日本からインドネシアへの投資は30年以上にわたる歴史があり、外国投資の成功例として際立っています。2008年、インドネシアと日本は日・インドネシア経済連携協定を締結し、2023年にはその改正議定書を公表、2025年に発効する予定です。日本のインドネシアへの投資の重要性を示す一例は、日本が2024年第4四半期だけで、インドネシアにおける投資額で第5位にランクインし、総額9億米ドルに達したことです。
人口は約2億8000万人、そのうち20歳~40歳が9000万人を占めるインドネシアは、日本製品になじみがあることもあり、特に日本の投資家にとって依然として世界有数の投資先の一つです。
インドネシアで事業を立ち上げるという海外直接投資(FDI)の従来型の投資手法に加えて、近年では日本企業を含む外国企業による国内企業の買収が大幅に増加しています。株式取得という形で成熟した事業に参入することが、投資の成果を確実にするための、より安全なアプローチを約束してくれるという見解は理解できる一方で、それは、より高額で複雑であることも事実です。
FDIと事業設立

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インドネシアの営利事業へのFDIは、インドネシア投資法に基づき有限責任会社を通じてのみ行うことができます。
事業の選択:法人設立の手続きを開始する前に、外国投資家は少なくとも以下の2つの重要事項を検討する必要があります。(1)インドネシア標準産業分類(Klasifikasi Baku Lapangan Usaha Indonesia/以下、KBLI)に基づいて、計画している事業を特定し、その事業の正確なKBLIコードを取得すること、(2)計画している事業が海外投資に開放されているかどうかを確認すること。
後者については、最近発行されたポジティブリストを参照することができます。このリストでは、以前のネガティブリストとは異なり、ほとんどの事業が外国投資に完全に開放されています。ただし、中小零細企業向けや、電力や水道などの国家戦略事業に指定されているものは除外されます。
会社設立:適切なKBLIを選択した後、有限責任会社の設立を開始することができます。設立の手続きはインドネシア会社法に基づき、少なくとも2人の株主からなる設立株主を選定することから始まります。それから、設立株主は定款(AOA)として知られる設立証書を作成する必要があります。
設立株主が関連当事者ではない場合、会社の組織と管理を規定し、AOAの基礎となるジョイント・ベンチャー契約または株主間契約が作成されます。このような場合、関連当事者ではない契約では、AOAの準備には通常、インドネシアの公証人と法律顧問が関与し、ジョイント・ベンチャー契約または株主間契約の作成を支援します。
選択されたKBLIは、会社の事業目的としてAOAに反映されます。外国投資会社は、最低発行済みおよび払込資本として10億インドネシアルピア(約61万米ドル)を、現金または現物出資で保有していなければなりません。会社の資本構成はAOAに記載されます。
AOAが完成すると、設立株主またはその代理人は、インドネシアの公証人の前で署名をする必要があります。設立手続きは、資本注入に関する声明書などの所定の措置や書類が提供された後、法務大臣(MOL)への提出を通じて完了します。
MOLが設立を承認すると、その会社は有限責任と独立資産を持つ法人として、完全に設立されたものと見なされます。
ライセンス申請:会社は、インドネシアのすべての企業のためにワンストップ・サービスとして政府が設立した統合オンライン・ライセンス・プラットフォームである、オンライン・シングル・サブミッション(OSS)システムを通じて、ライセンス取得の手続きを完了させる必要があります。

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最初のステップは、他の技術的なライセンスの取得の前に事業識別番号(Nomor Induk Berusaha/以下、NIB)を入手することで、この識別番号は会社のマスターIDとしてよく参照されるものです。
NIBを入手した後、会社が取得する必要のあるライセンスは、選択した事業(KBLI)によって異なります。これは、インドネシアの現行のライセンス制度はリスクに基づいたライセンスを採用しているためです。例えば、製造業はサービス業よりも複雑なライセンスの枠組みを必要としますが、金融サービス業は例外で、金融サービス業はインドネシア金融サービス庁(Otoritas Jasa Keuangan/以下、OJK)の監督下にある厳格に規制された事業です。
さらに具体的に説明すると、製造業の場合は通常、立地許可(KKPRまたはPKKPR)、環境許可、建築施工承認、工場の建物ための適格証明書を取得する必要があります。
買収による投資
もう一つの一般的になりつつある投資手法は、買収による投資です。買収は、買収対象によって広範囲にわたるトピックを含みますが、ここでは、インドネシアの会社の株式を取得して支配権の変更を伴う買収に焦点を当てます。
インドネシアにおける株式の買収は、一般的に非公開会社の買収と公開会社の買収に分類され、それぞれ異なる規制枠組みが適用されますが、一部重複する側面もあります。本稿の目的上、公開会社とは、非公開会社とは対照的に、インドネシアの資本市場に上場し、株式が公開取引されている会社を指します。
非公開会社の買収:法的には、非公開会社の買収は、まず対象会社の取締役会が作成し、監査役会が審査する買収計画から始まります。買収計画が作成された後、買収を承認する株主総会(GMS)が開催される30日前までに、全国紙で債権者への公告、対象会社の従業員への通知が義務付けられています。

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その後、GMSで株式譲渡や取締役会の変更、AOAの修正、先買権の放棄といった関連事項が承認されます。このプロセスは、株式売買契約の締結をもって完了します。通常、株式売買契約はクロージングの手続きとして、インドネシアの公証人の面前で公証証書(Akta Jual Beli/以下、AJB)としてまとめられます。
商業的には、買収の手続きは基本合意書または覚書から始まり、デューデリジェンス、取引文書の作成、AJBの署名などクロージングに至るその他の手続きを経て進められます。売り主と買い主ともに、コンサルタントまたは法律顧問の助言を受けます。
クロージング後の手続きとして、買収完了の新聞告知や、一定の価値基準を満たした場合のインドネシア事業競争監視委員会(Komisi Pengawas Persaingan Usaha)への提出などが行われます。
公開会社の買収:対象会社が公開会社である場合、株式購入が買収に該当するかどうかを判断することが重要です。なぜなら、適用される規制が異なるためです。経験則から言えば、株式購入が支配権の変更をもたらす場合に買収と見なされます。具体的には、議決権を持つ株式の50%以上を取得する場合、または50%未満の取得であっても、会社の経営に影響・指示する能力を得る場合が該当します。
交渉の間、当事者は交渉を開示するかどうかを選択できます。開示を選択した場合、インドネシア証券取引所(IDX)のウェブサイトおよび全国紙で告知を行う必要があります。開示しない場合は、交渉は厳重に秘密保持されなければなりません。
無記名株式の譲渡の場合、両当事者はそれぞれのIDXのブローカーに指示を出して、株式の保管機関を通じて譲渡を完了させなければなりません。記名株式の場合は、記録の更新や新しい株主名簿と株式証明書の発行のために、管理局への届出が求められます。
クロージング後には、買収の告知を全国紙とIDXのウェブサイトで公開し、OJKへの届出も行います。公開会社の買収の多くが強制公開買付(MTO)になります。MTOの結果、総払込株式の80%以上を所有する場合、株式の売却(ダイベストメント)が義務付けられます。
東南アジア最大の経済規模を持つインドネシアは、その成長する市場によって投資家の注目を集め続けています。政府もまた、ゴールデンビザや税制優遇措置などの特典を通じて外国人投資家を積極的に誘致しています。ポジティブリストの導入は、外国人投資家に対する政府の前向きな姿勢を強調しているのです。

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