価値獲得による資金調達 – 法的問題と課題

By Soumya Kanti De Mallik、Prithviraj Chauhan、Kshitij Gupta, HSA Advocates
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インドのスマートシティミッションは、都市開発における戦略的計画への移行を示しています。モビリティは、急速に拡大している都市において非常に重要であることから、公共交通指向型開発(TOD)が、都市成長戦略としてスマートシティのもとで促進されます。大量高速輸送システム(MRTS)は、都市におけるモビリティ開発の重要な要因です。

VCF
Soumya Kanti De Mallik
パートナー
HSA Advocates

MRTSおよびTODプロジェクトに巨額の設備投資が含まれることに加え、予算面での支援および補助金が限られていること、そして利用者料金からの収益が限られていることを踏まえ、土地の価値獲得による資金調達(VCF)方式などの革新的な資金調達方法が、ますます普及してきています。

VCFは、民間の土地建物がインフラへの公共投資から利益を受けるという原則の上に成り立っています。MRTSプロジェクトへの投資、容積率の増加および複合開発の提供は、ひいては、影響圏内の土地の価値を増加させることになります。したがって、土地の価値増加の一部を取り込んで、インフラの必要な改良および公共交通システムの拡大に資金を供給するために、資産売却に対する追加的な印紙税の課税、土地利用転換料、追加的な容積率の販売、租税、その他さまざまな手段のVCF方式を導入することができます。

しかし、VCF方式の導入に関しては、プロジェクト実施機関(PIA)、州または都市地方団体(ULB)など各種利害関係者間における資金の配分、資金の流れ、指定期間内での最終支出といったさまざまな法的課題があります。

VCF
Prithviraj Chauhan
アソシエイト
HSA Advocates

目的は、VCF方式の導入による増加分の収益が、いかなる障害もなく、適時にPIAに届くようにすることであり、これに関連して、i) 法的枠組み、ii) 契約上の枠組み、そして iii) 制度的枠組みという3つの枠組みを検討することができます。

法的枠組みを分析することにより、州の法規則の改正や、行政命令、新たな規則または通知の発行が提案される可能性があります。州法の改正は、通常、法的措置を必要とする複雑かつ時間のかかるプロセスであるため、避けられるべきです。行政命令および通知は、実施が容易であることから、より望ましい方法です。法的枠組みに基づいて資金の賦課、徴収、配分および支出のためのロードマップを策定し、それを利害関係者に効果的に伝えることが鍵になります。

さらに、VCFは、租税収入や税外収入(手数料や料金など)によって達成することができます。租税収入は、州の統合資金に預け入れられ、予算配分を通して支出されます。州は、PIAに対してこの配分を行う契約上の義務を有するべきです。税外収入については、契約上の枠組みがより重要性を持ちます。VCF方式を通じて都市地方団体によって徴収される料金や手数料、そして結果としての増加分の収益のPIAとの分配は、指定プロジェクト会計への適時の支出についての規定を詳述した、適切に策定された強力な契約、通常は州政府支援契約によって実施されるべきです。さらに、収益分配に関する政府の通知または行政命令が続いて行われるべきです。

VCF
Kshitij Gupta
アソシエイト
HSA Advocates

最後の制度的枠組みについて、州の都市地域における通常の制度的枠組みは、複数の機関によって実施されるさまざまな開発活動を定めています。効果的な実施のためには、特定のプロジェクトのためのさまざまなライン部門を調整する単一の主要機関を有することが重要です。PIAは、利害関係者として主要機関を有するべきです。もう一つの重要な要素は、制度的構造を通じて、プロジェクト会計への直接的な資金の流れの仕組みを確実にすることです。規則は、インフラ整備基金、TOD基金および都市交通基金の創設を定めています。しかし、これらの会計が地域の複数のプロジェクトを対象としているために、これらの会計からの支出に対して、基金の混同が生じるという問題が生じています。

推奨されるアプローチは、プロジェクトの基金が、特定のプロジェクトだけに利用されるようにすることです。資金フローの仕組みは、VCF方式から徴収された増加分の資金が、適時に(適切な契約を通して創設される)専用プロジェクト会計に支出されることを、確実にしなければなりません。

適切な法的枠組み、契約上の枠組み、そして組織的枠組みにより、VCF方式の導入を成功させることができます。これは、補助金や州財政にあまり頼らずにスマートシティでMRTSおよびTODプロジェクトを創設することに、大きな役割を果たします。HSA Advocatesは、さまざまな州で、VCF方式を導入する法的枠組み、契約上の枠組みおよび制度的枠組みを含めて、スマートシティプロジェクトに関するアドバイスを行っています。

Soumya Kanti De Mallikは、HSA Advocatesのパートナーであり、Prithviraj ChauhanおよびKshitij Guptaはアソシエイトです。

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