BVIでの仮想資産会社立ち上げの重要ポイント

By Peter Vas, 香港のLoeb Smith Attorneys
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英領ヴァージン諸島(BVI)は、世界有数のオフショア金融センターとしての地位を生かし、仮想資産会社の誘致を続けています。特定の種類のデジタル資産を禁止するか、あるいはデジタル資産に具体的な制限を設けている他の国・地域とは異なり、BVIは、コスト競争力のある効率的な販売・流通を望む顧客にとっては最適な地域として知られています。

BVIは現在、デジタル資産に関してBVIの状況に合わせた規制の枠組みを策定中ですが、非代替性トークン(NFT)やその他のデジタルトークンを発行する場として、アジアやその他の地域のフィンテック企業の間で今後も高い人気が続くことが予想されます。

BVIの利点

BVIで仮想資産会社を設立するメリットや利点は以下の通りです。

BVIでの仮想資産会社立ち上げの重要ポイント
Peter Vas
パートナー
香港のLoeb Smith Attorneys

(1)安定性および信頼性:英国コモンローの規則および原則を適用する英国海外自治領であるBVIには、検証済みの効率的な司法制度があり、枢密院への最終上訴権を有しています。

(2)法人設立費用および維持管理費用:BVI会社は、安価な費用で設立でき、良好な維持が期待できます。2021年末時点で実際に事業を行っているBVI会社は約37万社で、その大半が仮想資産を扱う会社です。

(3)課税の中立性:BVI法により、BVI会社に対して、所得税、法人税、キャピタルゲイン税、富裕税、源泉徴収税、またはその他類似の税は課されません。

(4)為替管理:BVI法により、為替管理および規制はありません。

(5)機密保持性:BVI事業会社の株主および取締役は、通常、非公開とされています。

(6)会社の柔軟性:通常、BVI会社の目的、能力、権限に制限はありません。当該会社の取締役会が意思決定の大半を行うことができ、株主の承認は特定の事項に関してのみ必要です。柔軟性に優れており、クライアントの要件に応じて、基本定款や定款を変更することができます。

BVIには、仮想資産に関する具体的な規制の枠組みが策定されていません。従って、BVIにおける仮想資産関連の事業に関して事業体に認可や登録が必要かどうかは、既存の金融サービス法に従って判断されます。

まず、投資の販売、取引の手配、管理、投資アドバイスの提供、投資に関する保管および管理サービス、またはそのいずれか、ならびに投資取引所の運営は、証券・投資事業法(SIBA)の規制下にあります。

BVI金融サービス委員会(FSC)は、所有権以外の利益または権利が付随しない交換媒体である仮想資産(保有者が商品やサービスを購入できるユーティリティ・トークンなど)は、一般的にSIBAに基づく「投資」ではないと正式に認めています。仮想資産にその他の利益や権利が付随している場合は、それが「投資」にあたるかどうかが判断されるため、慎重に検討する必要があります。

次に、融資・資金事業法(Financing and Money Services Act:FMSA)によって、ピア・ツー・ビジネス市場およびビジネス・ツー・ビジネス市場を含むピア・ツー・ピア・フィンテック市場における国際的な金融・融資業務、ならびに、電子マネー、モバイルマネー、金銭の支払いなどあらゆる形態の送金が規制されています。仮想資産および関連商品の送金がFMSAの規制対象ではないことは、FSCが正式に認めています。しかし、顧客に代わって不換紙幣を取引する仮想資産事業は、FMSAに基づいた各社の立場を慎重に検討する必要があります。

さらに、銀行・信託会社法(BTCA)によって「銀行業」が規制されています。銀行業とは、「要求に応じて、または一定期間後、または通知後に、小切手またはその他の方法で引き出されるか、または払い戻される預金を受け入れる業務、ならびに、かかる預金の全部または一部を用いて、(1)融資、貸付、当座貸越、保証または同様の便益の提供を行うか、もしくは(2)(いずれの場合も)当該預金を受け入れる者の負担およびリスクで、投資を行う業務」であると定義されています。 従って、不換紙幣の取引や保有などの事業を伴う、仮想資産会社や取引所は、誤ってBTCAに基づく「銀行業」を行うことがないよう努めなければなりません。

最後に、BVIにおけるマネー・ローンダリング防止(AML)法によって、「当該ビジネス」を行う「当該者」(ファンドや送金サービスの提供者など)は、一定のAMLの方針および手続きを定めることが義務付けられています。ある種の事業(ユーティリティ・トークンのICO(新規仮想通貨公開)など)は、SIBAに基づく投資事業の範囲に含まれないため、こうした規制の対象となる可能性は低いですが、取締役は、優れたコーポレート・ガバナンスとして、また事業の将来を見据えて、AMLの枠組みを検討する必要があります。

PETER VASは、香港を拠点とし、Loeb Smith Attorneysのパートナーです。本稿の協力執筆者である同法律事務所のコーポレートグループのメンバーは、GARY SMITH、SANTIAGO CARVAJAL、SANDRA KORYBUT、およびVIVIAN HUANGです。

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