英領ヴァージン諸島(BVI)は、その柔軟な法的枠組みと債権者に有利な制度により、融資取引のストラクチャリングに好まれる法域となっており、クロスボーダー・ファイナンスにおいて中心的な役割を果たしています。BVI事業体への融資、またはBVI事業体を通じた融資は一般には規制されていませんが、貸し手は、いかなる活動がBVI法上で規制されたり、コンプライアンスを求められたり、登録義務が発生したりするかについて検討する必要があります。
BVIにおける融資に関連する2つの主要な制定法は、1990年銀行・信託会社法(改正、以下「BTCA」)および2009年融資・資金事業法(改正、以下「FMSA」)です。
BTCAとFMSAはいずれも、特定の金融活動が「BVI内において、またはBVI内から」行われる場合には、ライセンスの取得が必要であると規定しています。したがって、当該活動が規制対象となるか否かの判断は、その実質的内容およびBVIとの地理的関連性にかかっています。また特定の状況下では、活動がBVI国外で行われていたとしても、BVI法上、当該BVI会社がBVI内で関連事業を行っているとみなされる可能性があることに留意すべきです。
BTCAの下での銀行業

パートナー
Spencer West
T: +852 5225 4920
E: Peter.Vas@spencer-west.com
BTCAは「銀行業務」を規定しており、それには預金の受入れとそれを用いた融資、与信、当座貸越、保証と類似の信用供与、投資が含まれます。
ライセンス取得が必要かどうかは、事業体の活動の性質によって決まります。預金の受け入れを伴わない事業体による融資(企業による融資の大半がこれに該当)は、BTCA上、一般に銀行業務とはみなされません。また、BVIの国外で活動している外国の貸し手は、たとえ融資先がBVI会社であっても、通常はBTCAの適用対象外です。
ただし、貸し手はその業務の一部、例えば人員配置、勧誘活動、意思決定などがBVI域内で行われている場合には、BTCAの適用対象となる可能性があるため、精査すべきです。
FMSAの下での金融業務
FMSAは、BVI内において、またはBVI内から「金融業務」を行う者に対し、ライセンスの取得を義務付けています。これには以下の業務が該当します。
-
- ファイナンス契約に基づくBVI居住の借り手に対する信用供与事業
- BVI内の借り手に対するペイデイローンや消費者金融ローンの提供事業
- BVI居住者に対するファイナンスリースに基づく財産のリース事業
- クラスFライセンスに関連する国際金融および融資事業の運営
BTCAと同様に、FMSAも活動が行われる場所および借り手の居住地に焦点を当てています。
実務上、外国の貸し手によるBVI法人への機関融資は、BVI域内での業務や勧誘活動がなければ、通常、FMSAの適用対象外となります。
もっとも、特に融資がBVI会社によって行われる場合、あるいは借り手や担保資産がBVIに所在する場合には、各取引の事実関係を個別に精査する必要があります。
経済的実体
金融の手段としてBVI会社を利用する貸し手は、2018年経済的実体(会社及びリミテッドパートナーシップ)法(改正、以下「ES法」)を検討すべきでしょう。広義には、ES法は、BVI会社および他の法域で税務上の居住者とされない特定の事業体で、「関連活動」を行うものに適用されます。
「金融およびリース事業」は関連事業の一つであり、一般的には利息を含む対価を得て信用供与を行うことが含まれます。
BVI事業体が金融・リース業務を行っている場合、BVI内において十分な経済的実体があることを証明しなければなりません。これには、当該法域に適切な人員、事務所、意思決定活動があることが含まれます。
外国の貸し手はBVI事業体へ融資するだけではこの規制の適用は受けません。ただし、企業グループの一部としてBVI会社を利用している貸し手は、それらの会社が規制の対象となるのかどうか、また、要求されている経済的実体の水準はどの程度なのか検討すべきです。
担保および優先権
2004年BVI事業会社法(改正、以下「BCA」)の下では、担保文書の有効性または執行可能性を確保するために、いかなる公的機関への提出も義務付けられていません。しかしながら、優先権を保護するために登録することが推奨されます。
BCA第163条に基づき、貸し手はBVI会社から設定された担保に関する詳細を、登記担保権の公的登記簿に登録することが認められています。この任意の登録により、担保権者は、同一の資産に影響を及ぼす、その後の担保権(登録の有無にかかわらず)に対して優先権を有することとなります。登録は、第三者に対する擬制通知と見なされます。
BCAの第162条により、BVI会社は自ら設定した担保を社内の担保登記簿に記録する義務があります。
BVI会社の株式が担保とされる場合、当該会社は株主名簿へ注記を加えることができます。これは優先権に関して法的効力はありませんが、第三者への有用な通知となります。注記が加えられた株主名簿は、BVI会社登記局に提出することで、一般に公開されます。これもまた優先権について法的効力を持つわけではありませんが、当該事業体について企業調査を行う第三者に対して、担保の存在を知らせことができる可能性があります。
SPENCER WEST
www.spencer-west.com
Contact details:
Tel: +852 5225 4920
Email: Peter.Vas@spencer-west.com























