ベトナムにとって、国内および国際仲裁の画期的な年に

    By Quach Minh Tri • Hoang Ngoc Quan • Vu Thuy Duong / BMVN
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    ベトナム経済が急速な成長を続け、グローバルな市場への統合が進むにつれ、仲裁は、投資家、サプライヤー、企業にとって、紛争解決の一般的で好まれる手段となっています。パンデミック以降、国内仲裁事件とベトナムに所在する当事者が関係する国際仲裁審理のどちらも著しく増加しています。

    この傾向は、より迅速で柔軟性があり非公開であるこの紛争解決手段がますます採用され、選好されていることを示しています。しかし同時に、外国人投資家や企業の間では、仲裁判断の執行に対する懸念が目に見えて高まっています。

    法改正の動向

      1. Quach-Minh-Tri
        Quach Minh Tri
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        BMVN
        ハノイ
        Tel: + 84 24 3936 9605
        Email: minhtri.quach@bmvn.com.vn

        IFC枠組みの下での仲裁:2025年の画期的な展開は国会が制定した最新の決議第222/2025で、これによりベトナム初の専門的な紛争解決フォーラムが設立されました。新たな国際金融センター(IFC)の構想にはIFC仲裁センターが組み込まれており、「1つのセンター、2つの拠点」モデルに基づいて、ホーチミン市とダナンの両都市に事務所を置いて運営されます。

    また、IFC仲裁センターには国内だけでなく海外からも金融と投資の専門家を集め、IFC加盟者間、あるいは、IFC加盟者と非加盟者との間の紛争を解決する、「専属的」サービスの提供が予定されています。

    決議第222号は、紛争当事者が、IFC仲裁センターの仲裁裁定に対する裁判所への取消申立権を放棄できるという、これまでにない規定を導入し、ベトナム仲裁制度に大きな転機をもたらしました。

    地元裁判所はこの放棄合意を尊重する義務を負い、これにより、外国投資家や企業が長年抱えてきた、仲裁判断がベトナムで取り消されることへの懸念が払拭されることが期待できます。

    このことはまた、当事者は仲裁判断が後に取り消されるかもしれないと懸念することなく、より終局的で効果的な方法で紛争を解決する、より大きな自由を与えられたことを示します。そしてこれは、仲裁における当事者自治を反映し、IFC枠組みの下での紛争解決を国際的な仲裁推進の実務にさらに近づけるものです。

      1. 管轄権の改革:ベトナムが進める「二層型地方行政モデル」改革の一環として、裁判所制度も大幅に再編され、仲裁関連事項を扱う裁判所の管轄権も大きく変更されました。従来、過度な事件件数を抱えることが多かった省級人民裁判所(provincial courts)が、仲裁手続きの支援と監督のすべての面で責任を負っていました。しかし現在は、2025年7月1日をもってすべての県級人民裁判所(district courts)は廃止され、新たに計355の地域人民裁判所(regional courts)が設立されて、ほぼすべての仲裁関連案件の管轄権を担うことになりました。

    地域人民裁判所は、証拠収集のための命令を発するなど国内仲裁を支援し、また、外国仲裁判断のベトナムでの承認・執行の申立を受理・処理する責任を負います。

    外国仲裁判断では、ベトナムにおける執行にはまず関連するベトナムの地域人民裁判所による国内での承認を受ける必要がります。しかし国内仲裁判断は、仲裁判断の債務者が裁判所に対して裁定の取消しを申し立てない限り、直接執行することができます。

    興味深いことに、地域人民裁判所は国内仲裁判断を取り消し、国内のアドホック仲裁判断を登録する管轄権を持っていません。これらの権限は、ハノイ、ダナン、ホーチミン市の省級人民裁判所にのみに付与されています。

    これは、立法者が仲裁に関する司法審査の質と一貫性を確保するために、このように非常に慎重に扱うべき機能を、これら3つの主要都市に所在する、最も経験豊富で十分なリソースを持つ裁判所に限定しようとしているためだと伝えられています。

      1. 不動産およびPPP契約紛争の仲裁可能性の明確化:土地所有権をめぐる紛争について、裁判所が専属管轄権を持つことは法律上、明確であり、実務においても合意がなされています。しかしながら、地元裁判所と研究者の間では、リースや不動産プロジェクトの譲渡、不動産会社の株式譲渡など、土地に関連する取引から生じる紛争について、地元裁判所が専属管轄権を持つか否かについて長らく意見が分かれていました。

    2024年、改正土地法が採択され、そこでは「土地に関連する商業活動から生じる」紛争はベトナムの商事仲裁で解決可能であることが明記されました。2020年の改正官民パートナーシップ(PPP)法もまた、「PPP契約およびその関連契約」に関する紛争についての仲裁可能性を認めています。これらの改正は、不動産およびPPPプロジェクトにおいて、仲裁の導入を後押しすると期待される前向きな進展です。

    仲裁機関の近代化

      1. VIAC eCaseプラットフォームの立ち上げ:2024年6月、ベトナム国内で最も認知されている仲裁機関であるベトナム国際仲裁センター(VIAC)は、手続きの効率と透明性を高めるために設計されたデジタルインターフェース、eCaseプラットフォームを立ち上げました。このプラットフォームは、電子提出機能、安全な文書管理、リアルタイムの事件のモニタリング機能を備えています。手続きのステップ、審理、期限に関する通知機能が統合され、ユーザーの業務用カレンダーと同期されることで、管理上の負担を軽減し、ユーザーエクスペリエンスを向上させています。このデジタルトランスフォーメーションは、VIACの事件管理と仲裁処理において著しい進歩を示しています。
      2. 2025VIAC仲裁規則改正案:VIACはまた、国際的なベストプラクティスを取り入れ、ベトナムの仲裁利用者の実務上のニーズに対応するため、2025年に向けた仲裁規則の改訂版を策定中です。予定されている改正には以下が含まれます。(a)VIAC仲裁規則における仲裁廷の構成に関する規定案、(b)VIAC仲裁人のための倫理規定および職業行動規範案、(c)VIAC仲裁人による声明案、(d)仲裁人の交代申立てのための手数料表案。これらの改正は、仲裁廷の構成に関して透明性と公正性を重視し、仲裁人の選任について、より明確で公平なプロセスを確立することが期待されています。倫理規範の導入も、仲裁プロセスの公正性を強化し、企業の信頼を築くものと期待されています。

    司法の動向

    Hoang-Ngoc-Quan
    Hoang Ngoc Quan
    シニア・アソシエイト
    BMVN
    ハノイ
    Tel: + 84 24 3212 3856
    Email: ngocquan.hoang@bmvn.com.vn

    2025年上半期、ベトナムの裁判所により承認された仲裁判断数が増加し、仲裁に対する支持の高まりを示しています。最高人民裁判所の公開データベースによれば、この年の上半期、地元裁判所は国内仲裁判断の取消しを求める7件の申立てのうち、6件を却下しました。これは、今年初めに取り消された仲裁判断がわずか1件であったことを意味します。

    仲裁判断の審査において、地元裁判所もまた国際標準により近づいているように見受けられます。2025年1月7日、ホーチミン市裁判所は、契約違反や損害賠償の問題は実体的な争点であり、仲裁廷の管轄に属すると判示しました。また同裁判所は、これらの問題および争点の本質について審査することを拒否しました。

    企業にとって重大な懸念は、国内仲裁判断の執行と、国際仲裁判断をベトナムに持ち込んで国内での承認と執行を求める際の両方において、地元裁判所が「ベトナム法の基本原則に反する」という理由を過度に援用して、判断を取り消したり、承認を拒否したりすることです。

    例えば、2025年1月16日付けの決定第16/2025号において、被申立人は、仲裁廷が申立人の審理延期の要求を認めた一方で、被申立人の要求を拒否したことにより、当事者の平等原則に違反したと主張しました。

    被申立人はまた、仲裁廷の仲裁手続きの言語および遅延利息に関する裁定が、当事者間の契約内容と一致しておらず、したがって当事者の契約自由の原則を侵害したとも主張しました。

    この事件において、ホーチミン市裁判所は、被申立人が提起した問題は仲裁廷によって適切に扱われており、被申立人は仲裁廷がベトナム法の基本原則に違反したことを立証できなかったと判断しました。同裁判所は最終的に仲裁判断を支持したということです。

    これらの判断は、より予測可能で仲裁推進型の司法環境に向けた前向きな変化を示しています。

    投資家への示唆

    Vu-Thuy-Duong
    Vu Thuy Duong
    アソシエイト
    BMVN
    ホーチミン
    Tel: +84 28 3520 2713
    Email: duong.vu@bmvn.com.vn

    これらの最近の法改正は、仲裁に対する、より意義のある支援となり、ベトナムにおける仲裁判断の取り消し率を低下させることが期待できます。しかしながら、これらの動きは投資家や企業にとって、IFC仲裁枠組みの下で与えられる優遇措置や、最近の土地法、PPP法、その他の改正法によって加えられた前向きな追加措置を十分に活用したいのであれば、仲裁条項や契約にさらに注意を払う必要があることを示しています。

    紛争解決条項はもはや「真夜中の条項」となってはなりません。すなわち、十分な検討がなされず、その結果、有利な商業的条件の交渉や整備への努力を危うくする誤りが含まれることがあってはならないのです。

    外国仲裁判断の国内承認を管轄権する地域人民裁判所が設立したことで、仲裁判断がベトナムの現地法人や資産に対して確実に執行されるかどうか、いくつかの疑念が生じる可能性があります。

    しかしながら、司法の動向や裁判所の判例の公表によって、当事者にとってオフショア仲裁手続きにおいて避けるべき落とし穴が明確に示されており、最終的にはベトナムでの仲裁判断執行の可能性を高めることにつながります。現地の法務専門家によるサポート、特に類似の争点に関する地元裁判所の判例を網羅的に調査することは、オフショア仲裁手続きの前であっても、進行中であっても、決して「早すぎる」ということはないのです。

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