するための基本原則と枠組みを定めています。韓国の法律が、生成型AIや高影響AIの透明性規制違反などに対して最大2万500米ドルの罰金を科すのに対し、日本の法律には罰則がありません。その代わり、東京に拠点を置く英国の法律事務所Bird & Birdによれば、他者の権利や利益を侵害するAIの活用については、行政処分の対象となる可能性があります。
知的財産の観点から、Ferrari Hofer氏は、技術を恐れたり禁止したりするのではなく、AI応用における人間の関与を確保しつつ、特許や著作権などの知的財産権で保護できるようにする法的枠組みの確立に注力すべきだ言います。
「AIPPIの役割はAI関連の課題を分析し、政治的・経済的な利益ではなく、法的・規制的な要因に基づいて指針を示すことです」と同氏は語りました。
今年のイベントには、日本の最高裁判所の宮川美津子判事、日本国特許庁の河西康之長官、中国最高人民法院のXu Zhuobin上級判事など著名な講演者が多数登壇し、その取り組みを後押しします。
企業法務部門からは、パナソニックのチーフIPカウンセルであるAndrew Yen氏、ロレアルグループの知的財産・メディア担当ゼネラル・カウンセルであるDelphine Chalvron氏、ファーウェイ・テクノロジーズのアジア太平洋知的財産部門責任者であるDavid Wang氏など、グローバルおよびこの地域の多国籍企業の法務責任者も登壇します。Sonderhoff & Einsel Law and Patent Officeのマネージング・パートナーであるFelix Einsel氏、阿部国際総合法律事務所のマネージング・パートナーである阿部隆徳氏など、法律事務所の専門家も講演者に名を連ねています。
今年は日本文化にも焦点が当てられており、漫画や日本の著作権で保護された創作作品に関するパネルも設けられていますが、Ferrari Hofer氏はAIPPIの2024年~26年の戦略は議論の幅を広げ、あらゆる会員および、あらゆる地域からの参加を促すことを目指していると述べています。
「昨年の杭州総会や今年の横浜総会のように、アジアで総会を開催することで、アジア地域から参加しやすくなることを期待しています。この戦略には、デジタルメディアを活用して議論を広げることも含まれています」と同氏は語りました。
AIPPIはまた、内部構造におけるアジアの代表性拡大にも取り組んでいます。
「AIPPIの多様性をより良く反映するため、インド、中国、オーストラリアから新たな執行部メンバーを迎え、組織内部の構造におけるアジアの代表性を強化しています」と同氏は語りました。
AIPPIの役割はAI関連の課題を分析し、政治的・経済的な利益ではなく、法的・規制的な要因に基づいて指針を示すことです





















