リストラクチャリングから海外での倒産処理手続まで、香港および台湾の法的枠組みは、企業が財務上の課題に対応できるよう進化している
BVIでの清算手続も、香港は絶対的チャージング・オーダーを維持
Jingtian & Gongchengの紛争解決チームは、香港上場会社における第二被申立人の重要な株式持分を対象とする絶対的チャージング・オーダーにつき、債務者(第二被申立人)による控訴が棄却されたという画期的な結果を踏まえ、債権者である依頼者(申立人)のために重要な勝訴を確保しました。
香港高等法院は、第二被申立人が、英領ヴァージン諸島(BVI)において、現在進行中であるものの香港では未だ承認されていない海外倒産手続きを理由にして、強制執行から逃れることはできないと判断しました。
2025年8月15日付でAnthony Chan判事がLead Good Group Limited v Creditland Group Limited(2025)事件において言い渡した海外倒産に関する注目すべき判断は、クロスボーダー紛争における香港の強力な執行重視の姿勢を確認するものです。また、海外倒産手続きに関与する債権者にとっての明確性を提供し、執行手続きにおいて迅速かつ慎重に行動する重要性を浮き彫りにしています。
香港裁判所がチャージの優先性を支持

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第二被申立人は、2024年12月9日付で香港高等法院のMaster Matthew Leungが発した絶対的チャージング・オーダーについて控訴しました。審理において判事は控訴を棄却し、法定によらない倒産事件については、コモン・ローにおける「勝者総取り」の原則が適用されるべきだと判示しました。
高等法院は、外国倒産手続きに効力を与えるには正式な承認が必要であるとの立場を改めて確認しました。さらに、裁判所がチャージング・オーダーを付与する権限について初めて指針を示すとともに、高等法院条例第4章20条3項(b)における「不当な不利益」の意義を明確化したのです。
申立人の執行を妨げる試みが失敗
第二被申立人はBVIで設立された会社で、2024年1月、申立人は、中国国際経済貿易仲裁委員会(CIETAC)の仲裁判断を被申立人らに対して香港で執行する許可を得ました(承認命令)。
申立人の執行を妨害するため、被申立人らは当該命令の取消しを申立てました。これに対し申立人は、高等法院規則73条10a号に基づいて、担保および訴訟費用担保の申立てを行いました。
被申立人らは後に一定額を裁判所に供託する旨を約束しましたが、履行しなかったため、取消し申立ては却下されました。
2024年5月、申立人は、第二被申立人が保有する香港上場会社の株式を対象として(債務の支払確保のため)暫定的チャージング・オーダーを申立てて、それは同年7月に認容されました。
倒産と控訴

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第二被申立人はその後、資金繰りの悪化を主張し、2024年6月にBVIの裁判所へ、債務再編を目的とする、細部には立ち入らない暫定清算を申立てました。
第二被申立人は、既に「支払不能」である以上、申立人に執行継続を認めることは他の債権者に不利益を与えるとして、暫定的チャージング・オーダーの解除を求めました。
しかし2024年12月、裁判所は当事者双方の専門家証拠(すなわち、重要時点において第二被申立人が支払不能であったか否か)を検討したうえで、暫定的チャージング・オーダーを絶対的チャージング・オーダーとする旨を判断しました。
だが事態はこれで終わりませんでした。2025年4月、BVIの裁判所は、暫定清算人が再編不能を報告した後、第二被申立人に対し清算命令を発しました。第二被申立人はこれを事情変更として、絶対的チャージング・オーダーに対して控訴し、香港裁判所に対し裁量を改めて行使して同命令を取り消すよう求めたのです。
外国倒産には承認が必要
判事は、本控訴における主要な争点を2つ検討しました。
- 香港で効力を認める前提として外国倒産の承認は必要か。裁判所は、香港が海外倒産手続きに効力を与えるには正式な承認が必要であるとしました。
British Arab Commercial Bank plc v Algosaibi and Bros Co(2011)およびOOO Nevskoe v UAB Baltijos(2023)における確立したコモン・ロー上の先例に従い、資産の平等分配の原則は国内倒産に適用される一方で、外国倒産(法定によらない倒産と呼ばれることがある)には、原則として「勝者総取り」が適用されると判示した。
本件において、BVI倒産手続きは香港で承認されていませんでした。
また、BVIの清算命令は、第二被申立人の清算人が海外においてその選任の承認を申立て得る旨を定めていたため、第二被申立人の倒産が当然のことととして、または承認なしに域外的効力を有することが意図されていたとはいえません。
したがって、本件における香港の立場は、香港裁判所が海外倒産手続に効力を与えるには正式な承認が必要であるという点に尽きます。
この判断において裁判所は、国内倒産と海外倒産の重要な区別を示したのです。
判事は、仮に香港で清算命令が出ていたなら、コモンローの原則によって、分配は当該債務者の全債権者のために確保されるべきであり、特定の債権者に他の債権者に優先する地位を与えることは許されないため、絶対的チャージング・オーダーは発しないであろうと述べました。
他方で裁判所は、海外倒産の場合、正式な承認がない限り適用される原則は「勝者総取り」であることを確認しました。
- 絶対的チャージング・オーダーは他の債権者に「不当な不利益」を与えるか。高等法院条例20条3項(b)に基づき、チャージング・オーダーを付与するか否かを判断するにあたり、裁判所は一切の事情、とりわけ「債務者の他の債権者が、命令の発令により不当な不利益を被るおそれがあるか」を考慮しなければなりません。
裁判所はコモン・ロー上の立場を採用し、「不当な不利益」とは、他の債権者が「不可避的に被る不利益を超える何らかの不利益」を被るか否かを意味すると明確化しました。
チャージング・オーダーによって一部の債権者に優先順位が与えられること自体は、そのような担保設定と優先性がチャージング・オーダーに内在する以上、「不当な不利益」には当たらないとしたのです。
むしろ「不当な不利益」には、判決債権者による「不誠実な行為」など、さらなる事情が必要であり、例えば、直ちに請求を追及しない旨合意するかのように装って他の債権者の注意をそらすこと、優先的地位を得るために不当に性急に行動すること、特別な知識を不公正に用いることが挙げられます。
裁判所は、優先的地位を得るための不当な性急さは、執行を急ぐという緊急性をもって行動することと同一視できないと判断したのです。
そして申立人は、チャージング・オーダーにより優先順位の確保を求めることについて権利の範囲内で行動していたと結論づけました。
実務上の示唆
第二被申立人が海外での手続きを利用して香港での執行を免れようとした試みは、成功しませんでした。
重要なのは、香港裁判所が「不当な不利益」の意味について重要な指針を示した点です。
本控訴判断を受け、香港で執行手続を行う債権者は、迅速かつ慎重に行動する必要に迫られることになるでしょう。
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台湾におけるリストラクチャリングおよび倒産法
事業運営の過程で、企業は効率性の向上および資源の最適化を目的として、財務上または税務上の検討を踏まえ、グループ内リストラクチャリングを行うことがあります。財務状況が悪化した場合には、債権者の利益を保護し、再建への道筋を模索するため、破産または更生などの法的手続きが必要となることがあります。社内のリストラクチャリングであっても、裁判所の監督下における手続きであっても、これらの仕組みは、事業が変化する状況に適応することが可能になります。台湾では、リストラクチャリングおよび倒産処理手続きを円滑に進めるための確立された実効性ある法的枠組みが整備されているのです。
グループ・リストラクチャリングの主な検討事項

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リストラクチャリングはグループ会社間で一般的に行われており、業務の簡素化と効率性向上のために、グループ資源または事業運営の統合、もしくは調整を伴うことが多くなります。グループ・リストラクチャリングを実施するにあたっては、グループ全体にとっての便益を最大化するため、業務への影響、規制遵守、資金面のアレンジ及び税務上の影響など、複数の側面を検討することが重要となります。
グループ・リストラクチャリングは、事業目的及びグループ目標に応じて、株式譲渡、資産譲渡、スピンオフ、株式交換および株式スワップなど、様々な形態をとることになります。グループ資源の統合を目的として2社を1社に統合する場合には、通常、2つの主要な選択肢が検討されます。
合併の場合、存続会社は合併効力発生日(合併記録日)に、消滅会社の資産および負債をすべて承継します。これにより、資産、契約および従業員は法律上当然に移転するため、合併はより簡単になります。他方で、消滅会社から存続会社へ資産の登録名義を変更するための追加手続きおよび費用を要する場合があります。
資産譲渡については、資産を直ちに移転できない場合、譲渡人を清算する前に当事者間で移行期間のサービス提供契約を締結し、事業の継続性を損なうことなく運営を継続できる場合があります。ただし、清算手続きには追加の時間及び費用を要する可能性があります。
リストラクチャリング手法を決定する前に、譲渡人名義で登録されている資産(工場登録または知的財産権など)またはサプライヤー資格(グリーンマークまたは特別許可など)のうち、直ちに移転できないものが存在するかどうかを確認するため、デューデリジェンスを実施することが極めて重要です。加えて、全体のスケジュール及び費用も慎重に評価し、最も適切なリストラクチャリングのアプローチを判断する必要があります。
更生および倒産の開始トリガー
あらゆる事業は、更生を要する重要な課題が出てきたとき、またより深刻な場合は、倒産に直面することになります。台湾では、会社に生じた損失が払込資本の半額に達した場合、取締役会は次回の株主総会でこれを報告しなければなりません。また、会社の資産が債務の弁済に不足する場合、取締役会は、原則として、破産を申立てるべきとされています。
破産手続のタイムライン
台湾破産法の下では、破産申立ては1人または複数の債権者により行うことができます。申立てが受理された後、裁判所は7日以内に決定をしなければならず、さらに7日の延長が可能です。もっとも、実務上は倒産事案の複雑性により手続きが長期化することが少なくありません。裁判所は通常、申立人に対し、破産手続開始の要件が満たされていることの立証を求めますが、債務者、債権者およびその他の利害関係人について調査を行うこともあります。
破産財団の管理及び破産管財人
破産が宣告されると、債務者は破産財団に属する財産を管理し処分する権利を失います。また、債権者による債務者に対する強制執行やその他の権利行使は、破産宣告前に質権、抵当権または先取特権により担保されている債権を除き、停止されなければなりません。
さらに、裁判所は管財人を選任します。管財人は通常、公認会計士、弁護士または債務者の事業分野における信頼できる人物など、公平な専門家です。管財人には、債務者が行った無償行為または有償行為の取消し、債務者の財産目録および債権者一覧の審査・確認、破産財団の配当などを含む広範な権限が付与されます。管財人は注意義務をもって職務を遂行し、裁判所による監督を受けます。
債権届出及び集会の期限

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破産が宣告されると、裁判所は、債権者が債権を届出るための期間として15日から3ヶ月までの範囲で期間を定め、第1回目の債権者集会の日程を設定します。第1回債権者集会は、破産宣告日から1ヶか月以内に開催されなければなりません。定められた期間内に債権届出を行わない場合、当該債権が担保付きでない限り、破産財団からの配当を受けることができません。
第1回債権者集会では、破産財団の管理および債務者の事業継続の可否などが決定されます。破産法に別段の定めがない限り、これらの決議は、出席債権者の過半数であって、かつ、その債権総額が届出総債権額の過半数を占めることにより成立します。債権の認否に関する異議は、第1回債権者集会の終了までに申し立てなければなりません。
債権の届出を受けた後、管財人は配当案を作成し、裁判所の認可及び公告に付して債権者の閲覧に供します。異議は十五日以内に申し立てる必要があります。異議がない場合、破産財団は換価され、優先順位に従って債権者に配当されます。
債務者の不正行為に関する民事及び刑事責任
債務者の会社運営は管財人に委ねられることになりますが、債務者は自身の行為について引き続き責任を負います。資産の隠匿、会計記録の改ざんまたは偏頗弁済などの不誠実な行為は、民法に基づく損害賠償責任を引き起こしたり、破産法または刑法に基づく刑事責任を産む可能性があります。これらの犯罪は、事実上および法律上の取締役、役員及び清算人などの責任ある者にも準用されます。
台湾における代替的救済としての更生
他の法域と同様に、台湾でも経営困難に陥った会社に対する「プランB」が用意されています。具体的には、公開会社に再建の見込みがある場合、会社または適格な利害関係人(適格株主、従業員または労働組合など)が、更生の申立てを行うことができます。裁判所は、会社に更生の見込みがあるかどうかを判断するため、予備的審査を行います。近年の認可事例では、会社が一定の価値ある技術を保持していたこと、事業遂行能力を完全には喪失していなかったこと、および主要債権者の支持があったことなどを理由に、更生が認められています。
一方で、資産不足が深刻である場合や、事業を停止している場合、実現可能な更生計画を提示できない場合、または債権者から明確な反対がある場合などには、申立てが却下されることも珍しくありません。
結論
本稿は、台湾におけるリストラクチャリングおよび、倒産の概要を示したものです。海外投資家の皆さまには、個別事情に即した適切な判断を行うため、法務、財務及び税務の専門家により踏み込んだ助言を受けることを強く推奨いたします。
Lee and Li Attorneys-at-Law8F, No. 555, Sec. 4
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