東京国際法律事務所(TKI)はシンガポールを初の海外進出先と定め、間もなくオフィスを開設して、国際紛争解決、さらには企業法務、M&Aなどを核となる強みとして、さらに発展させていくことを目指しています。

森・濱田松本法律事務所と長島・大野・常松法律事務所の元弁護士によって2019年に設立されたTKIは、来年1月にシンガポールに初の海外オフィスを開設するとの計画を、11月6日に発表しました。
TKIの代表パートナー である山田広毅氏はAsia Business Law Journalの取材に対して、シンガポール拠点が第一に取り組む分野は、インド太平洋地域における紛争解決および投資のハブとなっているシンガポールの役割を活用して、アジアに関連する国際紛争解決であると語りました。
既にシンガポール入りして、シンガポール・オフィスの責任者を務める予定の山田氏と、新オフィスに赴任予定の他の2人の弁護士はいずれも、紛争解決における経験を有しています。

TKIの紛争解決パートナーで、ベトナムに拠点を置く法律事務所Frasers Law Companyで国際仲裁プラクティスの元責任者を務めていたアール・リベラ・ドレラ氏と、東京地方検察庁の元検察官である中野皓介氏は共に、来年1月にシンガポールへ赴任する予定になっています。
山田氏は、狙いは紛争解決業務だけではなく、日本企業による、インドを含む広域アジアにおけるM&A、インフラ、エネルギーなどのアウトバウンド案件に関する助言業務の獲得も視野に入れていると話しています。
今年7月、TKIは外国弁護士の構成を強化するため、インドの法律事務所Kochhar & Coの東京オフィスで元責任者を務めていたイムラン・カーン氏をカウンセルとして採用し、首都・東京でインド・中東プラクティス・グループの共同リーダーに加えました。カーン氏はTKIへの入所前は、日本の瓜生・糸賀法律事務所で外国法事務弁護士として、インド・中東プラクティスを共同で率いていました。

シンガポールでは、クライアントの大部分を海外展開する日本企業が占めるだろうと、山田氏は予想しています。しかし同氏によれば、シンガポール支店の第3の注力業務として、シンガポールに地域統括拠点を持ち、日本へのM&A、インフラ、エネルギー、その他の形態の投資を通じて事業拡大を検討しているグローバル企業を、クライアントとして獲得することも目指していくとのことです。
同事務所は、シンガポールにおいて外国法事務ライセンスの下で運営されるため、シンガポール法に関するアドバイスを提供することはできず、当面はその予定もありません。しかし、山田氏はAsia Business Law Journalに対して、シンガポール・オフィスは日本法だけでなく、現地の3人の弁護士を通じて英国法、米国法、フィリピン法に関する法務サービスも提供すると語りました。
シンガポール・オフィスと連携して、クライアントにフランス法、インド法、中国法などのアドバイスを行う東京オフィスは、この1年間で大きく拡充されました。現在、ベーカー&マッケンジー東京オフィスの元M&Aパートナーだったジャン=ドゥニ・マルクス氏、DLAパイパーとEYジャパンの元税務パートナーだった河村真紀子氏などのシニア弁護士が在籍しています。




















