心地良い空間から踏み出す一歩

By 榊原美紀(日本組織内弁護士協会)
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女性は、思い切ってリーダーシップをとって、伝統的な文化的慣習に立ち向かわなければならない

「私私は、小さい頃から、女性が下位または不平等に扱われるのを見て苦しく感じていました。そのときから私は、性差別との闘いに情熱を注いできました。

20年前に弁護士になったとき、私は、わずか12%の女性のうちの1人でした。今、日本では、弁護士の2割が女性であり、インハウスでは、女性が弁護士の4割を占めています。

Miki-Sakakibara-Panasonic
榊原美紀
日本組織内弁護士協会
理事長

米国では、クライアントが法律事務所の多様性を求めていると聞きました。これは、単により多くの女性という点だけではなく、LGBTコミュニティーなど、他のマイノリティーからより多くの代表者を輩出することも含まれます。日本のクライアントが同じだったら理想的ですが、クライアント自身がまだ多様性を受け入れていないため、人にも求めることができないのです。最初に、私たちは、自分たちの会社を内部から変えていかなければなりません。

幸運なことに、日本の安倍晋三首相の「ウーマノミクス」キャンペーンは、2020年までに指導的地位に占める女性の割合を3割にすることを目標としています。その結果、最近、政府では多くの女性が高い地位に就いています。しかし、民間企業では遅れをとったままです。

コーポレートガバナンスの強化により、状況は徐々に変化しています。多くの企業が社外取締役を任命することを決めていますが、彼らは、女性弁護士を選ぶ傾向があります。これは前進ではありますが、15~20人の取締役会のメンバーのうち女性が1人では、十分ではありません。

日本の企業と法律事務所はどこでも、状況はだいたい同じです。女性の数は十分ではありません。外国の企業や法律事務所は、はるかに進んでいます。

私は性別の多様性を最優先に考えていますが、より大きな影響を与えるためには、女性が権限のある地位に就かなければならないと考えています。私がJILA (日本組織内弁護士協会)の理事長になる前、女性は取締役会のメンバーの1割に過ぎませんでした。現在、女性は合計で4割です。私はこの成果を非常に誇りに思います。私は、弁護士会を訪れたら毎回、彼らにJILAのこの数字の変化を言い聞かせ、私たちの例に倣わなければというプレッシャーをかけます。

ほかにも賃金格差などの関連する問題はありますが、私は、男性と女性の不均衡を是正することは、最重要課題だと考えます。女性が少なくとも3割を占めれば、女性の発言力は強まり、女性が意思決定権限を持つことができるようになります。

多くの女性は、家事や育児の責任があるため、男性と同時間の仕事をすることができません。女性は、オフィスを早く出なければならないことが多く、このことは、仕事の成果に影響します。法律事務所が、労働時間に報じて報酬を支払う限り、女性は奮闘を強いられ、パートナーにはなれそうにもありません。この課題は、法律専門家に限られません。

私たちの文化的価値観もまた、女性の障害になります。女の子は家族といるときでさえ、おとなしくするように、控えめにするように育てられます。リーダーシップやはっきりと物を言う経験はほとんどありません。これは、幼少のころから始まります。私たちは、そのようにしつけられます。男性は違います。幼稚園や小学校でも、先生はからリーダー的な役割を引き受けることや、学級委員長になることを期待されます。女性は、そのようなことはありません。

最近、私は、ある会社の社外取締役に選任されました。これは良いニュースでしたが、そのための職業訓練を受けていないと感じました。しかし私は、これが良い機会だと思ったため、その役職を引き受けました。私は、若いJILAの会員、特に若い女性弁護士に対して、やりたくなくても、発言し機会をつかむようにアドバイスしています。ときには、私たちは、自己主張を強くし、自信を持たなければなりません。

企業内弁護士であれば、男性が多数を占める環境で、孤立していると感じるかもしれません。しかし、JILAでは、女性は、ダイバーシティグループに参加することができます。これは、さまざまなロールモデルに接し、まねる機会を与えてくれます。

自分の会社ではまだ上級意思決定者の職務に就いていなくても、JILAの取締役会の一員であれば、女性弁護士も、上級意思決定者になることができます。より責任ある立場に立ち、職業訓練を受けるためのプラットフォームとして、JILAを利用することができます。JILA は一組織に過ぎませんが、できることもたくさんあります」

アジアの上級の女性弁護士は、あらゆるタイプの法律専門家として、成功と奮闘と戦略について、同じ体験談を有しています。以下の体験談のモザイクから、アジアの法域の女性の経験をうかがい知ることがきます。彼女たちの経験を糧にするのです。

An Asian mosaic

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