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ジョイント・ベンチャーにおいて外国投資は歓迎されるものですが、各法域には独自の規則が存在します。この地域別ガイドでは、3つの主要な法域における国際的なジョイント・ベンチャーの構造と規制を探ります。

中国

日本

台湾

中外合弁企業の構造と規制

近年の不安定な世界経済と地政学的緊張により、中国における中外合弁企業の発展はさらに複雑なものになっています。このような状況を受けて、中外合弁企業の一連の革新的なモデルが生まれました。その中には、外国の産業投資家が技術を提供し、そして/または特定の事業に投資し、中国や外国の金融投資家が資金を提供し、従業員インセンティブのプラットフォームを設立して、株式報酬を提供するという「モデル2.0」が含まれます。また、中国は最近、外国投資、会社法、IPO、コンプライアンスに関する新しい法規制を公布・施行しました。

法規制システム

中国への外国投資を奨励するために、2020年1月1日に施行された外国投資法とその実施規則では、ネガティブリスト以外の分野における国内投資と外国投資の平等な待遇の原則が定められています。外商投資企業は、2024年12月31日までに会社法と、その他の適用法に従って、その組織形態や構造を調整することが求められています(例えば、合弁企業の最高権限を取締役会から株主総会に移行するなど)。

William Qiu, Zhong Lun Law Firm
William Qiu
パートナー
Zhong Lun Law Firm
北京
Tel: +86 139 1188 4430
Email: qiujian@zhonglun.com

さらに、2024年7月1日に施行される改正会社法では、登録資本制度、取締役・監事・幹部の責任、(外商資本企業を含む)企業のコーポレート・ガバナンスに、以下のような大きな調整が加えられました。

  • 資本金規制に関して、新しい会社法は資本補充・維持の原則をさらに強化し、有限責任会社の株主に対して出資に5年の期限を設けています。既存の会社は原則として、2027年6月30日までの3年の移行期間内に、出資のタイムラインを調整する必要があります。
  • 違法な資本引き出しの防止義務やそれに関連する補償責任、株主への出資の要請、違法な資本減少や利益分配に対する補償責任、清算義務やそれに関連する補償責任など、取締役に関連する義務や責任が強化・改良されています。
  • コーポレート・ガバナンス体制が整備され、有限責任会社が監事会の代わりに、取締役で構成される監査委員会を設置することを許可し、株主全員の同意を得た場合、小規模会社は監事の任命や監事会の設置が免除されます。

中外合弁企業、特に既存の合弁企業は、終了間近の外商投資法の移行期間と、改正会社法の移行期間の両方に直面しており、円滑な移行を確保するために、両方の法律に従ってコーポレート・ガバナンス制度と出資のタイムラインを見直し、設定・調整する必要があります。

出口オプション

Johnson Zhu, Zhong Lun Law Firm
Johnson Zhu
パートナー
Zhong Lun Law Firm
北京
Tel: +86 135 0117 1144
Email: zhuyongchun@zhonglun.com

IPOは、中国投資家や外国投資家に大きな投資収益をもたらし、合弁企業の知名度を高め、資金調達のチャネルを拡大し、コーポレート・ガバナンスを改善します。中国の資本市場は若く急成長しており、さまざまな企業や投資家にサービスを提供する複数の取引所やボードが存在します。例えば、大規模な大手企業向けの上海証券取引所(SSE)と深圳証券取引所(SZSE)のメインボード、革新的なテック企業向けのSSEスター市場とSZSEチャイネクスト、中小企業向けの北京証券取引所(BSE)と全国中小企業株式譲渡システムなどです。

中国は2023年2月から全面的に登録制IPOシステムを導入しました。このシステムは情報開示を核に据え、マテリアリティの原則に基づいて企業の基本的な法的コンプライアンスと財務規律を重視し、財務指標、所有権の明確化、特別決議権に関するIPO要件を緩和しています。

例えば、チャイネクストは資格のある非収益企業のIPOを支援して、レッドチップ企業や特別な株式構造を持つ企業に対する「過去1年間の純利益がプラスであること」というIPO要件を廃止しています。

一方、2024年に発行された「資本市場の管理監督強化、リスク予防及び質の高い発展促進に関する国務院の意見」は、投資家(特に中小投資家)をより効果的に保護し、強力な監督、リスク防止、質の高い発展に焦点を当てて、安全で標準化された、透明性が高く、開放的で、活力があり、回復力のある資本市場の構築を促進するために、国内IPO規制を全面的に強化しています。このような背景の下で、M&Aは現在、多くの外国投資家にとって主要な出口オプションとして残り続ける可能性があります。

従業員に対するインセンティブ

従業員に対するインセンティブは、中外合弁企業の構造設計において重要な部分です。特にハイテク研究・開発やインテリジェント製造に携わる企業は、優秀な人材を引き付け、保有し、モチベーションを高めて競争力を生み出し維持するために、従業員に対するインセンティブの提供を強く望んでいます。

Yuanyuan Tao, Zhong Lun Law Firm
Yuanyuan Tao
パートナー
Zhong Lun Law Firm
北京
Tel: +86 138 1196 5017
Email: taoyuanyuan@zhonglun.com

従業員に対する健全で効果的なインセンティブの仕組みは、従業員の収入と企業価値の成長とをリンクさせて、従業員の士気を高め、現金支出を効果的に管理します。

合弁企業において、従業員に対するインセンティブはエクイティ・インセンティブ(オプション、譲渡制限株式、従業員持株制度など)、またはキャッシュ・インセンティブの形を取ることができます。エクイティ・インセンティブが採用される場合、一般的には直接所有(株主数に関する法定要件に従って、会社の株式を直接保有する)と間接所有(従業員に対するインセンティブのプラットフォームとして設立されたリミテッド・パートナーシップの株式を保有する)に分かれます。

さらに、インセンティブ計画の重要な検討事項には、対象となる従業員の範囲(中国人および外国人従業員、および/または外部コンサルタント)、インセンティブ計画の承認・管理、資金の出所、退職の取り決め、税務計画、株式報酬、IPOやM&Aとの整合性が含まれます。新しい会社法の下では、従業員の対価の支払いや資金調達などの問題も、登録出資の期限に沿って考慮する必要があります。

コンプライアンス

合弁企業の設立と運営に関して、以下のような、中国の法律に基づくコンプライアンス上の問題にも十分な注意を払う必要があります。

第一に、事業者集中申告です。中国投資家と外国投資家が合弁企業を設立したり、合弁企業の株式を取得したりする場合、独占禁止法に基づく事業者集中に該当するかどうかを評価する必要があります。取引が売上高に基づく申告基準に達するような集中に該当する場合、投資家は集中の前に申告しなければなりません。改正独占禁止法や事業者集中申告基準に関する国務院の規定などの法規制では、売上高に基づく申告基準を引き上げるとともに、不法な集中に伴う責任や結果についても引き上げを行いました。

第二に、国家安全審査です。外国投資家が軍事産業や、その他の国防・安全保障に関連する分野に投資する場合、または重要な農産物、重要なエネルギーや資源、重要な技術など、国家安全保障に関連する重要な分野に事実上の支配者として投資する場合、投資前に自主的に申告を行わなければなりません。

第三に、サイバーセキュリティ法、データセキュリティ法、個人情報保護法、その他の関連する法律、規制、規則、基準が公布されているため、合弁企業は事業の過程でデータや個人情報の収集、保存、使用、処理、転送(特に国境を越えた転送)について、より慎重に行う必要があります。

さらに、合弁企業の設立・運営に関して、外国為替、税務、関税、技術の輸出入に関する中国の法規制の要件は随時更新されるため、これらの要件にも十分な注意を払う必要があります。

Zhong Lun Law Firm
22-31/F, South Tower of CP Centre,
20 Jin He East Avenue, Chaoyang District
Beijing 100020, China
Tel: +86 10 5957 2092
Email: qiujian@zhonglun.com
www.zhonglun.com


日本におけるジョイントベンチャーで、不測の事態に備えるために

外国投資家にとって、日本でのジョイントベンチャー設立は他にはない機会であり、同時に問題をもたらすことにもなります。大規模な日本経済は、安定したビジネス環境や先進的なインフラ、高度に熟練した労働力を提供してくれます。しかしながら、日本には特に外国為替及び外国貿易法や、スタートアップを含む多様な事業領域での事業連携に関する指針など、外国直接投資についての複雑な規制があり、それに対処していくには慎重に計画し、実行することが求められます。本稿では「外国為替及び外国貿易法」の見落とせない側面と、最近の規制強化など、外国投資家に対する実務上の影響を探っていきます。また、日本の交渉先とのジョイントベンチャー設立における実務的な交渉のポイントと、2022年5月に経済産業省より発表されたスタートアップ企業への合弁投資に関する新しい指針についても解説します。

手続きの強化

Len Matsunaga, Anderson Mori & Tomotsune
レン マツナガ
パートナー
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
東京
Tel: +81 3 6775 1390
Email: len.matsunaga@amt-law.com

外国投資家が日本でのジョイントベンチャー設立にともなって株式を取得しようとする時は、主に外国為替及び外国貿易法によって定められる外国直接投資(FDI)制度に従わなければなりません。

同法は、外国投資などの取引の管理と調整によって、日本や国際的なビジネス社会における対外取引の適切な発展を確保することを目的としています。その目的は、日本経済の健全な発展に貢献することです。

日本政府のFDIに関する政策と措置は、国家安全保障上の懸念の可能性のある新規投資を精査しつつ、 を促進することを目的としています。

他のアジアの法域とは異なり、日本の規制下においては、メディア、通信、航空事業など厳しく規制された事業分野への投資でない限り、対内投資は目標持株比率に関係なく無制限に行うことができます。ただし同法では特定のFDIについて、財務省や他の所管省庁による審査を義務づけています。

事前届出

外国為替及び外国貿易法の下では、日本と対内直接投資 に関する条約を結んでいない国からの投資については、FDI事前届出書を提出して、日本政府の承認を得ることが必要になる場合があります。一部の指定機密業種への投資については、外国投資家は事前に日本銀行を通じて当局に届出をする必要があります。

Gen Takahashi, Anderson Mori & Tomotsune
髙橋 玄
パートナー
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
東京・シンガポール
Tel: +65 6645 1022
Email: gen.takahashi@amt-law.com

届出の後、通常30日間の待機期間が課され、その間、当局はその投資が及ぼす国家安全保障上の潜在的な影響について審査します。待機期間はその投資の機微性に応じて短縮、または延長されることがあります。そのような事前届出が不要な場合でも、外国投資家は通常、当局に事後報告書を提出するよう求められます。

同法は、日本の当局がFDIについての今後の規制変更を発表し始めた2019年後半以降、注目を集めることになりました。中でも最も関心を集めた変更点は次のとおりです。

  • 事前届出書の提出が必要な取引の範囲が、情報通信技術(機器、ソフトウェア、サービス)、特定の医薬品、高度管理医療機器の製造に関連する事業にまで拡大
  • 一部の限定的な例外を除き、事前届出義務の閾値が、上場企業の株式または議決権の10%から1%に引き下げ
  • 特定の業種での取締役の任命、事業の譲渡または廃止について、事前届出書の提出の義務づけ

これらの動きは、最近の米国、EU、その他の経済圏での対内投資に対する制限強化に歩調を合わせたものです。筆者は、対内投資に関する日本の法的枠組みは、今後もより強く他国政府の今後の政策に影響され続ける可能性があると感じています。

ジョイントベンチャーへの影響 日本への投資を検討している外国投資家は、提案されたジョイントベンチャーが、拡大された指定機密業種のリストに該当する可能性はないのか、日本政府によって審査を受ける可能性はないのか、徹底的に分析するようお勧めします。これら求められる要件を早期に特定することで遅延を回避し、日本での法律遵守を確保することができます。

実務上の問題 対内投資についての日本の規制は比較的ゆるやかで、潜在的な投資を著しく阻害するものではありません。しなしながら、日本の交渉相手と満足のいく契約上の合意を得ることは、投資を検討している外国投資家にとって重要なポイントとなります。

外国投資家へのアドバイス

Hirofumi Mizuma, Anderson Mori & Tomotsune
水間洋文
アソシエイト
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
東京
Tel: +81 3 6775 1611
Email: hirofumi.mizuma@amt-law.com

ジョイントベンチャーの契約交渉での実務上の問題は他の法域と大きく異なるわけではありませんが、外国投資家にとって重要な注意点がいくつかあります。

  • 全体的な構造 日本人や日本企業のよく知られた特徴として、紛争や対立を非常に嫌う傾向が挙げられます。この特徴のため、日本人や日本企業はジョイントベンチャーの契約交渉の場においても、多くの困難な問題を最終的に誠実な議論を通じて解決することを好み、独自の姿勢で挑みます。外国投資家はこの考え方を十分に尊重しつつも、重要事項については不確実性が残ることを避けるため、適切な条項を要求する必要があります。
  • 経営構造 合弁契約では、外国投資家がジョイントベンチャーの経営陣を任命できるかどうかを明確にする必要があります。外国投資家にとって望ましい経営管理を実現することが重要ですが、彼らの指名する候補者が日本独自のビジネス文化を十分に理解していることを確保することも、また重要になります。
  • 紛争防止とその解決 主に日本人で構成されるであろうジョイントベンチャーの従業員間に、協力・尊重し合う姿勢を育むことは、ジョイントベンチャーを実務的に機能させる上で重要なもう一つのポイントとなります。ジョイントベンチャーのパートナー同士が経営について意見が異なり衝突することを想定して、合弁契約にはデッドロック条項など、当事者間の紛争を防止・解決するための条項を含めることは欠かせません。
  • 合弁契約の条項への反映 合弁契約の条項は、多くの法域においてジョイントベンチャー企業の設立関連書類に反映されることになります。しかし、日本企業では一般に、設立関連書類に直接、株主間の契約に関連する条項を記すことはありませんし、それが違法になるわけでもありません。外国投資家は、日本の交渉相手が合弁契約の条項を会社の設立関連書類に反映させることに抵抗することを前提に、個別の具体的な状況においてバランスの取れた解決策を検討する必要があります。

また、日本には、米国の全米ベンチャーキャピタル協会のモデル契約のような、株主間の契約についての「モデル契約」がないことにも留意する必要があります。多くの場合、契約の交渉はケースバイケースで自由に行われます。

スタートアップ投資

日本では、スタートアップ企業への投資に、ジョイントベンチャーの枠組みが用いられることが増えてきました。そこでも、投資を検討している外国投資家は、他国とは異なる慣行や規定の存在に留意しなければなりません。

日本政府は、いわゆる「オープンイノベーション」促進のための取り組みの一環として、スタートアップと成熟企業間の協力を促進するための措置を講じています。2022年3月、経済産業省はスタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針を発表しました。

この指針では、日本でのスタートアップとの事業連携と投資を成功に導くために、いくつかの主要な原則と推奨される事項について解説しています。

  • オープンイノベーションの促進――成熟企業のリソースとスタートアップの革新的な能力の統合を奨励すること
  • 相互利益の確保――連携により当事者すべてが利益を確保できる契約を構築すること
  • 柔軟なビジネスモデルの採用――機敏性と、市場の変化に対する迅速な適応を可能にすること

契約条項

指針では、スタートアップ企業への投資と合弁契約に盛り込むべき典型的な条項についても解説しています。また、上記のような合弁契約に関する実務的な内容に加え、以下のような、事業の支配権をバランス良くコントロールし、投資を保護するための指針の条項も挙げられています。

  • 経営について 投資家と(資金提供を受ける)スタートアップ間の経済的立場の違いを考慮して、指針では、業務の調整を行い、スタートアップ企業の経営陣の職務と報酬を定義することが本質的に重要であると説いています。
  • 営業秘密について どの情報が「機密情報」なのかを曖昧にしたままでは、投資家はスタートアップの機密情報を他の投資家を含む第三者に意図せず漏洩する危機にしばしば直面します。したがって、事業内容を徹底的に理解し、契約書では機密情報の範囲を正確に明らかにし、定義する必要があります。

結論

全体として、日本では法的にも経済的にもジョイントベンチャーに適した環境が整っています。とはいえ、外国投資家が日本市場の複雑さを克服し、日本において強力で、相互に利益を生むジョイントベンチャーを育むためには、契約、規制、文化的な考慮事項を理解し、対処することが極めて重要です。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所
Otemachi Park Building 1-1-1, Otemachi,
Chiyoda-ku Tokyo 100-8136, Japan
Tel: +81 3 6775 1000
www.amt-law.com


台湾における国際ジョイント・ベンチャーの構造と規制

ジョイント・ベンチャー(JV)は、外国企業が台湾市場に参入し、現地パートナーと共に事業展開を拡大するために一般的に採用される投資構造です。台湾でJVを設立することで、外国投資家と現地投資家は資本、リソース、専門知識、市場の知識を結集して、リスクとコストを共有し、新技術や市場を共同で開発することができます。外国投資家は、競争上の優位性を享受するために、JVの設立・運営に関する関連規則を理解しておく必要があります。

JVの会社形態

台湾には4種類の会社形態があります。(1)合名会社(無限公司)、(2)有限会社(有限公司)、(3)合資会社(両合公司)、(4)株式会社(股份有限公司)です。

外国投資家にとって、株式会社が最も有利な形態です。これは、2人以上の株主によって設立でき、各株主の責任は投入した資本額に限定されるためです。JVパートナーは優先株を引き受け、配当権、議決権、拒否権、一定数の取締役席、および/または優先的な転換比率を享受することができます。

JVの構造を強化するために、株式会社でありながら株主数が50人以下の閉鎖的会社は、定款(AOI)に株式譲渡制限を規定し、JVパートナー間の合意に沿わない株式譲渡を最初から(ab initio)制限することができます。株式会社が広範に普及することを考慮に入れつつ、本稿では、この特殊な企業形態の主な特徴に焦点を当てます。

外国投資の承認

Derrick Yang, Lee and Li
Derrick Yang
パートナー
Lee and Li(台北)
Tel: +886 2 2763 8000 (ext. 2152)
Email: derrickyang@leeandli.com

他の法域で採用されている外国直接投資制度と同様に、外国投資家がJVを設立する前に、経済部(MOEA)の投資審議司(DIR)から外国投資承認(FIA)を取得する必要があります。(マカオと香港を除く)中国からの投資家(PRC投資家)に適用される要件は、他の外国投資家に適用されるものとは異なります。

一般的に、外国投資家は次の場合を除き、自由にJV会社に投資することができます。(1)JV会社が政府の「ネガティブリスト」に載っている禁止または制限された事業に従事している場合、または(2)JVとの提携が国家安全保障、公序良俗、または国民の健康にリスクをもたらすかもしれない場合。PRC投資家は、政府が発表する「ポジティブリスト」に載っている産業にのみ投資することができ、DIRによるより厳格な審査の対象になります。

FIAの申請を審査する際、DIRはJVの株式構造と、事業計画案を綿密に検討します。さらに、DIRは追加情報を要求したり、政府内の機関と協議したり、および/またはケースバイケースで臨時の審査を行ったりして、関連規則の遵守を確認することがあります。

投資の規模と複雑さに応じて、DIRによる審査プロセスは、外国投資の場合は通常1〜2カ月、PRC投資の場合は4カ月以上かかります。

コーポレート・ガバナンス

会社法の下で、取締役会はJV会社の日常業務運営に関する広範な権限を委任されており、株主は定款の改正、減資、清算や解散、合併または分割契約の承認など、会社法で規定された特定の主要事項を決定する権限を保持しています。会社法の基づいて株主の承認が必要な事項を除き、会社の運営は大部分が取締役会によって決定されます。

2人以上のJVパートナーを有する株式会社の取締役会は、定款で1人または2人の取締役が取締役会に代わって行動することを許可していない限り、少なくとも3人の取締役で構成されなければなりません。各JVパートナーは、法人株主として自らがJV会社の取締役に選出されたり、代表者を指名して取締役の代表として務めさせたり、いつでもその代表者を交代させたりすることができます。これは会社法で認められているユニークな特徴です。

また、JVパートナーが代表者を指名してJV会社の取締役に選出し、その代表者が個人の資格で取締役を務めることもできます。JVパートナーは複数の代表者を指名して取締役または監査役に選出することができますが、その代表者は取締役と監査役を兼任することはできません。JVパートナーの代表者がすでに取締役に選出されている場合、JVパートナーが指名する監査役は個人の資格で選出され、チェックアンドバランス(抑制と均衡)を確保する必要があります。

株主と「事前同意事項」

Yu-Ting Su, Lee and Li
Yu-Ting Su
シニア・アトニー
Lee and Li(台北)
Tel: +886 2 2763 8000 (ext. 2618)
Email: yutingsu@leeandli.com

会社法は、株主総会または取締役会での過半数(定足数の半数以上による過半数)、または圧倒的多数(定足数の3分の2以上による過半数)の承認を必要とする事項(事前同意事項)のリストを規定しています。かつては、JVパートナーはAOIに基づいて、事前同意事項のリストをカスタマイズして、より高い定足数と議決権の基準を自由に定めることができました。

しかし、2019年にMOEAは、会社が会社法で明示的に許可されている事前同意事項に対してのみ、AOIに高い定足数/議決権要件を定めることができるという、より保守的な見解を採用しました。したがって、AOIに盛り込む事前同意事項を策定する際には、JVパートナーは特に注意を払い、会社法に準拠することを確認する必要があります。

JVパートナーはそれでも、AOIに反映させていなくても、JV契約に記載された事前同意事項に依拠することができます。会社法は株主が議決権行使や、その他のガバナンス事項について合意に達することを認めていますが、紛争が発生した場合、裁判所はその根底にある取り決めがMOEAの立場や会社法に矛盾しているかどうかを確認し、その事前同意事項の有効性/執行可能性を判断する必要があります。

デッドロック

台湾法は一般的にJVパートナー間のデッドロック状況については沈黙の姿勢を示しており、不一致を解決するために、当事者に広範な裁量を与えています。実際には、デッドロック状況に関する条項がJV契約に組み込まれており、そこには冷却期間、JVパートナーの役員間の交渉、株式の買い取りなどが含まれることがあります。

合意に達しない場合、JVパートナーはJV会社を解散するか、最後の手段としてコール/プット・オプションを行使することができます。しかし、優先株式または閉鎖的会社を採用していない場合、デッドロックの際にJV契約に違反してJVパートナーが第三者に株式を譲渡すると、特定履行の制限によって、その株式譲渡は依然として有効である可能性があり、違反をしていないJVパートナーはJV契約に基づく損害賠償やその他の救済措置を請求することしかできません。

配当の分配

台湾法の下では、JV会社はAOIに定められた通り、四半期ごとまたは年に1回、外国のJVパートナーに配当を分配することになります。配当を支払う前に、JV会社はまず損失を補填し、税金を支払い、法定準備金を積み立てる必要があります。さらに、剰余利益がない場合、配当/ボーナスは支払うことはできません。

税金に関しては、外国のJVパートナーに分配される配当は21%の源泉所得税の対象となりますが、適用される租税条約に基づいて、より低い税率が適用される場合があります。さらに、翌年末までに分配されない当年度のJV会社の利益は、5%の留保利益税の対象となります。

留保利益税として支払われた金額は、JVパートナーへの当該留保利益の分配に対する所得税と相殺することはできないことに注意が必要です。

JVパートナーの撤退

外国のJVパートナーがJV会社から撤退する場合、まず株式譲渡のためにDIRの事前承認を得る必要があります。物理的な株券が発行される場合、株式売却の完了時に、譲渡価格の0.3%の証券取引税が売り手に対して課されるため、買い手はこれを控除して支払う必要があります。

結論

JVを形成することは、外国投資家が台湾のような新しい地理的市場に進出するための戦略的かつ有益な手段となり得ます。外国投資家はデューデリジェンスを通じて、JV会社の設立・運営に関する財務的、文化的、法的、規制上の潜在的な課題とリスクを注意深く評価することが重要です。本稿は台湾におけるJVの構造と規制についての概要を提供するものであり、外国投資家が十分な情報に基づいて意思決定を行うためには、関連分野の専門家と詳細な協議を行うことが推奨されます。

LEE AND LI
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