フィリピンの再生可能エネルギー改革と外国投資の機会

    By Patricia Bunye • Rafael Raymundo Evangelista / Cruz Marcelo & Tenefrancia
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    外国所有規制の緩和と市場メカニズムの進展により、フィリピンは、エネルギー市場をより激しい競争へと開放しています。

    フィリピンは、エネルギー転換において重要な局面に立っています。同国は、かつて輸入化石燃料に著しく依存していましたが、エネルギー安全保障と気候変動へのレジリエンスという2つの避けられない課題を背景に、現在は再生可能エネルギー(RE)への移行を加速させています。過去5年間、フィリピンの法的・規制上の枠組みは、主要なRE技術に関する外国所有規制の自由化、許認可手続の合理化、エネルギー転換を拡大するための新たな市場メカニズムの導入を含む、実質的な改革を遂げてきました。

    これらの改革は、2001年の共和国法第9136号(EPIRA)の制定以来、フィリピンのエネルギー部門にとって最大級の変革期となることを示しています。政府が2030年までに電源構成の35%、2040年までに50%を再生可能エネルギーとする目標の達成を目指す中、開発事業者には、より開放的で競争力のある投資環境がもたらされています。

    EPIRARE法に基づくフィリピンの再生可能エネルギーの法的枠組み

    Patricia-Bunye
    Patricia Bunye
    マネージング・パートナー
    Cruz Marcelo & Tenefrancia
    マニラ
    Tel: +632 88 105 858
    Email: po.bunye@cruzmarcelo.com

    同国のREの法的枠組みは2つの法律を基盤としています。第1に、EPIRAはREを含む発電部門を民間へ全面的に開放することにより、電力産業の構造改革と自由化を行いました。EPIRA以前、発電および送電部門は政府による垂直統合型の独占下にあり、そのモデルは停電や高額な電力コストという弊害をもたらしていました。EPIRAはこの垂直統合体制を大幅に再編して、電力産業を発電、送電、配電、小売供給へと機能別に分離しました。

    EPIRAはさらに、卸電力スポット市場や、小売競争およびオープンアクセス(RCOA)を含む市場競争メカニズムの発展を可能にしました。RCOAとは、一定の要件を満たす需要家に対して電力供給者の選択を認める制度です。これらの改革により、国家による支配は縮小され、市場効率が向上するとともに、大規模なRE開発を支える制度的基盤が整備されました。

    第二に、共和国法第9513号、すなわち2008年RE法は、RE開発を加速させるために必要な、的を絞った政策枠組みおよび優遇措置制度を確立し、所得税の免税期間、関税の免除、付加価値税(VAT)のゼロ税率等の税制上の優遇措置を導入することで、REプロジェクトの融資適格性を大幅に向上させました。

    RE法はまた、次のような制度も整備しました。RE証書の取引を可能にする再生可能エネルギー市場(REM)、REの調達を増加させることを義務付ける再生可能ポートフォリオ基準(RPS)、適格な需要家が電力を全面的に再生可能発電事業者から調達できるようにするグリーン・エネルギー・オプション・プログラムです。これらの制度は総合的に、RE部門を黎明期であった産業から国家エネルギー政策の中核的な柱へと転換させました。

    また、これらの法制度は、安全で持続可能なエネルギーシステムに向けた政府の長期ビジョンを掲げる、2023年~2050年のフィリピン・エネルギー計画と並行して機能しています。

    フィリピンの再生可能エネルギー開発を監督する規制機関

    Rafael-Evangelista
    Rafael Raymundo Evangelista
    シニア・アソシエイト
    Cruz Marcelo & Tenefrancia
    マニラ
    Tel: +632 88 105 858
    Email: ra.evangelista@cruzmarcelo.com

    フィリピンのRE部門は、それぞれが異なりつつも相互補完的な権限を有する複数の政府機関の管轄下に置かれています。エネルギー省(DOE)は、部門計画の策定、エネルギー政策の立案、REサービス契約の付与および管理を担う主管機関です。同省は、競争入札や市場メカニズム、洋上風力発電や水素発電などの新技術を規定する通達を発出しています。

    エネルギー規制委員会(ERC)は、料金設定ならびに小売・卸売電力市場の監督を担う独立規制機関です。RE開発事業者にとってERCの承認は、商業運転開始の達成および融資適格性を有するオフテイク契約の確保に不可欠です。

    環境面における監督は環境天然資源省の管轄であり、同省は環境影響評価制度を運用するとともに、プロジェクト建設の前提条件となる環境適合証明書を発行します。

    国家先住民族委員会(NCIP)は、先祖伝来の領域(ancestral domains)に影響を及ぼすプロジェクトに関して、自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意の手続きを監督します。先住民の土地に影響を及ぼすREプロジェクトにおいては、責任を持った開発を確保するために、NCIPとの協議が不可欠です。

    外国所有の自由化による、フィリピン再生可能エネルギー市場の開放

    RE規制環境における近年の最も重要な進展の一つが、外資の所有に対する制限の撤廃です。歴史的には、1987年憲法が天然資源の探査、開発、活用に関わる活動への外資参入を40%に制限しており、これが自然の力を利用するRE技術にとって不確実性を生じさせていました。

    この曖昧さは、2022年に司法省(DOJ)が2022年意見書第21号を発出し、太陽光、風力、水力(表流水)または海洋・潮汐エネルギーは、憲法が想定する天然資源には該当しないと明確化したことで解消されました。DOJの見解では、これらはポテンシャル・エネルギーではなく運動エネルギーを利用するものであり、本質的に無尽蔵であるという点で、鉱物や化石燃料といった枯渇性資源とは明確に区別されます。DOEはその後この解釈を採用し、これらのRE技術について外国資本が100%保有できることを正式に認めました。

    この政策転換は画期的な変革であり、外資や技術移転に対する主要な構造的障壁を打破するものです。これより国内法は国家エネルギー目標と整合し、フィリピンが大規模な国際投資を呼び込むことが可能になり、今後10年間の発電容量の拡大が加速すると期待されます。

    フィリピンにおける再生可能エネルギー投資の見通しとプロジェクト開発

    フィリピンのRE投資・開発環境は、所有規制の自由化とクリーンエネルギー需要の拡大を背景に、ここ数年大きな進展を遂げています。外国資本40%の上限を撤廃したことにより、フィリピンは現在、より開かれたRE市場へと進化しています。2025年2月現在、DOEは合計潜在容量として約154GWに相当する1400件超のサービス契約を承認しており、その中には外資100%企業への初めての付与案件も含まれます。

    また、政策主導による需要拡大も、このような投資の勢いを加速させています。RPS制度のもと、電力事業者はRE再生可能エネルギーの調達量を毎年増やすことが義務付けられており、これが新規設備に対する予測可能な需要の創出につながっています。グリーン・エネルギー・オークション・プログラムは、競争入札による大規模なRE調達でこれを補完し、一方でRCOAは、長期的な価格安定とサステナビリティの遵守を求める大口需要家による、企業の再エネ調達を可能にしています。

    こうした進展にもかかわらず、開発事業者は依然として構造的な課題に直面しています。具体的には、エネルギー・バーチャル・ワンストップ・ショップ(Energy Virtual One-Stop Shop)があるにもかかわらず、許認可手続が複数機関にまたがっていること、資源が豊富でありながら遠隔地に位置するために生じる送電上の制約、複雑な土地取得および用途転換の要件です。特定の技術については依然として国籍制限の対象となっています。水力発電プロジェクトには、フィリピン国民かフィリピン資本が過半数を占める法人のみに付与される水利権が必要で、地熱資源は引き続き天然資源として分類され、外国の開発業者は憲法による土地所有制限のため、一般的に長期の土地賃貸契約に依存せざるを得ません。

    フィリピンにおける再生可能エネルギーの成長を促進する優遇措置と新興技術

    RE法は、フィリピンにおけるRE開発の財務的な実現可能性を支える、強力で包括的な税務上および非税務上の優遇措置を提供しています。税務上の優遇措置としては、7年間の所得税免除、その後の法人税の軽減、設備の輸入関税の免除、VAT(付加価値税)ゼロ税率、欠損金の繰越控除および加速減価償却等があります。これらの優遇措置は資本集約型技術にとって特に重要です。非税務上の優遇措置としては、優先的な電力供給、送配電網へのオープンアクセス、RPSに基づくRE証書取引のためのREM(再生可能エネルギー市場)への参加が含まれます。

    同時に、新興技術が同国のクリーンエネルギーの方向性を再形成しています。フィリピンは洋上風力発電の主要な投資拠点になっています。現在、80件を超えるサービス契約が付与され、広範な開発前段階の活動が進められています。蓄電池エネルギー貯蔵システムは、DOEが発出した通達により、蓄電が間欠性の管理と予備力の確保に不可欠であると認められたことで、重要性を高めています。水素開発についても、DOEの2024年水素ロードマップに導かれる形で、開発が加速しています。加えて、廃棄物発電に関する規則や、新たに公表されたエネルギー部門向けのカーボンクレジット枠組みなどの補完的な取り組みは、新たな資金調達の経路を切り開き、長期的な排出削減を支える、気候整合型投資メカニズムへのより広範なシフトを象徴しています。

    フィリピンのRE部門は、将来を決定づける10年へ入ろうとしています。より開放された投資環境、強化された規制枠組み、新技術の統合により、同国は近代的で強靭な、競争力のあるエネルギーシステム構築に向けた基盤を築きつつあります。課題は残るものの、政策と市場改革の方向性は明確です。すなわち、REが国の将来の電源構成の中核を形成することになります。

    世界的な開発事業者による資本と知見の投入とともに、政府による市場メカニズムやインフラの継続的な改善が進む中、フィリピンは地域で屈指のダイナミックなRE市場として台頭する有利なポジションにあり、野心的なクリーンエネルギー目標の達成と、エネルギー安全保障および気候へのレジリエンスの強化を同時に実現し得ると見込まれます。

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