日本人投資家向けフィリピン最新法律情報

By Nilo Divina、Ciselie Marie Gamo-Sisayan、Shiela Esquivel/DivinaLaw
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ィリピンと日本には経済的なパートナーシップと協力の長い歴史があります。日本はフィリピンの最大の戦略的経済パートナーの位置づけにあり、フィリピンの最大の輸出市場であり、第2の輸入供給国であると同時に、2番目に大きな外国直接投資(FDI)供給国です。日本貿易振興機構によると、製造業における日本企業のプレゼンスが高まっています。また、ITビジネス・プロセス・アウトソーシング、電子機器、小売、インフラなどの投資分野も上昇傾向にあります。

日本人投資家向けフィリピン最新法律情報 Nilo Divina
Nilo Divina
マネージングパートナー
DivinaLaw、マニラ

フィリピン政府は、日本との強力なパートナーシップが経済復興の重要な原動力であることを認識し、引き続き日・フィリピン経済連携協定(JPEPA)を実施しています。JPEPAは、物品やサービスの貿易、投資、自然人の移動、知的財産、政府調達、競争、ビジネス環境の整備に関する規則を設定し、市場アクセスを改善しました。JPEPAの主なメリットの1つは、関税の撤廃または引き下げと両国間での特恵関税待遇の適用です。

最近の法整備や法制上の措置では、特にFDIに対してフィリピン市場を開放する動きや税制改革の導入により、日本の投資家にフィリピンでの魅力的な投資環境を約束しています。

資本の自由化

フィリピンのFDI規則は、東南アジアの他の国々と比べて制限が厳しいとされています。憲法および特定の法律により、外国資本比率に関する制限が課されています。特に、憲法では土地の所有や公益事業の運営に40%の制限を課しており、マスメディアや専門職の業務、小規模採掘には外国資本が認められていません。

日本人投資家向けフィリピン最新法律情報 Ciselie Marie Gamo-Sisayan
Ciselie Marie Gamo-Sisayan
パートナー
DivinaLaw、マニラ

新型コロナ感染症の影響から景気回復を後押しするため、フィリピンは新しい資本、アイデア、技術を市場に呼び込むことを目的とした一連の法制上の措置により、外国投資にさらに門戸を開放しています。2021年12月10日、その最初の法的措置である共和国法11595号が、小売自由化法を改正するために法制化され、フィリピンにおける外国小売業者の最低資本要件が引き下げられました。

この法案成立の前は、外国小売業者に対して、(1)払込資本金は250万米ドル、(2)1店舗当たりの投資額は83万米ドル、という2つの最低資本要件が求められていました。同法により、最低資本要件は、(1)払込資本金は2,500万フィリピンペソ(約50万米ドル)、(2)1店舗あたりの投資額は1,000万フィリピンペソ(約20万米ドル)に引き下げられました。

さらに同法により、外国小売業者に求められる条件がさらに簡素化されました。また、外国小売業者の資格要件として、親会社の最低純資産額、5年間の小売業実績、世界各地で営業を行っている小売業の支店やフランチャイズ店の最低店舗数などが削除されました。同法により、外資系の特定の小売企業が証券取引所を通じて株式を一般に提供するという要件も撤廃されました。

国内市場参入のためのFDI規制も緩和されました。払込資本が20万米ドル未満の国内市場向け零細・小規模企業には、外国資本は認められていません。ただし、払込資本が10万米ドル以上の企業で、先端技術に関連しているか、あるいは直接雇用従業員を50人以上有する場合は、外国投資が認められる場合もあります。

先日の2022年3月2日に大統領が署名した新法では、企業がスタートアップまたはスタートアップ・イネーブラーである場合、先端技術に関連する場合、あるいはフィリピン人が直接雇用従業員の大部分を占める場合に、払込資本が10万米ドル以上の企業に対して外国資本が認められることになりました。ただしいかなる場合もフィリピン人の直接雇用従業員数は15人を下回ってはいけません。

さらに、電気通信、航空、鉄道、地下鉄、高速道路、有料道路、内航海運、空港をはじめとする、これまで公益事業に分類されていた産業に関して、外国資本100%を認める今後の法的措置が進行中です。こうした産業は現在、公益事業とみなされており、外国資本の上限は40%が条件となっています。この措置はすでに両院で承認されています。

フィリピン中央銀行への外国投資の登録は必須ではありませんが、利益や資本の本国への便利な送還や送金には便利です。

税制改革

以上に加え、フィリピンをより魅力的な投資先とするために税制改革も先日行いました。フィリピン税法を改正し、2020年7月1日から国内法人と居住外国法人(RFC)の所得税率を30%から25%に引き下げました。国内法人またはRFCがフィリピン国内法人から受け取る配当金は課税対象ではありません。利子所得およびロイヤルティには、通常20%の最終税が課されます。

日本人投資家向けフィリピン最新法律情報 Shiela Esquivel
Shiela Esquivel
アソシエイト
DivinaLaw、マニラ

ロイヤルティや利子など非居住外国法人がフィリピンから得た所得に対する税金も、総所得の30%から25%にまで引き下げられました。一定の条件の下で、国内法人からの配当金には15%の最終源泉税が課されます。さらに、優遇税率は日比租税条約に基づき一定条件下で利用することができます。特に、同条約は一定の条件が存在することを前提として、配当金については10%または15%、利子については10%、ロイヤルティについては10%または15%の優遇税率を規定しています。

フィリピン税法に基づくその他の財政改革には、適格な輸出および国内市場向け登録企業に対して4年から7年の所得税免除期間の付与が含まれます。当該免税期間の後、国税や地方税の代わりに総所得の5%の特別法人税率が適用される場合や、適格企業が5年または10年の間、追加の事業控除を要求できる追加控除が適用される場合があります。その他の税制上の優遇措置には、資本設備、原材料、スペア部品、または付属品の輸入時の免税、輸入品の付加価値税免除、および現地購入品の付加価値税非課税などがあります。

特に直近の重点計画で優先事項として特定された以下の産業に関連する企業は、税制上の優遇措置を受けることができます。

(1) 新型コロナ感染症対策に関連するあらゆる適格な事業

(2) 都市部以外での雇用を創出するプログラムを支援する事業への投資

(3) 農産物加工を含む、要件を満たしたすべての製造事業

(4) 農業、漁業、および林業

(5) 以下を含む戦略的サービス:集積回路設計、クリエイティブ産業や知識集約型サービス、航空機の保守・修理・整備、代替エネルギー車の充電スタンドや燃料補給所、産業廃棄物処理、電気通信、最先端エンジニアリング、調達、および建設

(6) 医療および災害リスク軽減管理サービス

(7) 集合住宅

(8) 地方自治体による官民パートナーシップ案件を含むインフラおよび物流

(9) イノベーションドライバー

(10) 包括的ビジネスモデル

(11) 環境または気候変動に関連するプロジェクト

(12) エネルギー

投資優先分野には、特定の輸出製品の生産・製造、サービスの輸出、輸出企業を支援する事業などの輸出事業も含まれます。

特に今回の税制改革では、医薬品、医療機器・器具の生産・製造など、投資委員会が日本企業に投資を奨励する産業に携わる企業に対して優遇措置が与えられています。日本の関西地方は医薬品以外の医療用品の日本全体の製造の30%を占めており、医療器具製造やライフサイエンスで評価されています。今回の刺激策の目的は、日本の医療機器産業における専門技術を十分に活用することです。

フィリピンへの入国

フィリピンで就労予定の外国人は労働雇用省から外国人雇用許可(AEP)取得の必要があります。AEPの発行は、有能で意欲的かつ優秀なフィリピン人労働者の採用が見込めないことが条件となります。AEPの有効期間は、発行対象である職や会社に応じて1年から3年です。この許可は就労ビザ(pre-arranged employment visa/9g)の発給前に必要です。フィリピンでの就労予定期間が6カ月を超えない場合、または9gビザの手続き期間中に、当該外国人は仮就労許可を申請することもできます。

スタートアップ企業に対しては、イノベーティブ・スタートアップ法(Innovative Startup Act)に基づき、スタートアップ事業主ビザ(startup owner visa)、スタートアップ従業員ビザ(startup employee visa)、スタートアップ投資家ビザ(startup investor visa)などの特定のビザが認可されました。こうしたビザの初回有効期限は5年間で、3年間の更新・延長が可能です。ビザ保有者はAEP要件が免除されるものとします。6カ月から1年間有効な数次入国暫定スタートアップビザ(Multiple entry interim startup visa)は、フィリピンのホスト機関からの承認に基づき、起業を考えている事業主、投資家、イネーブラーに無料で発行される場合があります。

結論

フィリピンの強力な税制上の優遇措置と資本比率の制限緩和は、日本の投資家にフィリピンでの事業拡大を奨励することを目的とした大きな変革です。ポスト・コロナの復興に向け、フィリピンは日本との関係を強化し、効果的な経済連携を継続する意向です。

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