新グリーン預金枠組みの有効な活用

By Sawant SinghとAditya Bhargava、Phoenix Legal
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2023年4月11日、インド準備銀行(RBI)は、RBIの規制対象企業(RE)が、グリーン活動やプロジェクトの資金調達のために、グリーン預金を提供することを奨励する新しい枠組みを導入し、2023年6月1日より実施します。その目的は、「預金者の利益を保護し、顧客が持続可能な課題を達成するための支援を行い、グリーンウォッシュの懸念に対処し、グリーン活動やプロジェクトへの信用の流れを強化するために援助を行う」ことです。

Sawant Singh
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この枠組みには、資源利用におけるエネルギー効率の促進、二酸化炭素や温室効果ガスの削減、気候変動への耐性の促進、自然生態系の改善や生物多様性の促進を目的とした、特定のグリーンプロジェクトやグリーン活動の区分が一覧表示されています。この一覧には、再生可能エネルギー(太陽光、風力、エネルギーの生成と貯蔵を統合したエネルギープロジェクト)や、エネルギーの効率化(照明装置の改善、低炭素ビルの建設、エネルギー供給網の損失削減をサポートするエネルギー効率の良い省エネシステムおよび設備の設計と建設)なども含まれています。また、交通機関の電動化やクリーン燃料導入などのクリーン輸送プロジェクトや、水効率の良い灌漑や洪水防御システムを推進する持続可能な水・廃棄物管理に関するプロジェクトも含まれます。

この枠組みでは、新規・既存資源を問わず、化石燃料の採掘・生産・流通を伴うプロジェクトや、主要エネルギー源が化石燃料に基づくプロジェクトは除外されています。また、原子力発電、廃棄物の直接焼却、保護区内の供給原料で生成するバイオマスからエネルギーを発生させる再生可能プロジェクト、出力が25メガワットを超える水力発電プロジェクトも対象外です。

定義された主なコンセプトは、グリーン預金(利付預金であり、その利益はグリーンファイナンスのために充てられる)、グリーンファイナンス(気候変動リスクの軽減や、他の気候変動関連あるいは環境保護の目的に貢献する枠組みで定められた活動への融資や投資)、グリーンウォッシュ(すなわち、当枠組みの要件に従わずに、グリーンファイナンス製品やサービスとしてマーケティングを実行する)などです。グリーン預金はインドルピー建てに限定されます。グリーン預金の満期、規模、金利、その他の条件は、RBIの預金受け入れに関する一般的な指示に従います。

Aditya Bhargava
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REは、グリーン預金の受け入れとその収益の使用について、取締役会が承認した方針を定めることが必要です。本方針は、REのウェブサイト上で公開しなければなりません。また、REはグリーン預金の収益の配分や関連事項を規定する、取締役会承認の資金調達の枠組みを持つ必要があります。これに該当する事項は、融資を受けるプロジェクトの適格性、プロジェクトの評価、監視、報告、第三者による評価、最終的な使用までの間の収益の一時的な配分などです。REは、資金調達の枠組みについて外部からのレビューを受け、その結果をウェブサイトに掲載しなければなりません。また、枠組みで定められた指標を評価する影響評価報告を通じて、グリーン活動やプロジェクトに貸し出された資金や投資された資金の影響を、毎年評価しなければなりません。グリーン活動やプロジェクトに充てられた資金は、毎年独立した第三者による検証や保証を受ける必要があります。

REは、会計年度終了後3カ月以内に、当該年度のグリーン預金による調達額、グリーン預金の収益が割り当てられたグリーン活動やプロジェクトの一覧とその概要、それぞれの適格なグリーン活動やプロジェクトに分配された金額(第三者による検証および保証報告書と影響評価報告書を添付)が記載された、レビュー報告書を提出しなければなりません。また、グリーン預金からの資金がどのように使用されたかについて、ポートフォリオレベルの情報を年次財務諸表に所定の様式で開示する必要があります。

この枠組みは、グリーンファンドの悪用・誤配分を防ぐための抑制と均衡を備え、十分に考え抜かれているようです。しかし、新規プロジェクトにのみ資金を使用するのか、また既存プロジェクトに使用する資金は制限の対象となるのか、などの細部は十分ではなく、不備も考えられます。これらは意図的に省略された可能性があり、グリーン預金によってどのように資金が調達され、使用されたかについてのデータが存在すれば、RBIによって明らかにされるかもしれません。

Sawant Singh及びAditya Bhargavaは、Phoenix Legalのパートナーです。

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