汚職リスクの回避とコンプライアンスの徹底

By Madhvi Datta、Kochhar & CoのGurugramオフィス
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国連は近年、インドが欧米企業にとって有望な投資拠点であることに着目し、同国の非常に堅調な経済成長ぶりを強調しています。「2024年 世界経済状況と見通し報告書」では、インド経済が2024年に6.9%、2025年に6.6%成長すると予測されています。しかし外国人投資家は、複雑な規制環境と蔓延する汚職リスクに注意を払う必要があります。特に防衛、医療、鉱業、エネルギー、ホスピタリティ、インフラ、製造、小売などのセクターでは注意が必要です。

Madhvi Datta
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パートナー
Kochhar & CoのGurugramオフィス

これらの問題を克服するためには、強固な反贈賄・反汚職(ABAC)の枠組みを確立することが極めて重要です。これには、潜在的な汚職の脆弱性を特定するための徹底的なリスク評価と、リスクを軽減するための統制の実施、倫理的な文化の醸成が含まれます。贈賄リスクを特定するためには、内部の慣行、ビジネスパートナーシップ、市場での活動、規制環境を調査する必要があります。汚職リスクを軽減するために、グローバル企業は、インドでの業務に合わせたリスクベースのABACコンプライアンス・プログラムを実施することがよくあります。これらのプログラムは、とりわけ、業務上・規制上のリスク、政府とのやり取りの性質、第三者仲介者への委託などを考慮に入れています。

企業は、贈賄に対する罰則、政府機関との取引、贈答品や接待、政治献金、慈善寄付を具体的にカバーするような、包括的なABACポリシーを導入すべきです。その目的は、何が許容される行動であるかについて、明確なガイドラインを提供することです。これにより、いかなる形態の贈賄や汚職も「ゼロ・トレランス」とする、倫理的な業務運営に取り組む企業の姿勢が強化されます。違反の疑いを報告するための明確なチャネルを確立することで、利害関係者が報復や差別を恐れずに懸念を提起できるようにします。報告された問題を迅速かつ効果的に解決するためには、明確なエスカレーション・プロトコルが不可欠です。倫理的な行動を認識し、奨励することも重要です。

主要部門には標準的な業務プロセスを実施し、各部門には関連する取引やプロセスに対する明確なガイドラインを提供するべきです。不正な支払いを防ぐためには、職務分掌、詳細な記録の保持、経費の承認プロセスなどの財務管理が不可欠です。

合併、買収、リスクの高い第三者との取引においては、潜在的なABACリスクを特定するためのデューデリジェンスが極めて重要です。内部または外部で実施されるデューデリジェンスは、コンプライアンス履歴、内部統制、業務慣行を徹底的に調査し、隠れたコンプライアンス上の責任を防ぐとともに、組織の倫理基準との倫理的な整合性を確保します。第三者との契約には、基準/規制の遵守を確保するための監査権や解約権が含まれることがあります。

デューデリジェンスは一度限りの作業ではなく、継続的なプロセスであることを忘れないようにしましょう。定期的なレビュー、監査、定期的なコンプライアンスの確認を通じて、既存のビジネスパートナーを継続的に監視することが必要です。文書化と記録の保管によって、コンプライアンスに務めていることの明確な証跡とし、デューデリジェンス・プロセスをさらに強化します。従業員やリスクの高い第三者に対して、コンプライアンス・ポリシーや法律に関するワークショップを義務化し、個別のトレーニングを定期的に実施するべきです。セッションは定期的に開催し、特に贈答品や便宜の授受が増える祝祭シーズンには、メールでのリマインダーで補完をします。

リーダーシップは、誠実さと説明責任を育む上で重要な役割を果たします。上級管理職は反汚職の取り組みを支持するとともに、透明性を促進する必要があります。

ABACの枠組みを継続的に監視・監査することは、進化する規制、業務慣行、新たなリスクに適応するためには不可欠です。監査結果に基づいて、必要な変更を迅速に実施することが重要です。内部ポリシーや法律を施行し、トレーニングを監督し、コンプライアンスを徹底するために、専任のコンプライアンス・オフィサーを任命するべきです。OECDが設定した国際基準や、米国の海外腐敗行為防止法、英国の贈収賄防止法などの法律を遵守ることは、グローバル企業にとって不可欠です。ABACの枠組みを国際基準に合わせることで、パートナーや顧客との信頼関係が築かれます。

ABAC規制に違反すると、厳しい罰則や評価の損失につながる可能性があります。これらの戦略を実施することで、外国企業はインドのビジネス環境を切り抜けながら、組織内での誠実さやコンプライアンスを促進することができます。

Madhvi Datta氏は、Kochhar & CoのGurugramオフィスのパートナーです。

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