厳しい状況にもかかわらずロシア市場は成長を続けており、アジアの企業が進出して、その存在感を高めています。国際企業がロシアで成功裏に事業を展開するために、税制、規制、税関、対抗制裁に関する問題をどのように乗り越えるか、概説していきます。
税制

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二重課税防止条約:二重課税防止条約(DTT)により、ロシアとの取引の税負担を大幅に軽減することができます。ロシアは中国、インド、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナムと約90の条約を締結しています。一部の条約には議定書が付随しており、DTTを適用する際には特定の条件を考慮する必要があります。
第一に、ロシアは多国間BEPS条約の締約国であり、多くのDTTに加えてこの条約の規定を適用しています。また第二に、ロシアは韓国、シンガポール、日本とのDTTの一部の規定の適用を停止しています。しかし、これらの条約の基本的な規定の一部は依然、ロシア側では有効であり、停止の扱いは相手国によっては異なる場合があります。第三に、DTTを適用する権利は、受益所有者の基準に基づいて確認する必要があります。
国際輸送の課税:国際輸送は一般的に特別な税務規定や優遇措置によってサポートされています。しかし最近では、税務当局がこの点に、以前より注意を払うようになりました。優遇措置を適用する際は、輸送が外国人によって行われるのか、ロシア人によって行われるのか、契約の範囲がどのようなものであるのかを考慮する必要があります。
VAT(付加価値税)の取り扱いは主に輸送経路によって決まります。ロシア国内の1地点と国外の1地点を結ぶ外国企業による輸送は、ロシアのVATの対象外です。しかし最近では、税務当局がロシア領内の経路部分を分離して、標準VAT率20%で課税しようという動きがあります。これを回避するためには、サービスについての適切な文書化が必要になります。
輸送が外国企業によってロシア国外のみで行われるのであれば、そのサービスはロシアの法人所得税の対象外です。一方、外国企業がロシア企業のために国際輸送を行う場合、通常10%の源泉徴収税が課されます。DTTにより免除される場合もあります。輸送手配サービスへの課税は、手配業者自身による提供なのか、または他の請負業者によるものなのかによって異なります。
グループ内業務・サービスの源泉徴収税:ロシア当局は、グループ内サービスの実態と適切な文書化の整備に特に注意を払っています。外国企業がロシアの関連会社や恒久的施設に提供するサービスや業務には、15%の源泉徴収税が適用されます。
この税は、場合によってはDTTにより免除されることがあります。
国境を越えた取引

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一方で、制裁の影響により、ロシアへの支払いやロシアからの支払いの条件は悪化しています。しかし他方で、ロシア当局は状況を緩和させています。規制の観点で言えば、通貨管理要件が緩和されてキャッシュレスでの債務消滅が可能となり、例えば相殺または譲渡という手段のほかに、デジタル資産や現金による代替決済も一部のケースで認められるようになりました。
ロシア中央銀行は、主要な支払いを暗号通貨で行う仕組みを開発しており、米ドルやユーロ、国際的な金融インフラを使用せずに、各国が自国の通貨での支払いが可能になる取り組みを進めています。
税関
ロシアの税関当局は、税関上の目的で、関連する当事者が実際に輸入品に支払った価格を調整することを目指しています。これは、その後の利用によって売り手に直接的・間接的に発生する収入/収益の一部(配当金の支払いを含む)、ライセンス料や知的財産の使用に関する他の類似する支払い、仲介手数料、関連費用、その他を対象としています。税関当局の長期にわたる監査や紛争を回避するためには、ユーラシア経済連合加盟国の独立した買い手への同等の供給品の価格や、控除方式または算定方式に基づく価格算定など、参考価格をあらかじめ準備しておくことが最善です。
対抗制裁
ロシアは、外国投資家が特定の契約や取引を行う能力を制限しています。ただし、これらの制限は一律に適用されるわけではなく、適用される場合でも、特別な許可が認められています。
ロシア政府は、ロシアに対して「非友好的」な活動を行っている国・地域をリスト化しています。
このリストには、韓国、シンガポール、台湾、日本などのアジアの国・地域が含まれています。その他の国・地域は「友好的」とされています。対抗制裁の多くは、「非友好的」な国・地域に登録されている企業および個人、または「非友好的」な国・地域の企業によって管理されている企業および個人を対象としています。「友好的」な国・地域に本社を置く多国籍企業は、「非友好的」な(国・地域の)子会社を通じてロシアで事業を行うことはできません。
対抗制裁は主に、ロシアから外国の「非友好的」な企業への資金の迅速な流出を可能にする「受動的」な取引と資産売却を対象としています。ただし、そのような取引であっても、契約や取引の許可を得るための手続きが確立されているため、「非友好的」な企業でも事業を行うことが可能です。
Yulia Smourova氏はSL Legal のカウンセル、Valeriy Chelnokov氏はアソシエイトです。
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