日本のEEZにおける洋上風力推進に関する2026年の計画

    By Shunta Doki・Yosuke Nakano / 大江橋法律事務所
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    日本では、排他的経済水域(EEZ)における洋上風力発電プロジェクトを可能にする画期的な改正、およびグリーン・トランスフォーメーション(GX)排出量取引制度の強化がいずれも施行・実施される予定であり、再生可能エネルギーの促進が今後も進展すると見込まれます。EEZに海洋再生可能エネルギー発電設備の設置を可能にする「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る法律(海域の利用の促進に関する法律の改正法)」は、2026年4月1日に施行予定です。

    また、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)」も改正され、排出量取引制度(GX-ETS)への参加が、2026年4月1日から特定の企業に対して義務化されます。

    法律が海洋開発への道を開く

    Shunta Doki
    Shunta Doki
    土岐俊太
    パートナー
    大江橋法律事務所
    大阪
    Tel: +81 6 6208 1457
    Email: shunta.doki@ohebashi.com

    改正後の海域の利用の促進に関する法律の下では、海洋再生可能エネルギー発電設備の設置が可能な区域が、領海および内水からEEZへと拡大されます。特に浮体式風力タービンの開発を通じて、洋上風力発電プロジェクトが大きく進展すると見込まれます。

    領海および内水で適用されている1段階の枠組みとは異なり、EEZにおける海洋再生可能エネルギー発電設備の設置の許可については、2段階の枠組みが採用されています。主な手続きは以下のとおりです。

    募集区域の指定:経済産業大臣は、公示や行政機関との協議を経て、自然的条件やその他の関連する事情に照らして適切なEEZ内の一定の区域を、海洋再生可能エネルギー発電設備設置募集区域として指定することができます(第32条第1項)。

    仮の地位の付与(仮許可):海洋再生可能エネルギー発電設備を設置しようとする事業者は、募集区域内の海域を特定し、区域図の案および海洋再生可能エネルギー発電設備の設置に関する計画(設置計画)の案とともに、仮の地位を申請しなければなりません(第33条第1項、第2項)。仮の地位(仮許可)は、経産大臣および国土交通大臣が、申請が供給価格、海洋再生可能エネルギー発電設備ならびに当該設備の維持および管理の方法に関する基準に適合すると認める場合に限り、当該事業者に付与されます(第34条第1項)。募集区域の同一の区域で申請が重複する場合は、海洋再生可能エネルギー発電事業を長期的、安定的かつ効率的に運営するために最も適切であると判断される事業者が選定されます(第34条第1項第2号)。仮許可の有効期間は最長5年です(第34条第2項)。

    Yosuke Nakano
    Yosuke Nakano
    中野陽介
    アソシエイト
    大江橋法律事務所
    大阪
    Tel: +81 6 6208 1436
    Email: yosuke.nakano@ohebashi.com

    外国為替及び外国貿易法に基づく他の規制が適用される可能性がある一方で、改正後の海域の利用の促進に関する法律は、外国企業や外国資本の参加を直接制限していません。

    協議会の設置:仮の地位が付与された後、募集区域内における海洋再生可能エネルギー発電事業の運営に必要な協議を行うための協議会を設置しなければなりません(第36条第1項)。

    仮許可事業者が提出した区域図の案または設置計画の案が、上記の協議結果と整合しない場合、事業者は、それらの結果に整合的なものとなるように修正しなければなりません(第36条第6項)。

    設置許可:仮許可事業者は、有効期間内に、区域図の案および設置計画の案を精査・修正し、確定した区域図および設置計画を添えて設置許可の申請をしなければなりません(第37条第1項、第2項)。

    仮許可事業者が設置許可を付与されるのは、申請が、協議会において合意された事項との整合性を含む一定の基準を満たすと認められる場合に限られます(第38条第1項)。

    設置許可を付与された事業者は、許可区域(領海および内水を除く)において海洋再生可能エネルギー発電設備を設置することができ、また、承認された設置計画に従って、設備を維持管理し、撤去する義務も負います(第38条第4項、第40条)。事業をFITまたはFIP制度の対象とするためには、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づく入札に参加する必要があります。

    GX-ETSの排出量報告および取引

    改正GX推進法の下では、直前3事業年度における二酸化炭素排出量の年平均が10万トン以上に達する事業者は、毎年、次の情報を経済産業大臣に報告しなければなりません。

      1. 名称、所在地および代表者の氏名
      2. 事業分野および活動内容
      3. CO₂の年度平均排出量
      4. 当該事業年度における排出目標量およびその目標を設定した根拠
      5. その他の政令で定める事項(第33条第1項)

    排出枠の割当て:経済産業大臣は、報告内容が実施指針に照らして適切なものであると認めるときは、届出をした事業者に対し、届出に記載された排出目標量に基づいて、排出枠を無償で割り当てなければなりません(第34条第1項)。当該事業者は、割当対象年度の排出実績量を、割当対象年度の翌年度に、経済産業大臣、環境大臣および当該事業を所管する関係大臣に報告しなければなりません(第35条第1項)。当該事業者は、排出実績量が実施指針で定める算定方法により適切に算定されていることについて、登録確認機関の確認を受け(第35条第2項、施行令第5条)、確認結果の内容を記載した報告書を添付しなければなりません(第35条第3項、第33条第3項)。

    経済産業大臣は、排出実績量に相当する量の排出枠を報告した事業者に対し、その旨を通知しなければなりません(第36条第1項)。報告内容が不適切である場合、またはその他必要がある場合には、経済産業大臣は調査に基づき、保有すべき排出枠の量を決定し、事業者に通知しなければなりません(第36条第2項)。当該事業者は、その後、割当対象年度の翌年1月31日(償却日)までに、第36条第2項に基づき通知された量の排出枠を保有口座において保有しなければなりません(第36条第3項)。排出枠は取引することができますが、投機的取引は認められません(第38条)。

    排出枠取引:排出枠取引市場(第111条第1項第6号イ)は、2027年秋頃に開設される予定です。経済産業大臣は、産業および国民生活に与える影響、GXへの移行の状況ならびにエネルギーの需給に関する施策との整合性を考慮して、各事業年度の開始前に、参考上限取引価格(二酸化炭素1トン相当の排出枠の取引価格の上限を算定する基礎となる価格)を定めなければなりません(第39条第1項)。

    一方で、経済産業大臣は、各事業年度について、事業活動を誘導する排出枠の取引価格の水準、および二酸化炭素排出に関する国内外の経済動向を考慮して、事業年度の開始前に、調整基準取引価格を定めなければなりません(第116条第1項および第2項)。GX推進機構は、平均取引価格が調整基準取引価格を下回る場合、取引価格を調整するために排出枠を購入することができます(第111条第1項第7号、第117条第1項)。

    排出枠の償却:経済産業大臣は、償却日に、通知された量の排出枠を償却しなければなりません(第37条第1項)。経済産業大臣は、当該割当対象年度において通知された量の排出枠について経済産業大臣から償却を受けていない事業者から、償却日の翌日以降に、未償却相当負担金を徴収します。この負担金は、通知された量のうち償却を受けていない排出枠の量に参考上限取引価格を乗じて得た額に、1.1を乗じた額として算定されます(第41条第1項)。

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