アジアの商標法の比較:インドネシア

    By エミルシャ・ディナール,AFFA Intellectual Property Rights
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    インドネシアでは、商標および地理的表示に関するインドネシア共和国法律2016年第20号(通称「商標法」)が、商標に関する基本法であるが、個別事項を規制する以下を含む細則がいくつか存在する。

    • 法務・人権省で適用される、非課税国家収入の種類と率に関する政府規則2019年28号〔法務・人権省知的財産総局(DGIP)に提起できる各種訴訟の正式な手数料が定められている〕
    • マドリッド協定議定書に基づく商標の国際登録に関する政府規則2018年22号(インドネシアにおける、または同国から行う国際登録のあらゆる事項を扱う)
    • 1995年8月29日に設立された商標審判委員会の審理請求、審理および解決の手続きに関する政府規則2019年90号
    • 商標分野の知的財産総局商標登録令に関する法務・人権省規則2016年67号(登録の条件、物品とサービスの分類、登録された商標証と記録の補正について定める)

    商標の範囲

    商標法の第1条によると、商標とは、個人または法人によって生産された商品/サービスを取引において識別させるためのマークで、グラフィックイメージ、ロゴタイプ、名称、単語、文字、数字、色の組み合わせといった平面や立体、音声、ホログラム、またはそれらの要素が二つ以上組み合わさった形で表示されるものである。

    この定義に基づき、同法は伝統的商標と非伝統的商標という2種類の商標を認めている。

    登録出願

    エミルシャ・ディナール
    マネージングパートナー
    AFFA Intellectual Property Rights(ジャカルタ)
    電話: +62 812 8700 0889
    Eメール:emirsyah.dinar@affa.co.id

    商標法は基本的に先願主義を採用しているため、いかなる個人、団体または法人も商標登録の出願を行うことができる。だが同法は、悪意をもって提出された商標出願を規制しており、商標法第21条は、出願人が悪意をもって提出した商標出願は拒絶されると規定している。

    すでに定着した周知商標と類似した出願に対しては、実体審査でこの条項を適用できるが、現実的には出願に悪意があるかどうかの判断は極めて困難である。

    悪意ある出願がのちに登録された場合も、商標法第77条に基づき商事裁判所がいつでも登録を取り消すことができる。同条は「悪意ある要素が感じられる商標、国家のイデオロギー、法律の規定、モラル、宗教、公序良俗に反する商標についての取消訴訟の提訴期間は無期限である」と定めている。

    出願書

    インドネシアで商標登録を出願する場合、商標検索を強くお勧めする。検索レポートにより、円滑な登録手続きを阻む潜在的なリスクや障害を明らかにできる。

    検索レポートで出願手続きを阻む障害がないと判明した場合、出願人は次の情報を提出しなければならない。

    • 出願人の氏名
    • 住所
    • 商品とサービスのリスト
    • 出願する商標の見本(文字標章、ロゴ、非伝統的商標の形をとることができる)

    必要な情報が提出されたら、特許弁護士が委任状と所有宣言書を作成し、出願人がこれに署名する。

    2019年以降、インドネシアでは電子出願のみが出願方法として認められている。

    期間

    出願に対し異議申し立てが提起されず、暫定的拒絶もされない場合、出願後10~13カ月で登録番号を取得できる。以前と比べ大幅に迅速化されており、過去には単純な登録でさえ2~3年かかっていた。

    異議申し立てと取消

    登録出願は2カ月間のみ公告される。この公告期間中に、あらゆる利害関係者が異議を申し立てることができ、申し立ては実体審査の中で検討される。

    公告期間満了後は、延長の要求を含め、異議申し立ての手段は他に存在しない。

    異議申し立ての手続きを首尾よく進めるためには、申立人が正当な法的地位を有すること、すなわち過去にインドネシア国内で商標出願または登録を行っていることが望ましい。そうでない場合、審査官が先願主義に基づき申し立てを却下する可能性が高い。

    第三者が商標登録の取消または抹消を求める場合、商事裁判所に提訴する必要があり、対象となる商標がいったん登録されて初めて、取消または抹消を求めることができる。

    外国の周知商標

    有名かどうかにかかわらず、インドネシアで登録された商標に限って保護を受けることができる。だが商標法は、外国の周知商標を第三者による悪意ある登録から一定程度、保護する仕組みを設けている。

    第三者が、外国の周知商標と同一または類似した商標を、悪意をもって登録出願しようとした場合、商標法第21条に基づき拒絶される。同条は、次のように定めている。

    「同類の商品/サービスに関して、他者の所有する周知商標、または特定の条件を満たす、同じ種類ではない商品/サービスに関して他者の所有する周知商標と、実質的に類似する場合、出願は拒絶される」

    次に、何が周知商標に当たるかという問題に目を向ける。商標分野の知的財産総局、商標登録令に関する法務・人権省規則2016年67号の第18条は、周知商標の基準を以下のように定めている。

    • 周知商標としての、当該の事業分野におけるその商標に対する市民の知識あるいは認識
    • 所有者がその商標を用いることによって得る物品および/またはサービスの売上と利益の量
    • 社会における物品および/またはサービスの流通に関連して、その商標が占める市場シェア
    • 商標の使用地域
    • 商標の使用期間
    • 宣伝に使用された投資額を含む、商標の宣伝規模
    • 他国での商標登録および商標出願の件数
    • 特に、権限を持つ機関によるその商標の周知商標としての認識に関する、法令遵守の達成度合い
    • その商標により保護された物品および/またはサービスの評判、および品質保証により得られる、商標に付随する価値

    とはいえ、外国で有名な商標がインドネシアでも同程度に有名とは限らない。これが、商標の保有者は第三者を提訴するに先立ち、インドネシアにおける周知性を立証する必要があるかという課題を生み出している。

    使用の要件

    インドネシアは先願主義を採用しているため、登録前に先使用権を主張する必要はなく、使用の証拠を提出する必要もない。

    出願人が他の国で先に出願している場合、最初の出願日から起算して6カ月間はインドネシアで優先権を主張できる。

    不使用に関しては、法律に基づき、登録商標が登録日または最新の使用日から起算して継続して3年間使用されていない場合、商事裁判所はその商標を抹消することができる。だが最低限の使用期間に関しては、法に定めがないため、不使用を事由とする登録抹消は基本的に非常に困難である。

    ライセンス供与

    インドネシアでは、登録された商標のライセンスを他者に供与することができる。ライセンス契約が法的拘束力を持つためには、知的財産総局に登録する義務がある。

    ライセンス契約には基本的に、実施許諾者と実施権者の詳細、ライセンス契約の性格(独占的か非独占的か)、サブライセンスの可否、契約期間、両当事者の権利と責任、ライセンス供与の対象物または商標を記載しなければならない。

    ライセンス契約は、インドネシア経済に直接または間接に損害を与える規定、またはインドネシアによる技術を習得し開発する能力を妨げる制限を含んではならない。

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